犬猿のレビュー・感想・評価
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嫌煙
僕には僕の陰の部分を抽出したような弟と、陽の部分を抽出したような妹がいて、多分二人はこの映画の二組に似たような関係なんじゃないかなと思いながら身につまされる気持ちで見てました。
最後はバイオレンスで一気に収束させようとする邦画のやり方には若干飽きてきたものの、それでもオチは良かったしドス黒い意味で笑いあり涙ありでハラハラもしたし感情が動かされたという意味では満足度は凄く高かった。
そして何と言っても筧美和子さん。
これまでは、それこそゴロゴロいるグラビア崩れぐらいにしか思っていなかったけど、彼女の魅力に一気にやられてしまいました。
これは彼女にしかできない役だったと思う。
素晴らしかった。
1
笑えない
等身大と言うのだろうか。
現実味に溢れており…皆さま、役にハマっていて怖いほどだ。
お話し自体は、とめどもない。
仲の悪い兄弟、姉妹の話し。
お話しの展開は面白く、随所にハッピーエンドを匂わすパーツがあって、こちらの既視感をくすぐる。
ただまあ、そうは問屋が卸しませんとばかり、そのエピソードはことごとく進展しないのだが。
なんつうか…永遠に続く地獄のような感じにも描いてあって共感もできるからホントに笑えなかったし、嫌悪感しかなかった。
コメディなのかと期待したんだが、全然そんな雰囲気もなく…耳が痛かったり、胸が痛かったり…最悪な気分です。
ただ、まあ、1作品としたらやっぱり良く出来ていたなあとは思えてしまう。
他人の不幸は蜜の味とか、悲劇は喜劇とか思える人は楽しいのかもしれない。
キャスティング最高!
兄弟姉妹のアンバランスさが極端で、私的には少し非現実的な気がしたが、
人間の醜さや脆さ、わかりやすい。面白い。
いくら憎いと思っていても兄弟の切っても切れない仲、愛も出てる。
キャスティングは最高にいい。ニッチェ江上が面白い!
空気感も演技も良いです。
兄弟姉妹間の愛憎劇が、些細な会話や態度といった日常の中で描かれ、ユーモアがありながらも微妙に漂う不穏な空気感が良かったです。
4人の演技も見応えがあり、窪田正孝の真面目に見えて何気に眼が怖い感や、新井浩文の安定したやさぐれ感など、素晴らしかったです。
筧美和子の天然ぶりもはまっていました。
そして、やはりニッチェ江上が、滑稽ながらも哀愁のある絶妙な存在感で、とても印象的でした。
冒頭の部分も、何だこれ?という感じで引き込まれました。
劇中映画や宣伝の微妙なクオリティは、この手のジャンルを揶揄しているのでしょうか。
笑ってしまいました。
面白かったです
何を描いてるかがわかりやすく一貫してる作品ってすき。
犬猿の仲というものを描こうと思ったら、確かにきょうだいを選ぶのがベストかもしれないと思わされる。
憎たらしくて貶めあっていい歳した大人が取っ組み合いの喧嘩して、それでも本当に見殺しにはできない人間。世の中には血の繋がりがなくてもそういう関係はあるかもしれないけど、きょうだいだと余計な説明が要らないし。
何より、徐々に緊張が高まってピークに達して飽和して、一気に弛緩してまた緊張がはじまるっていう構成が、犬猿の仲というものをわかりやすく表してていい。きっとこれまでもこれからも死ぬまでこれの繰り返しで、でも縁を切ることはないっていう。
あと映画の評価には全く影響しないけど、共感できたかと言うと、私は兄も妹もいるけど特にできなかった。
離れて暮らしてるしあんなに憎たらしく思うほどの執着心はない。無条件で大事ではあるけど。
兄弟姉妹にまつわる様々な感情を孕んだエピソードや作劇を、も真心かけ...
兄弟姉妹にまつわる様々な感情を孕んだエピソードや作劇を、も真心かけ、かつ時にコメディ、サスペンス、スリラー、そしてホッコリするような感動物と場面場面でジャンルを切り替えながらも綺麗な着地を見せたと思ったらまた最後に余韻を残す
この作品は吉田恵輔監督のアグレッシブな力量を魅せつけられたと共にかなり映画全体としてバランス感覚というこを大事にしているのかというのを強く感じ作品であった
そのため、窪田正孝と新井浩文という日本でも1番卑屈な若者とチンピラが似合う組み合わせの兄弟と芸人とグラビアアイドルという作中とのシンクロ率の高い姉妹を分かりやすすぎる程対比させてた部分などや終盤の言い争いを途中から劇伴で流したり、搬送中でのそれぞれの幼少時代の回想など、とても地味かつ尖った題材を普通の人が見て理解出来るような描写を入れていた
兄貴に萌える
仕事の関係で、モメているきょうだいの方々(の片方)とたまに会うことがあるのですが、その時はだいたい『骨肉(の争い)』という言葉が浮かび上がります。相手を切り捨てることしか考えていないことがほとんどなので、親とは違いきょうだいはマジで冷たいなぁ、なんて感じていました。
しかし、本作は『犬猿』、シリアスな愛憎関係だけど憎しみに振り切った地獄感はなく、丁寧な語り口で安心して楽しめました。
兄・タクジが最高でした。いやー、可愛い!粗暴だけど愛情表現が不器用で萌えます。弟に車をプレゼントするところとかは、優しい男だが他者の気持ちを想像するのが苦手なんだなぁ、なんて感じます。「ノーチェンジのタクジ」という名台詞も、あまりにも酷いですが彼なりの気遣いなんですよね。またノーチェンジというのも侠気を感じます。口も固いし。
風貌は超怖いですが、タクジはデカくなったバカな中学生って感じですね。親孝行押し付けシーンとかでは、「お前優しいヤツだなぁ」と肩をポンと叩いて声掛けたかったですよ。ホント可愛い。更生への切ない思いも泣ける。
一方、弟は陰湿ですね。兄貴を利用して復讐とか薄暗い。まぁあれだけ暴れ者が兄貴だとあんな風になるのも宜なるかな、とも思いますが。
一番印象に残ったのは、兄貴が家の借金返したときの反応です。「俺の役割を取られた」的な嫉妬が見えて、弟は良い子ポジションに自分を当てはめて生きるしかなかったのか、と感じて胸がツンとしました。
そして、そのあと母親にお金を好きなことに使いなさい、と言われたときのキョトンとした表情。この自分を生きていない感、虚しくて切ないです。
エンディングに向けてひと山あり、雨降って地固まると思いきや、ラストに犬猿に戻るという一捻りがあり、飽きさせない作りだなぁと感じました。とはいえ、骨肉ではなくあくまで犬猿なので、爽やかな幕切れと言えるかな、との感想です。
オープニングもJK映画を超バカにしてる感じがして爆笑でした。あの手の悪意100%のギャグは大好物。共感、共感、共感の嵐です!
ちなみに、本作は大変面白かったですが共感はなかったです。私自身が兄弟レスであるため、同朋葛藤はあまり解らないというのが理由です。
一番面倒で近くてどうにもできない存在。
公開から時間が経っているけれど8割は埋まっている客席。30代以上が多い印象。
オープニングとエンディングが秀逸で、皮肉たっぷりな感じ。ここだけで観て良かったと思えます。大好き。
内容としては、やっかいな兄と平凡な弟、片方だけが綺麗な姉妹、いるよなーこういう人たちという映画でした。妬みや絶対的な繋がりへの不満。でも身内はやっぱり自分の一部だから、外から悪く言われたら嫌な気持ち。自分は異性の兄弟なため、共感!という感じでもなかったのですが、人のアンタッチャブルな感情に切り込んでいく、そして向き合わされる作品でした。。。(口論のシーンはもっと言葉を聞きたかったですが、、、)
窪田さんや新井さんは期待通りの好演。窪田さんの腹黒さの演技、今回も素晴らしかったです。身体も相変わらずバキバキ。そして、何よりニッチェがめちゃくちゃ良かったです。
スポーツ界の姉妹とか芸能界の姉妹とかにも絶対この作品響くんだろうなあと、意地悪いことをひっそり思いました。同性の兄弟がいる人に観てもらいたさがすごいです。
犬猿の魅力
ヒメアノールでも知られる吉田恵輔脚本、監督作品、
犬猿は刑務所帰りのトラブルメーカーの兄を新井浩文、真面目だが腹には一物抱えてる次男に主演窪田正孝、見た目はブスだか賢い姉に江上敬子、容姿は良いが頭は良くない妹を筧美和子が演じる。
冒頭のシーンは映画の予告から切り替わった険しい表情の和成が予告シーンに目をやるが目つきは決して真面目な次男風では無い。ケータイの着信音に反応し一瞥する表情が彼の気持ちを物語っている。
実写の映画やドラマで大活躍の窪田正孝さんの
見事な演技力は一番普通の真面目な青年に見えて、実は腹の中は真っ黒である難しい役どころを目の動きや表情、仕草、後ろ姿でも表現できるところにある。
舞台挨拶で吉田恵輔監督が話されたように、
日本で一番演技の上手い2人を兄弟に選んだというもう1人が新井浩文だ。粗暴な兄だが、話が進むうちに
人間的な魅力を覗かせるところがなんともズルいのである。
事業が成功し、親の借金も全部完済し、立派なマッサージチェアーをプレゼントするが、父は和成がプレゼントしてくれた椅子に座り直すと俄然子どものように怒り出す。
親の前にあっては、幾つになっても自分を認めてもらいたいものなのである。
心配かけた親にプレゼントをしたり海外旅行の話を企てようとするなど一生懸命贖罪に励む兄と、
コツコツと親の借金を返して来た和成が、いざ借金がなくなり、母から自分のしたいことをしなさいと言われても、自分が空っぽであることに気付き途方に暮れる。
粗暴な兄を利用して自分では手を下さずに相手を痛めつけて、ケータイの写真を見て笑うシーンは姑息な和成を象徴するシーンだ。
派手な生活ぶりの兄への羨望が入り混じり、口では高級車は燃費が悪いとか、高級家具も必要無い、お腹に入れば食べるものも一緒と言っても、
目では高級車のディーラーを獲物を見るような目で追ってしまう、それが和成の本当の姿でもあるのだ。
吉田監督はこのシーンを和成の左後方から撮っている。否定する表情は少ししか見えないが伏し目がちで首はうなだれたままでいじけてるようにしか見えないところが秀逸だ。そこに兄から、お前、カッコ悪いよの一言が繋がっていくのだ。
吉田監督のこうしたカメラワークでお気に入りにシーンが、和成が兄卓司を蔑むような目で見下し、
卓司は背中からしか感情が測れないシーンだ。
このシーンの窪田くんの表情は上手過ぎるのだ。
それを引き出してるのはもちろん背を向けて映ってる新井さんである事は言うまでも無い。
お互い相手に不足は無い、役者同士の火花を散らせる事で素晴らしい緊張感とテンポを生む。
そんな凄い兄弟を脅かすほどのインパクトを与えるのが江上敬子扮する姉由利亜の存在だ。こんな隠し玉を用意するなんて驚きである。
失礼を承知で言わせて貰えば筧美和子はこれまで評価した事はないくらい感情が入ってない印象を受けたいたが、この作品での筧美和子は殻を脱ぎ捨て、
素直な芝居に好感が持てた。
窪田くんが悔しいと言う理由が江上さんのスター誕生に立ち会ったかのような素晴らしい演技にある事は観ていただけばわかる。助演女優賞は彼女に差し上げたいと思う人は多いに違いない。
女優としてのオファーで忙しくなるのは間違いないだろう。
ともあれ、卓司が襲われた現場に帰宅した和成が一度は見捨てようと立ち去る前の表情は窪田くんの真骨頂である。ケータイの白い光が和成を照らし、一層人の心の怖さを増す。
”死んでくれないかな”の一言がここに生きて来る。
由利亜はもっとストレートだ、真子に”死ね”
と言い放つのだから。
自分の存在を脅かし、自分の存在価値を否定されないよう自分を正当化しようと頑張る人間の愚かさ、もの悲しいさがこのオリジナル脚本の面白さである。
悪意を感じる小さなTシャツ事件や遊園地のシーン、笑いもたくさんある中で、最後は役を超えて
伝わるからこそ泣ける。
自分の劣等感を炙り出す忌々しい存在ながら、命の危機に迫り、初めて本当の事が語られる時、自分に置き換えて涙が溢れる。
一番近くて、最初のライバル、兄弟姉妹は、
きっと変わらないし、変われないのだろう。
しかし、家族だからこそ何があっても許しあえる。
この4人のその後の展開を見て観たいと思うのは
私だけではないかもしれない。
ヒメアノールほどではないけど
ヒメアノールにはまり、再びの吉田監督体験。
兄弟、姉妹ならではの愛憎がピリピリ。
兄弟がいる身としては、ラスト、やっぱりそうだよね~!の感じがとても好き。
ヒメアノールほどの衝撃はないけど、これはこれで好ましい。
兄弟姉妹というものを
見事に描いてますね。自分の経験にうっすら重ねることもできて、なんとも言えない感情になったよ(笑)江上、いい役者じゃん。筧、こんなに可愛かったっけ?(笑)まあ、長くもなく短くもなく、楽しめました
さすが吉田監督でした。恐いとかグロい作品じゃないのに、ヒリヒリ来て...
さすが吉田監督でした。恐いとかグロい作品じゃないのに、ヒリヒリ来て、私いま手がちょっと震えてたりする。笑
まさか泣かされると思わなかったし、そのまま終わるわけないと思ってはいたけど、それでもそのままでと祈ってしまったよね。
いやぁ〜凄い作品でした。観賞にカロリー使うなぁ。
俳優さんたち良いです
俳優さんの演技が光っていたと思います。
江上さんとか最高でしたね。
とてもシンプルで、随所で笑えました。
ストーリー展開の中でもう一捻りあってもよかったかなー。初見だけど展開が読めてしまった感じです。
面白くないわけがない
もー激しく深く共感と笑いがとまらん。
そして兄の生々しさと弟の腹黒さにもなんか納得してしまう。私は姉妹の方なので
兄弟は居ないですが、やっぱり女だけとか男だけだからこうなるんだね。
仲いいんだか悪いんだか。疲れるしほんと
腹立つけど居ないとだめー!って所。
客観的に見ると面白い!自分だけじゃないんだーって思ったらちょっと気が楽になったのと
なんか救われた!
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