デイアンドナイトのレビュー・感想・評価
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もっと顔腫れるやろ
配給が日活ということで久しぶりにスクリーンでNKロゴを観た。主演の阿部進之介が原案、山田孝之が脚本とプロデユースを手がけたというのだが、見事に「役者が作った映画」になっていて感心した。何がと言うとこの手のシリアスドラマにありがちな浮いた恥ずかしい科白がなく淡々と地に足が着いていて、端折らない芝居が映画の尺が長くなる所以。「オンザロード」の渡辺裕之がもはや阿部の親父役だもんなぁと言う感慨も。オーソドックスな社会派ドラマなのだが、かなり視野が狭過ぎて・・自動車メーカーもマスコミも設定自体が地方都市から一歩も外に出れないところに不満が残る。とことん殴りあうのはいいけれど、もっと顔が腫れてしかるべき・・映画とはいえ。敵役の田中哲司が良い。
ちょっと、残念な点が
テーマを台詞にして、問いかけるシーンが、どうにも不自然に感じた。
台詞がなんだかなぁ、はっきり言い過ぎところ?自然にみえないんだよね。
あと、ラストの泥とかがやり過ぎ。
顔もオカルトかって仕上がりに感じた。
俳優人は熱演です。
ななちゃんも、魅力的。
2020年代の日本映画界を牽引する
のではないかという期待が湧いてくるような、新時代のドアが開く音が聞こえるような、ブレイクスルー的意義のある作品に思えました。
テーマの描き方や構成については、出来上がったものを初めて観た目には正直つっこみたくなるところがいくつもあるのですが、それは観る者の自由であって。それを上回る、作り手さんたちの挑戦心、意欲、熱意が感じられました。
早くもこの作り手さんたちの次作を観たい、2020年代の日本映画界を引っ張っていくのではないでしょうか?!
と、通ぶってますが、違うんです、難しい事言わずに、正直本作がもうちょっとチューニングされたりブラッシュアップされたら本当に傑作になったと思うからです。
おそらくビックバジェットではないところ、大きな絵作りをしているのを観ることに喜びを感じました。
テーマについて、根本的な共通認識を持てないまま唐突に浮かんできた命題のように感じられて違和感があったのですが、見終わる頃にはすごく考えさせられて自分なりの答えめいたことも思うことができたりして、映画体験としては上質だと思います。
なによりも強調したいのはキャストの絶妙な実在感。雰囲気があって良かったし、なにより阿部進之介があんなに素敵だとは聞いてなかった…音楽もよかった!
おススメです!
2019.2.3 2回目鑑賞 追記
2回目鑑賞で、作品の世界に入りやすくなったせいか没頭できました。細部へのこだわりを楽しむことができました。でも季節はやっぱりあまりわからない…笑
星を上方修正します。
役者さん達が作った新しい形の映画
地元が舞台の映画と山田さんプロデュース、役者さんが作った作品なので鑑賞してきました。父親が車のリコール隠しを見つけ戦うが、実力者達に潰されて死を選ぶ所から始まる。(空飛ぶタイヤ)の様な皆が協力して拍手喝采でないのが現状。主人公とそれを取り巻く人は善と悪のハザマで生きていく。底辺にいる人は生きていかなくてはいけないから悪と知りつつも犯罪を犯していく。考えさせられる作品です。場面設定が心に残る映画です。ナナが希望になっているのが嬉しいです。主題歌をナナが歌っているのが。心に残ります。
善と悪
全国公開に先駆け、秋田県では先行上映開始。
本日の舞台挨拶の回は、早々にチケットが完売していたので、初日に鑑賞することに。
率直な感想。
暗い
重い
深い
実に重くて深いテーマだ。
悪い奴が良い思いをして、真面目な人間がバカを見る。
世の中は、理不尽で不条理なことだらけ。
善と悪、正義って一体なんだろう、いろいろ考えさせられる。
それでも、いくら人助けのためでも、大義名分があったとしても、犯罪は良くない。
人の幸福が他人の不幸の上に成り立つのも違う。
あらためて私はそう思う。
何度となく映し出される風力発電と、どんよりとした灰色の空。
地元秋田が舞台で、見慣れた景色が多かったこともあり、どうしても贔屓目にみていると思うが、とても真面目に創られた完成度の高い作品だ。
役者さんたちの演技は見事。
まさに迫真の演技。
そしてまさかの展開。
脚本も素晴らしく、台詞の一つ一つが心に突き刺さる。
重要な役どころの奈々を演じる清原果耶が実に良い。なにがどう良いかは観てのお楽しみ。
きっと良い女優さんになるに違いない。
ひとつだけ気になるとすれぼ、登場人物が誰一人として訛ってないのが、少しだけリアリティに欠けるかな。
若い人は別にしても、中高年は多少訛ったほうが自然だ。
決してハッピーエンドではないし、気分が爽快になるとか、元気がもらえるとか、心が暖かくなるとか、ましてや癒されるとか、そんな作品とは対極にある重くて深いテーマの作品だけど、1度は観ておくべきだろうね。
どうにもならない不条理な世の中だけど
善と悪の境界とか、世の中の不条理について考えさせられた映画だった
父の訃報を受け、東京から秋田の実家に帰った明石(阿部進之介)は、父に何があったのかを調べているうちに、父の知り合いだという北村(安藤政信)と知り合う
しかし、この北村には謎が多く…
残念なことに、歳をとればとる程、世の中には不条理なことが多いなと感じることが増えていく
何か事件が起きると、良い人が亡くなって、悪い奴が生き残る
真面目に生きていても報われず、嘘をついたり、法を犯した人間が金持ちになる
確かに法を犯してはいるけれど、その気持ちは理解できるという人が、極悪人のような扱いを受けてしまうこともある
この映画は、そういう善と悪の境界にあるグレーな部分や、真面目なだけでは生き残れない不条理さを描いている作品だった
この映画のキーパーソンとなる安藤政信は、昼の顔と、夜の顔を持つ男 北村を演じている
昼は、児童保護施設の施設長をする「善人」
夜は、車を盗難しては、売りさばいて金儲けをする「悪人」
その二つの顔は、一見、真逆のようだけど
その保護施設の子供たちを養うために、お金が必要だから、夜の仕事が必要なんだと言われると、100%悪でもないなと、思ってしまう
しかし、もしも、社会がちゃんと機能していて、そういう施設がなければ生きていけないような子たちを国が全員面倒を見ていれば
夜の仕事も必要ないはずだ
それを一例に、世の中には、あまりにも不条理なことがありすぎて
真面目に生きているのが、バカらしくなってしまう
これは「ギャングース」を観た時も思ったのだけれど
世の中は、大きなところには光をあてるけれど
底辺でコツコツがんばっている人には、なかなか日が当たらない
そして、底辺で働いていても、生活をしていけなくなり、やがて、犯罪に手を染めるようになる
という悪循環の繰り返しだ
それでも、人はどこかに希望を見出して、前を向いて行動するしかない
その、どうにもならない悪循環の結果、起きてしまったできごとに胸が痛くなる映画だった
日頃、生活していて、路地裏で起きていることから、目を背けることは誰でもできるし簡単なことだけど
気づいた時には、日当たりよりも、闇の方が大きくなっている…
なんてことにならないうちに、社会の構造を変える必要があるのだと思う
そして、なぜ、地方は疲弊し、過疎化していくのかも
理解できる作品になっている
かなり重い映画ではあるけど、そこに、日本の現状が描かれているので、気になった方には、是非、観て欲しい作品
山田孝之プロデューサー
2018.12.13に舞台挨拶付き完成披露試写会
12.26に松竹本社3F試写室にて試写会に参加させていただきました。
亡くなった父親のために・・・
正しいと思った事が・・・でも・・・
善悪・・・何が善くて?何が悪いのか?
山田孝之プロデューサーと言う事で観てみたいと思いましたが・・・
色々な事を考えさせられる作品でした。
誰かを守るために誰かを傷つけることは正義か!?
昼と夜。善と悪。すべては表裏一体で紙一重である。
誰かを守れば、他の誰かがが犠牲になることがある。世の中はすべてそういう危ういバランスで成り立っている。
それを中央に集めて再分配する仕組みが、本来の政治であるはずだ。ただそれが機能しなくなっている現代では、自由主義の経済のなかで個人個人がやりくりしなければいけないしわ寄せが来ている。
生きるとは何か?家族とは何か?正義とは、正しいとは何か?
いつも無意識に目を背けている核心を突く問いを投げかけられる作品。
親を殺された男、人の親を殺しその罪を償う男、親を殺されひとりで生きていく女の子、合理的に損得で生きていく男、それぞれの立場から放たれるいくつもの言葉にハッとさせられる。
それらは劇中で感じてほしいが、ひとつだけ。「空は青だけでなく、赤も黒もある。でも、それ以外の色もただ見たことがないだけじゃない?」という言葉に、生きていくなかで固定概念を築き、当たり前を勝手に作っている自分の心が洗われるようだった。
一言で言い表すのがとても難しい作品
試写会に行ってきました。
一言で言い表すのがとても難しい作品。
ストーリーを少々と予告編を観て行ったけれど、想像していた内容とは全然違っていた。
「愛する家族のいのちが奪われたとしたら、あなたならどうするだろうか…」
何が善で何が悪なのか。
善と悪の境目は?
この作品を観て、自分の考えが変わるわけでは無いけれど、改めて考えさせられました。
大切な人の命を奪われたら、私は悪になる気がする。
デイアンドナイト
スピード感があって、あっという間の134分だった。音の使い方も心にズンって響いてあの世界に入り込めた。正義よりも権力…お父さんがノートに書いてた言葉の意味が後半で理解出来て苦しくなった。
正しさの行方を問いかけたい。
善と悪はどこからやってくるのか。
その答えをひたすら問いかけてくる映画。
明るいシーンもあったはずなのに、思い返すのはひたすら辛いシーンばかり…。
ズーンと心が重たくなって、鉛を飲みこんなだような感覚が残りました。
正しい事をしたはずの父親が自殺し、その父の仇を取るために上京してきた息子。
しかし、田舎の力というのは想像以上に巨大なもので、マスコミでさえ逃げ出してしまうほどのエゲツないものでした。
それでも、父の復讐のために、行動を起こす息子ですが、足掻けば足掻くほどコテンパンにやられてしまうばかり…。
正義とか、誠実さとか、そういった清い部分を尽く蹴散らして、大人の闇の部分ばかりを見せてくる…。
まさに、この世は金と組織との癒着の塊。
正しさよりも、利便性ばかり求められる世の中のようです。
大切なものを守るために行う、正しい行為。
たとえ法に触れたとしても、それは正しい正しいと言えるのか?
最後の問いかけが印象的深く心に残ると同時に、とても胸が苦しくなるような終わり方となりました。
この映画の魅力は、なんといっても映像の見せ方。
善と悪との対比が、始まりから終わりまで描かれています。
しかし、話が進めば進むほど、正しい部分と偽りの部分が混同されていくという…。
そして、最終的に偽りの世界が、正しさを飲み込んで終わるという感じを受けました。
本日は完成披露試写会でした!
皆終始和やかな雰囲気で、仲が良さそう(笑)
主演の阿部進之介さんと安藤政信さんがとても仲が良さそうで、映画の内容と真逆でした!
中でも、清原果耶さんの演技がとても素晴らしかった!
鋭い目線の先に、キラリと光る輝きのようなエネルギーを感じる、難しい役どころを見事に演じていました。
安藤政信さんが、恋人にしたいといっていた気持ちも分からなくはないかも(笑)
また、プロデューサーの山田孝之さんの優しさに胸キュンしました(笑)
雪の降り積もる滝での撮影で、滝の横にお風呂を設置してくれたという。
寒い秋田での撮影に、暖かい防寒グッズを沢山用意してくれた、その気遣いに惚れました(笑)
映画の殺伐さとは相反して、マッタリとした舞台挨拶。
そのギャップがまた良かったです(^^)
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