永遠のジャンゴのレビュー・感想・評価
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あの名作とオーバーラップ
ジャンゴのギタープレーの再現は圧巻です。
2本指だけの伝説のプレイの演技をみるだけで価値があります。
サスペンスタッチのドラマも中々引っ張ってくれた点良かったと思います。
トラップ一家をつい思い出してしまいました。
サスペンス版サウンド・オブ・ミュージックですね。
音楽よかった
音楽と自由であることが密接で、腕一本で世間と渡り合おうという姿が素晴らしかった。ただ敵がナチスなので厳しすぎる。スイスの酒場で売り込みをして、演奏を聴かせるとマスターの対応が一変する場面がすかっとした。愛人のわきまえている感じもよかった。
1943年フランス。当時、ドイツ政府は欧州制覇の為に、ユダヤ人、共...
1943年フランス。当時、ドイツ政府は欧州制覇の為に、ユダヤ人、共産党員、ソ連軍捕虜といった様々な民族へ弾圧を行っていたが、特に、同じアーリア人のルーツを持つロマ族に対しては「劣等民族」として、ユダヤ人以上の迫害を行っていた。そのロマ族の血を引くベルギー出身の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、家族と共に居住地域を変えながら、演奏で生活をしていたが、度々、ドイツ派遣部隊の弾圧に遭い、身分証でロマ族と知れると不当逮捕されたあげく「ドイツ人将校達の前で慰問演奏するなら、自由にしてやろう」と言われる。プライドが許さず憤慨したものの、ジプシー狩りが激化したことを受けて、ジャンゴは家族を守るために、スイス亡命と引き換えに地元レジスタンスと取引を行い、慰問会に参加することにした。ジャンゴが情熱的な演奏を奏でている裏で、レジスタンスが負傷した英国兵を逃すのだ。優雅で美しい旋律はやがて激しい旋風へ。この音色はジャンゴの復讐の音色だ。ドイツ人達はその熱気にやられ、徐々に、そして激しくフロアーを踊り回る。
混沌とした時代だからこそ音楽の力を思い知る。音楽の前では民族の垣根なんてない。仲間思いで、音楽に愛されたジャンゴ。戦争が終結するとレクイエムを作曲した。
ロマ族には様々な才能に長けた人達がたくさん居たが、多くの芽が戦争という狂気に摘み取られていってしまった。歴史上では『ポライモス』と命名されている。戦争がなりを潜めている現在でもロマの生きづらさは変わっていないという。
「俺は音楽を知らないが、音楽は俺を知っている」
このセリフが1番ガツンときた。きっと仲間はもとより、全ての人々に音楽を通して、自由に生きることを鼓舞していたんだと思いました。体たらくな姿があっても音楽に対しては真摯だったジャンゴ。とてもカッコよかったです。。
これはジャズ映画ではない。
ジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画というよりも、ナチスに迫害されたジプシーたちの悲劇を、ひとりのジャンゴという人物を通して表現した作品です。
ですから、リー・モーガンを扱った『私がモーガンと呼んだ男(私が殺したリー・モーガン)』や、チェット・ベイカーを題材にした『ブルーに生まれついて』のような演奏も楽しめるジャズ映画を思い浮かべると肩すかしを食らいます。
まあ、中身は悪くないですが、ジャズに関しては期待しない方がよいでしょう。
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