「不器用だが真実の愛」君の膵臓をたべたい monoさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用だが真実の愛
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原作・実写共に未見だが、アニメ版を見て傑作と感じた。
初めは性格の異なる二人の接近に違和感を感じたが、話が進むにつれ複線が回収され、納得できるストーリーとなった。
ヒロインの桜良は主人公に運命的なものを感じ、実際に二人は結ばれる運命であったのだろうが、そのきっかけが余命幾ばくも無い病気という不条理な展開であり、長いすれ違いを経てようやくお互いを分かりかけた頃に突然の桜良の死という顛末を迎える。運命の人を失った主人公は自分を変えようという姿勢は見られたが、果たしてその後の人生は上手く行くものであったのだろうか。桜良の影を引きずり決して幸せではない人生を送るように感じる。
唯一気になった点は桜良の死についてだが、冒頭にあったように正義感で犯人から何かを守ったために死んだのか?と感じたがそこについては言及されていないため、もやもやの残る結果となってしまった。
冊子「父と追憶の誰かに」について
・主人公は桜良について「恋人ではない」と言っているが今作の限りでは桜良は主人公の名前を聞いて以降、主人公は花火大会以降は恋人として意識している。よって小説とは何かのずれが生じている。
・上記の通り恋人として意識しているので桜良の事をあまり重要視せず淡々と生きている事はおかしい。
・桜良に兄がいた事は劇中で全く触れられなかった。
今作を見た限りでは恋愛要素があると感じられたので、作者の意図とは異なる作りと思われるが、この作品は恋愛要素があることによってより深みが増すと思う。
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