鈴木家の嘘のレビュー・感想・評価
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自殺、ダメ、ぜったい
冒頭のシーンから胸が締め付けられた…
残された家族達が自分を責め続けているのをみると何があっても自死を選んではいけないと思った。
木竜麻生さんがお兄さんへの手紙を読みながら感情を爆発させるシーンは観ているこっちが辛かった。
凄く重いテーマだけどちょっと笑える場面もあってバランスがちょうどいい。
ヘビーで滑稽
ものすごく重い話なのに、キャラクターがそれぞれの場面を滑稽にさせているのが良かった。現実って実際こんなもんだよなーとか思いつつ。イタコのシーンは笑ったよ!え、イブ?って、素かよ!!笑
イブちゃん、結局どんな人だったのかな。副音声で二回鑑賞。評価を3.5から4にしました。
どうして
家族が自死したら、残された家族はどうしたって自分を責める。「あの時私が」「私がああしなければ」「私が悪かった」と。富美の様に正直に怒りを故人にぶつけられたら幾らかは楽だろう。しかし、怒りをぶつけたところでまだ苦しむ。
そもそもホームドラマの様な幸せな家庭というのはテレビが作り出した幻想で、幻想だから、仕事があって、立派な子供がいて、そう大きな問題は起こらないのだと思います。大きすぎる問題が起こった鈴木家をみていると、テレビから与えられた幸せな家族像という呪縛がふっととけて、ラストはそれこそ幻想ではない人の心を見られると思います。
シリアスだけでは重すぎて
最初のシーンから重い。
誰かが自死を選ぶと
家族は苦しみからなかなか抜け出せない。
悩み、後悔し、もがいて
心の平穏や正常な日常の生活はなかなか取り戻せない。
岸本加世子さんや大森南朋さん、岸部一徳さんの
コミカルで温かい演技が
重すぎ、苦しすぎから解放してくれました。
家族の自殺という題材だけど、登場人物たちの行動はどこか滑稽でユーモ...
家族の自殺という題材だけど、登場人物たちの行動はどこか滑稽でユーモアも交えて描かれるので、そこまで重さを感じずに見ることができる。おかしみがあるからこそ、余計に悲しくなるんだけど。
細部の描写も説得力に溢れていて、演出力が凄く高いと感じた。
ありそうだから見入ってしまう
辛い現実に連鎖する辛い現実。ユーモラスな内容を交えて描かれているので多少気楽に見ることが出来る面はあるが、よく考えると、さも、ありそう。我が家だったらどうだろうか?思わず見入ってしまう。
木竜麻生の演技が胸を熱くさせる
重いテーマだが、誰にでも起こりうる悲劇。
決して他人事ではない。
観る者に気づきを与え、考えさせる130分間。
あらすじを読んで気分が落ちてしまう人にはあまりお勧めできないかも。
これは不要なのでは、というシーンがいくつかあったので1点減点としたが、木竜麻生の演技は映画であることを忘れさせるほどに凄みがあって満点だ。
意外と重いけどいい映画❗
星🌟🌟🌟🌟予告編がコミカルタッチの軽い感じだったので観たのですが…いい意味で裏切られました❗けっこう重いです❗でも原日出子さんの明るさ岸部一徳さんのちょっと天然はいった演技が上手く作品を軽くしていて加瀬亮さん木竜麻生さんの重い演技と上手く調和がとれていて観やすい映画になってました❗死んだら何もかも終わりではなく家族に迷惑がかかる❗でも加瀬亮演じる浩一は家族から愛されていたんですね❗いろいろ考えさせられた映画でした❗オススメの作品です❗大森南朋さん岸本加世子さんもいい味出してました
深い喪失の物語
あらすじから少しコメディ的なものを想像していたが良い意味で裏切られた。
深い喪失の物語。家族のそれぞれが、失ってしまった家族に対しての思いを抱えながら暮らす。ああしておけばよかった、私のせいだ、何かできなかったのか。残された者はやはりひたすら問うてしまうのだ。
記憶を失くしてしまった母のためにつく嘘は、決して優しいものではない。嘘をつく側、騙される側。全てが切ない。
木竜麻生が心情を激しく吐露するシーンでものすごく心を揺さぶられた。彼女の痛みを私も追体験していた。
終わり方がすごく良かったなと思う。あの余韻が好きだ。
死は残されたものにとって意味を持つ
133分と長いのだが飽きない。
引きこもりの末自殺した長男(加瀬亮)、その父親に岸部一徳、母親が原日出子。父親の妹に岸本加世子、母親の弟に大森南朋。
ベテラン、個性ある役者を配する中でも存在感を放つのが妹役の木竜麻生。デビュー作にして主演の「菊とギロチン」も良かったが、本作も鮮烈な演技を見せる。後半のクライマックスとなる長回しのシーンが見事だ。
死は、その本人ではなく、残された者にとって意味を持つ。
引きこもりからの自死という重い現実。
だが、家族の受け止め方は意外にもバラバラだ。
いや、家族とは言え別の存在なのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが、本作では、こうした点をハッキリと描く。
こうもり、誕生日ケーキ、オタフクソースなど、小道具の使い方も巧み。見応えがあります。
ほほほ・・・ははは・・・
ひろしおじさんの、ほほほで嘘に色をつけ、はははで陰鬱な空気に穴を開け、ふぅーすることに救われる救われる。
こちらも分厚いお礼をしたくなった。
ひろしおじさんに?
はい、ひろしおじさんと嘘とコウモリと鈴木家と作品そのものに。
ユーモアがあるとは言え超ヘビーな作品
こんなに重い作品だとは知らずに観た。
引きこもりの長男(加瀬亮)の自殺後、ショックで記憶を喪失した母親(原日出子)を気遣い、父親(岸部一徳)と妹(木竜麻生)は、長男がアルゼンチンに行き母親の弟である叔父(大森南朋)の仕事を手伝っているという嘘をつく。
予告編を見た限りでは、この嘘をめぐるコメディ寄りのドラマかと思っていたのだが…
父親、母親、そして妹がそれぞれに抱える深い後悔の源を丹念に描いていく。
親、兄弟、あるいは子供を死なせた、救えなかった、殺したという罪の意識を背負って生きている人にとっては、トラウマを呼び起こす危険な作品だ。
彼らが膿を出し合いプラスの方向に動き始める時間の中で、苦しい気持ちのまま取り残された方もいるのではないか。
観るに辛く客観的な評価が難しい作品だ。分厚い構成でパワーがある素晴らしい作品なのだろうが…
「菊とギロチン」に続き木竜麻生の存在感が凄かった。
【追記】
トラウマを呼び覚まされた方は、ぜひ「世界を変えなかった不確かな罪」のレビューをご覧いただきたい。罪を背負って生きている人々の魂の救済に重きを置いた素晴らしい作品です。「あなたは悪くない」と…
極めてセンスのなさを痛感した映画。
引きこもりを抱えた家族のとても重たいテーマ。
肉親を自死によって失うことの苦悩は、すごくよく表されていたと思います。
助けてあげられなかったと、みんながみんな自分を責める。
そこにどっぷり浸かり、寄り添ってあげたいと思う映画でした。
そして、できれば涙を流してみたかった。
なのに。
時々出てくるコミカルな場面。
あれにいちいち興醒めし、腹が立ってしまいました。
生涯に限られた数の映画しか見ることができない私たち。
それに対しては、ベストな映画を届けるべきだと思うのです。
監督の周りの人たちは、あの「笑い」の場面について、誰か言及する人はいなかったのでしょうか。
不要だと。
すごく勿体無くて、悔しさを感じる映画だと思いました。
映画の中に明るさを入れることで、家族の影の部分をよりくっきり見せたかったのかもしれませんが、「笑い」に走る必要はなかったと思います。
鈴木家の人たちは、充分健気に力強く生きている人たちなのだから。
良い作品に出会えました、家族の絆の大切さを再認識!
引き籠っていた長男が自死してしまう。その現場を目撃した母親は昏倒して記憶喪失に陥ってしまうが、そんな彼女と、彼女を気遣って長男のことをひた隠そうと嘘を取り繕う家族の哀しくも愛溢れるヒューマンドラマ。設定が荒唐無稽なだけに最初はコメディー作品だと思っていましたが、鑑賞し始めて程なくして実はとても真面目な作品だと気付きました。思わぬ形で最愛の家族を喪うことで、悲しみと混乱が遺された家族を襲います。後悔、慙愧の念に苛なまれる彼らに寄り添うグリーフリリーフなる活動があることもこの作品を通じて知りました。父親・母親・娘それぞれが、それぞれの立場でこの苦しみを乗り越える様をこの作品は淡々と描いてくれているのですが、結局は家族の死を正面から受け入れることでしか人の心は癒されないのだと痛感した次第です。本当に良い作品に出会えたと思いました。ところで岸辺一憲・原日出子と言った大御所と見事に張り合った娘役の木竜麻生は逸材。前作「菊とギロチン」を見逃してしまいましたが、今後の活躍に期待です。
この国の家族のかたち
小津とか山田洋次とか、いわゆる日本的な家族のかたちというものを踏襲しつつ、現代における新しい家族像というものを作り出しているように感じさせてくれる見事な映画だと思う。
すごく笑ったし、ポロリときたし、典型的な家族の灯り人間模様を描いてはいたけれど、決してステレオタイプではない、それでいてどこか真実味のある、絶妙な典型的・演出・絵づくりに予想以上にハマってしまった。
名優の名演と、初々しい演技が見事に融和して、その情景を安定したカメラワークで淡々と映し出しているところなどは、まさにザ家族映画といった感じなんだけど、退屈な感じは全くなくて、最初から最後まで凄く楽しめた。
全体的にシンプルな映画だという印象だったけれど、だから尚更この映画の素晴らしさを身にしみて感じた。
家族の再生物語
長男の自殺、母親の記憶喪失。受け入れがたい喪失感、そしてそこから立ち直り、家族としてどう再生していくのかもうまく描かれていた。
ただ、全体的に無駄なシーンが多い気がする。家族それぞれが抱える秘密を明かすのも、引き延ばされて引き延ばされてなので今一つ心に響かなかった。
ラストシーンはここで終わるかーとも思うが、妙に前向きなのでこれでよかったのかな。話自体はいい話だ。
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