さよならの朝に約束の花をかざろうのレビュー・感想・評価
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世界観が良かった。
ベンジャミンバトンとはまた違う
某外国映画の「ベンジャミンバトンの数奇な人生」は主人公がお年寄りの状態で生まれ、
老人施設に住みながら徐々に若返り、様々な人間との出会いと別れを繰り返す物語であった。
だが今回の「さよはな」は
ヒロインが「不老」の一族であり、年をとらず、外の世界の人間と関わってもいずれ別れが来ると教えられていた。
しかし、最初の出来事で「外の世界」と
「外の人間(赤ちゃん)」と関わることになり、その人間の生涯を見届けていく物語。
恐らくこの出会いにより、不老の一族の
「ヨルフ」は外の世界への価値観がまた違うものになって、伝わっていくものだと思われる。
出会いと別れは勿論、人間の愚かさ、美しさ、この作品は「人間」と交わることのなかった「いにしえの生物」との「命」と「愛」
を紡ぎ、綴っていく物語である。
2つほど気になる点があった
①ヒロインが終盤でエリアルが所属している軍とは別の敵の国に攫われた経緯
②「いにしえの生物」の巨大な竜の火が吹き出す病気は治るのか…といってもエンドロールの後の描写で「ヨルフ」の国が復興していて竜も元気そうであったから病気は治せたのだと思われる。
最後に
とても面白かった。ヒロインの声優さんが今後も色々な作品に出てくる事を期待しています。
監督の次の作品を楽しみにしています。
ありがとうございました。
愛する者を失う悲劇と、女性という生き方を暗喩
岡田麿里の初監督・書き下ろし脚本作とあって、早朝から満員(!!)なのはさすが。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2011テレビアニメ/2013映画版)や「心が叫びたがってるんだ。」(2015)の前2作は、青春期の苦しみや痛みを繊細に描いた少年少女のストーリーだったのに対し、今回はファンタジックな悲劇である。切ない運命にもん絶する。
少女の姿のまま、数百年という悠久の時を生き続ける種族"イオルフ"の少女マキアが主人公。その"イオルフ"の長寿の血を狙って侵略者メザーテ軍が襲ってくる。イオルフの里は崩壊し、仲間とはぐれてしまい、森をさまようマキアは、親を亡くしたばかりの孤児の赤ん坊を見つける。
エリアルと名付けられた赤ん坊を育て、2人で生きていくことを決意したマキアだったが、普通の人間であるエリアルの成長は、やがてマキアを超えていく・・・。
生みの親でないマキアから巣立っていく青年エリアル。それを見守り続けるマキア。
永遠の若さや命をテーマにした作品の中には、そのメリットより、自分だけが何百年、何千年も生き続ける空しさを訴えるものがある。
"ヴァンパイアもの"がその代表であるが、愛する者たちが先に歳を取って、さらに去っていく悲しみを抱えながら、生きていかなければならない。
類似した作品では、「アデライン、100年目の恋」(2015)を思い出す。アデラインが若き美女である設定を、10代の少女にしているところが"日本製アニメ"っぽいとも感じるが、本作にはもうひとつの意味がある。
一般に女性は、"女児"から"少女"、"娘"となり、やがて"母"となる(人もいる)。若く未婚のあいだはチヤホヤされたりもする。
しかし心持ちはそれほど変わらないのに、相手(親や恋人、我が子)によって相対的な立ち位置を変えなければならない女性。本作はその絶対的な時間スケールを大きく引き伸ばすことで、"女性という生き方"を暗喩していたりもする。これは奥深い。
(2018/2/24 /TOHOシネマズ上野/ビスタ)
いい作品です、が
キャラクターが生きている
大好きなアニメ凪のあすからのスタッフが多く携わっていると聞き、公開初日に勇んで観に行きました。納得のクオリティです。
良い意味で岡田麿里さんワールド全開!
時の流れで変化していく人間関係を美しくも残酷に描いた映画でした。
後半は涙がほろほろ止まりませんでした。
台詞、表情、声、背景、音楽等、全ての要素からキャラクター達が生きているということが伝わってきます。それが今作のテーマにも繋がっているのかなと思います。
特に背景の奥行きが素晴らしくて、世界観の作り込みへの意気込みを感じました。この世界を訪れてみたい、と思わせるような美しい美術でした。
音楽の透明感にも惚れ込んでしまって、サウンドトラックを購入しようかと思っているところです。
うんやばい
最初はほっこりする親子物語かな?って思ったけど後半ボロ泣き出会いの物語でもあるし別れの物語でも成長物語出もあると思うおじいちゃんになったエリアルに会いに行って子供の頃に包んでた布を上からかけたところがすごい泣けた数百年も生きていけるのは素晴らしいと同時に悲しいと感じた別れはただ悲しいだけじゃなく出会いもあると感じたこれを見てタイトルの意味もわかったとたんまた泣けた
幅広い年齢層に見てほしい傑作
丁寧な作風でTVアニメ「SHIROBAKO」などの傑作をリリースしてきたスタジオP.A.WORKSが手掛ける初のオリジナル劇場アニメ。脚本家としてヒット作を出してきた岡田磨里の初監督作品でもある。作画陣は、「泣きの石井」こと石井百合子、カリスマアニメーター井上俊之、「ユーリ!! on ICE」などで知られるベテラン平松禎史、というドリームチーム。加えて各地で行われた試写会からは、恐ろしいほどの高評価が漏れ聞こえて来る…となれば、アニメファンで見に行かない人はいないと思うのだが、公開初日の上映館数はわずか76館。品薄商法を疑いたくなるほどの控えめな公開規模である。当然ながら初日の映画館は満席であった。
しかしその内容はというと、上記のようなタームに反応するようなアニメファンに向けたものでは全くなくて、反抗期を迎えた少年少女、子育てを頑張るお母さん、家族を支えるお父さん、子供が自立して孫の成長を見守るお年寄り、要するに日々を一生懸命に生きるすべての人たちに向けたものだった。
アニメらしいケレン味には欠けるものの丁寧に作られた画面と同じように、奇を衒うことなく人の生と死を丁寧に描いていく王道のストーリーであった。
泣かせの演出がくどい場面や、演出意図がわかりにくい場面がある、マキアとエリアル以外の人物描写が薄い、音楽を被せ過ぎ、といった問題点はあるものの、2月にして早くも2018年のベストアニメ映画の出現である、と言い切ってしまって構わないだろう。
間違いなく、幅広い年齢層に見て頂きたい傑作である。この映画の興行を「オタク映画」で終わらせてはならない。
ボロ泣き
感情の大渋滞
涙が止まらない
そして母になる
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