友罪のレビュー・感想・評価
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簡単に感想は言えない
暗く辛く重いテーマが突き刺さる。
良い悪いを簡単に言えない映画。
一つの事件を深くと思ってたが、複数の事件が絡む作品だった。原作未読だが、個人的には鈴木の過去と、マスダの過去の事件だけに絞って深掘りして欲しかった。何か深みに欠けたのはそこかも。
観客(読者)に、罪人は幸せになって良いのか?と質問されてるように感じるが、簡単には答えが出ない、出るわけない。実際に身近に起こった場合、その立ち位置によって答えは変わる。これは間違い無い。
瑛太の不気味な演技はリアルだった。
それぞれの心の闇
殺人、自殺、事故死、病死・・・様々な生と死の狭間を描いた心の闇の物語。このような作品をダイレクトに投げかけられ、受け取る観客は相当の覚悟を強いられます。
それらを表現する役者たちの迫真の演技は見応えあります。音楽も良いし映像も上手く見せています。ただ脚本が良い題材のワリに腑に落ちない展開になっているのが残念。これは監督のせいなのかどうなのか?
登場人物が多く相関関係が複雑。加えて次々と切り変るシーンによって先を読みにくくしているところが、非常に興味深い作りに感じて最後まで画面に惹きつけられました。
ただやはり瑛太と生田斗真の話に徹底して絞れば良いのですが、話を広げすぎて共感できる部分が薄れてしまっています。佐藤浩市のくだりは強烈に心に突き刺さりますが、富田靖子のくだりは中途半端なままで、これならばまるっといらなくても・・・。
結局、解決しないまま投げっぱなしのシーンや疑問だけが残るシーンが多くなり、不完全燃焼の感は否めません。題材が面白いだけにいろいろな部分で惜しい作品です。
人間の心
とても心揺さぶる映画。
罪は罪、しかし人間はいつだってやり直せる。
いまの時代の風潮は、ONかOFFしかない、でも人間の命って人生ってOFFには出来ない。
そんな人生の辛さ、儚さ、人を思いやる気持ちが溢れていました。
被害者加害者を扱うなら他の作品のほうが
被害者、加害者、人間の業(ごう)や性(さが)、贖罪、葛藤、などを取り扱う映画作品では、「さよなら渓谷」「そこのみて光輝く」「容疑者Xの献身」が今までで心に残った。
出演者の演技が上手いなーと思ったが、決定的に、人間の哀しみや心の動きが感じられず、かつ、事件性もなく、響かなかった。
脚本が雑で、細やかさに欠けた。
期待してたのでちょっとガッカリ。
生きる地獄
原作は既読だが細かいところは忘れていた、それでもかなり脚色されているように思う。全ての出演陣が熱演だったが、瑛太が演じた鈴木の解釈はあれで良かったのだろうか、あれじゃまるで異常性が改善されておらず、それを社会に送り出すのはいかがなものかと思われる。しかし殺人を犯した者は死刑にしてあげないと、犯人とその家族も被害者家族も全て不幸にしてしまう、死刑反対なんて犯罪者にとって何の救いにならず周りのものまで地獄の苦しみを与え続けることになる。久々に社会派ドラマを見たという感じだ。
瑛太の演技がすごかった。 同居人のクズ先輩の大げさすぎる口元のダラ...
瑛太の演技がすごかった。
同居人のクズ先輩の大げさすぎる口元のダラしなさ、いい歳して中学生並の喧嘩っ早さに出てくる度若干うんざりしながらも…。
犯罪に伴うそれぞれの立場を描いていて、言葉にできない思いが胸を打った。
しかし、生田斗真演じる益田にまつわるエピソードは弱いのでは。
まるで少年Aと同じ罪の重さかのように扱われているが、それならば佐藤浩市の息子役のほうがよほど罪としては間違いなく重い。
が、佐藤浩市周辺の話しも映画の中では比重が大きすぎたのではないかと感じた。「被害者/加害者の家族、加害者/新しい家族の幸せ」それぞれを描くには必要だったが、ボリュームが増えすぎたような…。
「怒り」のようにそれぞれのストーリーがうまく交差していた、とは言えないかな。
当然『それでも、生きてゆく』とは違うよね。
瑛太が主演で少年Aの話ということで、テレビドラマの『それでも、生きてゆく』を連想したのがきっかけで見に行きました。
あのドラマがとても素晴らしいものだと思っている私には、そもそも比較するのがいけないのでしょうが、この映画にはため息しか出ませんでした。
「こんなに題材を盛り込んだんだよ、面白いでしょ?」
と見せつけられているような、厚かましさを感じました。
大事な、我々が考えることによってやっと価値が上がるようなことも、全部役者が喋っちゃうから、陳腐な映画に思えて仕方ありませんでした。
実力のある役者さんたちが不憫に思えてしまいました。
この監督の作品で、好きなものもあるので、たまたま今回はフィットしなかったんだなと割り切ることにします。
重いって言うほど重くない映画
序盤までは良かったけど出てくる登場人物がほぼ暗い過去を持つという展開で、登場人物がどれも薄くて描かれてるので観ていてどんどん冷めていきました。
テーマは重いけど、ストーリー自体は軽く感じました。
重い・・☆
重い映画です。
主役の二人というよりも、群像劇の様相をしています。
役者も揃っていて作りこんでいるのですが、その割には
何だか最後まで見ても、ここという残るものがない感じ。
盛り過ぎなのかなぁ・・
もう少し整理して見せた方が見る人に届いたような。
この戸惑いがねらいだったのでしょうか?
少年A
最初から最後まで気持ちは暗く、誰も救われないような苦しみを感じました。現代社会の中に潜む、猟奇的な心の闇と葛藤を描いた問題作。
日本全土を震撼させた神戸児童殺人事件をモチーフにしており、少年Aのその後の姿を通して描いています。
自分の近くに、もし成人した少年Aが存在したら、果たして受け入れることはできるのか…。それは、かなり難しいことだと思います。
この映画で、少年Aは消すことのできない大きな罪と代償、そして後悔を背負いながら、これ以上、自らは決して人を傷つけないという強い決意は、伝わってきました。
配役として、生田斗真と瑛太の位置関係はバランス良く、お互いを引き立てていたと思います。一方、佐藤浩市や富田靖子の役割は、直接的にはストーリーとは関係のない話題だった分、やや本作としてのテーマが薄まっ感じがしました。
むしろ、被害者遺族や加害者家族の実際の痛みや苦しみは、いかばかりなのか、という事を考えてしまいました。
佐藤浩市さんの一家の役割が分からんというか、全く本線に乗っかってこ...
佐藤浩市さんの一家の役割が分からんというか、全く本線に乗っかってこない主人公クラスの役者さんがもったいない。無意味に贅沢。
内容は面白かったです。
重い問題提起…
全編通してとにかく暗くて重いです。瑛太さん演じる鈴木(青柳)と、生田斗真さん演じる益田の二人を中心に物語は進みますが、ここにさまざまな人が絡できます。そしてその誰もが、つらく苦しい人生を歩んでいます。
殺人、自殺、死亡事故など、命が失われたことにより、あるいは家族や自分を大切にできなかったことにより、登場人物はみんな重い十字架を背負い、過去に苦しめられています。それは、加害者、被害者、その家族にとどまらず、親類縁者や友人にまで及びます。しかも、そこに終わりはなく、区切りをつけることも許されず、出口のない闇が続くだけです。そんな中、「罪を犯した者は幸せになってはいけないのか」という問いかけや「生きる価値がないと思いつつ、それでも生きたい」という訴えが、心に突き刺さります。
さまざまな人の苦悩の日々が描かれますが、それぞれが接点を持ちつつも最後まで深く絡むことはなく、どんでん返し的要素もなければ、納得するオチもありません。そのため、誰にも感情移入することなく、感動もないです。おかげで下手なきれいごとに丸め込まれることはなく、「もし自分なら…」と考えさせられます。結果として、問題提起だけされた形で、この作品を見た者がそれぞれの人生で、その問いに答えていくしかないように思いました。
ただ、まったく未来も希望も見出せない中で、益田と鈴木がわずかに心が通えそうだったのが、せめてもの救いでした。暗闇にわずかな光を見つけたような青柳を、瑛太さんが渾身の演技で魅せています。
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