謎の天才画家 ヒエロニムス・ボスのレビュー・感想・評価
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鳥獣戯画からリスペクトを受けている。理由が無いか!!
細密に見せてくれる。それは大変に良いと思う。
しかし、引用される別の絵画の題名や作者を明記していない。色々な人たちの『快楽の園』を眺める姿や、説明する姿なんかどうでも良いし、絵の前で歌うのは良いが、固定概念がついてしまう。
歴史的な解釈をしてもらいたかった。
『PRADO』で一度見たが、人だかりはすごかった。『ラス・メニーナス』や『マハ』の前には人が一人もいなかった。のに。
最後にもう一度絵の『全体写し』しなけりゃ。
でも、最後の最後にソプラノ歌手のルネ・フレミングのアリア(多分?)と本人登場♥
また見に行こう。
因みに、ヒエロニムス・ボスは日本では最近人気が出ているようだが、フランドル地方の人で、ブリューゲルの先生の様な方。
僕もブリューゲルの絵『バベルの塔』を見てからのにわかファンではある。
結局よくわからない
ヒエロニムス・ボスという名前がずっと気になっていたので観てみました。
中世絵画鑑賞のヒントがいろいろあって面白かったです。
しかし、結局ボスがどういう人だったのか、作品がどういうものなのかということは、あまりよくわからなかったのが物足りなかったです。
様々な文化的著名人が、それぞれの解釈を述べていますが、知らない人ばかりだったのも物足りない原因かもしれません。
楽譜や楽器の話は、とても興味深かったです。
ヒエロニムス・ボスについて、さらに知りたくなってしまった、という点では良かったと思います。
万華鏡のようなこの絵の魅力に迫る
ボスは昔から好きな画家である。
彼は敬虔なクリスチャンとしてこの絵を描いた。
作家や音楽家など色々な人がでてくるが、知らない人ばかりで残念。サルマン・ラシュディにハッとした。
先週、大塚国際美術館でこの絵を見てきたので、印象的に見られた。
not : 解釈 → yes : コメンタリーな番組
ヒエロニムス・ボスの魅力に迫るドキュメンタリー。キュレーターやアーティストなど様々な文化人がボスの代表作"快楽の園"を中心にコメントして番組を進行する形式だ。
しかし、取材対象が多すぎたのか語る焦点が掴めきれず編集が雑な様に思えた。
ボスに対する へえ、そうだったんだ! と感嘆する新発見があるわけでもなく。
(唯一の収穫は、"快楽の園"に描かれている楽譜が実際に読める&タブーな旋律であるという事くらい)
また、話の繋ぎもセンスが微妙で、サントラが少し痛い歌詞付きで萎えてしまった。普通にクラシックではダメだったの?
正直、テレ東でやってる某美術番組の方が良質です。謎の多いボス作品の解釈を深める目的で視聴しましたが、予想と異なり残念でした。
地元の市場に着想
何かの情報で、ヒエロニムス・ボスというのは、一人の画家ではなく一種の工房のような集団で、それは左甚五郎のような制作過程を行なっていたということを耳にしたが、今作品はあくまでも一人の画家としての解説となっている。
奇しくも生で絵画を拝めたベルギー展でのボスの作品は誠奇妙奇天烈であり、しかしその愛すべきキャラクターはもしかしたらヨーロッパよりも日本の方が馴染みがあるのではないかと思える程際立っている作品だ(ボスの作品ではないが、ユニコーンと獅子のタペストリーも参考資料として撮されており、まさしくガンダムユニコーンでお馴染みである)。本作はそんな奇々怪々な作品の中でも代表作である『快楽の園』という大三連祭壇画にフューチャーして、各界の数々の第一人者がその鑑賞の感想、イマジネーション、解説、そして妄想と、多面体的にカメラの前で語るオムニバス的手法で綴られている。
或る人は『反面教師』、或る人は『謎と共にいること』、或る人は『鏡』、等とその出演者のインスピレーションが留まらないパワーをもている絵画であることは、誰でも承知であろう。その他にも沢山の言葉の語彙、ワードの組み合わせ方と、流石一流のクリエイター達が発する言葉は思慮深く、縦横無尽に言葉を操りながら解読していく。充分なほどの贅沢な絵画の読解を愉しむことができる。
それだけではなく、例えば背景画のみにCGを駆使してみせることで又違ったアプローチの解説も試みられていて益々多面体な印象を与えてくれる。今作品をコラージュしたサルバトール・ダリ等、以降の有名画家達にも多大な影響を及ぼすボスの今作品をここまできちんと紹介したドキュメントはかなり貴重で素晴らしい出来であった。本来ならば8Kデジタルで観るのが正しいのか、それとも映画作品としての上映が正統なのか悩むところだが、いずれにせよ今作品をシリーズ化するような流れになって欲しいと願うばかりだ。そうすることによって絵画芸術をもっと取り入れたいというモチベーションに駆られるのだから。
自分は人間なんだと体感する絵
一度観たら忘れられない。
ドラッグでもキメているのかと思わせる、発想のブッ飛び加減たるや!
とくに中央の絵は、鳥や植物の描写が繊細でリアルなだけに、その異様さが際立ちます。
全体的に優しい色合いでまとめられていてパラダイスっぽいのですが、描かれている人々は淡々としていて体温は低め。
ケツの穴に花をブッ刺しているモチーフなんか、見方によっては二丁目的なユーモアを感じるのですが…いかんせん周りのリアクションが薄いので益々混乱してしまいます。(^-^;
そして、向かって右の絵。これはいけません!!
マッドサイエンティストの研究室のような、人と物との結合。
諸星大二郎の『生物都市』がトラウマなので、どうにも心が波立って直視出来ません。
しかも変な奴に人が食べられてるし〜((((;゚Д゚)))))))
こんな訳のわからない絵の謎が解き明かされるドキュメンタリー映画とあっては、見なければなるまい!
かなりテンション高めで鑑賞しましたが、
いろんなアーティストや研究者がそれぞれの立場からボスを考察するのが、非常に面白かったです。
そして驚いたことに、地域で最も古い教団にボスの名前が残っており、描かれた経緯からも宗教画であることは間違いなさそうなのです!
宗教的なモチーフも多く解説され、絵を開く前の表紙(?)にあたる部分に書かれた言葉からも信憑性が増します。
では、それを前提に向かって左の絵がアダムとイブだとすると…
→自然界を冒涜する人々。無自覚なソドムとゴモラ
→裁き。人間が創り出した物による罰。
そんな絵にも見えてきました。
でも、そんな昔の宗教画が現代の私達をこんなにも引きつけるのは何故なのか?
時代を超えたデザイン性の高さに惹かれるのは間違いなさそうですが、無機質なものに囲まれた生活を送っている現代人からすると、ソドムとゴモラだって自然と融合したパラダイスに見えるからかもしれません。
そして、いろんな人種の人々がフラットに描かれているところも。
もしかすると当時は秩序を乱す良くない事として描かれていたのかもしれませんが、今の私からすると、やはり人種の垣根を超えたパラダイスに見えます。
そんなことを、ああだこうだと考えて連ねていると、映画のラストに衝撃の言葉が!!
悲しきかな、真実の実を食べてしまった人間は、謎を解かずにはいられない。
どうにも一貫性や物語性を探さずにはいられない。
でも、神が創りしものの謎が解ける筈もなく、謎は謎のまま受け入れるしかない。
この絵を見ること自体が、大いなる神を感じる行為にもなっていたとは、恐れ入りました。
プラド美術館で本物をみたい
現在、プラド美術館で展示されているヒエロニムス・ボス作「快楽の園」について、歴史家や歌手、アーティストなどが、それぞれの解釈をするドキュメンタリー作品
この映画を見るまで、ヒエロニムス・ボスも「快楽の園」も知らなかった私が、この映画を観て「快楽の園」の実物を見るためにプラド美術館に行きたくなった
映画の楽しみの一つとして「見たことのない世界を知る。これまで知らなかった世界を知る」ということがあるけれど、ここにはまさに「未知の世界を知る」楽しさがあった
それと、いろいろな専門家がこの絵画について語っているけれど、それぞれの解釈が様々で
絵画というのは(映画も一緒だけど)個人の解釈で楽しんで良いものなんだなと改めて思った映画だった
興味深い90分
「ベルギー奇想の系譜」展で事前にボスの作品に触れる機会があったこともあり、非常に興味深く鑑賞しました。個人的に、NHKのドキュメンタリー2時間スペシャルを観たような感覚でした。怒られるかな…(^^;
展覧会では知り得なかった、ボスの置かれていた環境や、当時の楽器やところどころに隠されたシンボルなど、新たな発見があり、より彼の作品を深く鑑賞できるようになりました。
画家としては、けっこう裕福で恵まれた立場だったのではと推察します。遠い国の国王から絵の発注が来るなんて、売れっ子だったんですね!
また、途中でお祭りのようなシーンや、ボスの絵をモチーフにした置物が掲げられるシーンがありましたが、今もネーデルラントやスペインでは、ボスの作品は変わらず愛されているのかなと思いました。彼の作品が多く所蔵されているプラド美術館、いつか行ってみたいです。
そして、こんな奇抜な絵を描きながらも、実は宗教的に保守の立場を取り続けていたところにも驚きでした。卵や魚、うさぎがところどころに描かれていますが、それらも宗教的な意味をもっていたのだと、納得しました。展覧会では気づけませんでした。
彼の作品は過去もこれからも、多くの人を魅了し、また多くの芸術家に影響を与えていきます。その証拠に、映画には様々な業界のクリエイター達が口を揃えて彼の作品を絶賛し、また我々自信も、一度観たら忘れられず、見れば見るほどもっと見たくなる感覚に陥ってしまいます。
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