「中途半端な「家ホラー」」ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 隊長62さんの映画レビュー(感想・評価)
中途半端な「家ホラー」
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家を増築し続けることで霊を鎮めようとする老婦人とその姪家族、そして老婦人の精神状態を鑑定する医師が恐怖に直面するホラー映画。
この作品は洋画では死霊館、邦画では呪怨に代表されるように「家ホラー」に分類される。家ホラーはジャンルの一つで、呪いが集う場として馴染みがあるし、個人的に作品の質は安定しているように感じる。
ただ、結論から言うと、この作品は物足りない。
なぜ物足りないのか―。
それはこの映画を否定してしまうようだが、舞台があまりに広すぎるからだ。
家ホラーの良いところは、家の中のどこに恐怖現象が起こるのか、そして根源がどこなのか楽しむ点だと思う。
そしてそれが例えば玄関からどの位置なのか、リビングからどの位置なのか観客が理解し、没入することでより効果的になると感じている。
この映画も怪奇現象が起こるポイントはあるのだが、いかんせん屋敷が広すぎてその部屋が屋敷でいうとどの辺に位置しているのかがよく分からない。
だからシーンがそれぞれ分断されているような印象を受けてしまい、家ホラーの魅力が半減しているようだった。
また、先に挙げた登場人物にそれぞれ焦点を当てようとして、物語が中途半端な印象を受ける。
例えば死霊館は、あくまでも呪いの家に住んでいるのは大家族という一つのカテゴリーなので、話はまとまっている。
ところがこの映画ではサブに位置する姪家族の不安なり苦悩なりが後半につれて少しずつ描かれているが、「どうなるの?」というような好奇心を抱くまではいかない。
実話を基にしたということで非常に楽しみにしていたが、はっきり言って期待外れで残念だった。
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