劇場公開日 2017年12月9日

  • 予告編を見る

「一人称映画 ある女の愛の遍歴」女の一生 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0一人称映画 ある女の愛の遍歴

2017年12月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

電気の無い時代の物語なので、夜は暗いです。
基本、灯りはロウソクか暖炉の炎。
寝室のシーンでは、オレンジ色の光に照らされた主人公の鼻の形から「ああ、こっち向きに寝ているのね。」と推測して見ていました。
夜中に外に飛び出すシーンは、真っ暗な画面に声だけしか聞こえず…。
こんな演出なのか?
それともスクリーンの端から光がもれているせいなのか?
はたまた非常灯が明るすぎるせいなのか?(^◇^;)

なので、ハッキリ見えた方とは映画の印象が違うかもしれませんが、レビューさせていただきます。

トークショーで「昔の女性は自分の人生を選択できなかったが、現代の女性も人生を選択できると思わされているだけ。」と仰っていたのが印象的でしたが、
どちらかと言うと私は、愛されるより愛したい女が、限られた世界の中で裏切られ続けながらも、愛する対象を求めていく“愛の遍歴”映画だと感じました。

もしかしたら、簡単なあらすじは知っておいて見た方が良いかもしれません。
ねっとり長回しのシーンがあるかと思うと、決定的な映像が無かったり、3つのショットだけで済ませたり(←コレお気に入り)
「すごく面白いけど、なぜ?」と思いながら見ていましたが…
ダメンズに振り回される度に回想シーンが挟まれるところから「これって、一人称の映画なんだ!」と気付きました。

彼女は、最悪な事態の時に、過去のお気に入りのシーンを脳内再生してプチトリップすることで、なんとか現実との折り合いをつけているようで…。
だから、彼女にとって思い出深い情景は長回しで、忘れ去りたい出来事はショットだけで済ませていたのか。
映画そのものが彼女主観で構成されているとは!

そう見ると、唐突に息子の存在がクローズアップされるのにも納得。

残念なことに、溢れる愛をただただジョウロで注ぎ続けたいだけの彼女は、息子を根腐れさせてしまうのですが…それもまた致し方なし。
愛のバランスって難しい。失敗から学ぶことの多さよ。

ラストシーンは次なる獲物にロックオンしていましたが、美しい花に育ってほしいものです。

shiron
shironさんのコメント
2019年2月2日

恐縮です😅

shiron
寝落ちマン(次男)さんのコメント
2018年1月23日

なるほど🤔これは良いレビュー。

寝落ちマン(次男)