「【作品のディストピア世界観や設定が秀逸なる、恐ろしき近未来SFアクション映画。脳内フル回転で観るジェットコースタームービーでもある。】」セブン・シスターズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【作品のディストピア世界観や設定が秀逸なる、恐ろしき近未来SFアクション映画。脳内フル回転で観るジェットコースタームービーでもある。】
■舞台は近未来。
人口食料が原因で多生児の出産が相次ぐ世界規模の人口爆発と食糧不足を受けて、欧州連邦は1家族につき子供1人のみとする「児童分配法」を施行する。
そんな中、ある病院で7つ子が誕生する。
母が死亡し、祖父(ウィレム・デフォー)に引き取られた彼女たちは児童分配局に見つからず生き延びる方法を教え込まれる。
祖父は七つ子に”月曜"”火曜”・・・”日曜と名付け、外に出るのは一人だけというルールを作る。
◆感想
・ノオミ・ラパスが1人7役で一卵性の7人姉妹に挑戦。優等生”月曜"やヒッピー、武闘派、天才エンジニアなど、同じ顔にバラバラの個性を持ったキャラクターを巧みに演じ分けているのだが、慣れるまではやや混乱する。
・が、物語が進むにつれ内容の理解も進み、面白くなる。
・カレン・セントマン(ノオミ・ラパス)は名前の曜日に銀行に出勤し、その日在った出来事を帰宅後に共有するシーンも面白い。
・だが、同僚のジュリーがカレン達の企みに気付き、”昇進”を譲れと”月曜”に脅しをかけてくる。
そして、”月曜”翌日出社した”火曜”は戻って来ない。
ー クダラナイ男である。で、アッサリ児童分配局に射殺。-
・児童分配局は”七つ子”を無かった事にするために、彼女達の住居に押し入って来る。
ー この辺りは迫力がある。次々と凶弾に斃れる”七つ子”達。
だが、”月曜”の恋人である警官エイドリアンと”土曜”がSEXした際に、彼から情報を吸い上げ児童分配局のシステムに侵入するのである。-
■恐ろしきシーン
・児童分配局が、多生児を人工保存すると民衆に伝えながら実は、焼き殺していた事が分かるシーン。
・”月曜”が一人生き残るために、児童分配局を支配するケイマン(グレン・クローズ)と”契約”を交わしていた事が分かるシーン。
ー だが、その企みに気付いた”木曜”は”ケイマンが行っていた事をパーティー会場で流すのである。-
・ラスト、生き残った”火曜”と””木曜”とエイドリアンが、”月曜”が遺した双子を眺めるシーンは少しの希望を感じた。
<良く出来た近未来SFである。
だが、今や日本を含めた先進国は将来の人口減少に伴う高年齢化問題が深刻化し、一方行進国は今作で描かれているような、人口過密による食糧難に喘いでいる。
皮肉なモノである。
原題:”What Happend to Monday”ウーム。>