「ちゃぶ台返しにも流儀はあるし、覆水は盆に返らない」寝ても覚めても bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃぶ台返しにも流儀はあるし、覆水は盆に返らない
ぃっ・・・?と固まって動けなかった。いや待て、このまま終われば「後味の悪い映画」として歴史に残る。と思ったら、またまたちゃぶ台返し。「許して貰えないから謝らない」は理解不能論理の番長級インパクト。映画としては丁寧な作りで感嘆するが、この脚本は頂けないです、人として。共感得た直後の裏切りが、作者の計算通りって所も透けて見えるのは、あまりにも悪質だよ。と、思いました。
脇を固める山下リオと伊藤沙莉が良くてほっとしたが、伊藤沙莉が泉ピンコ化しつつあって気分複雑。
自分が何をしているのかが分からない女。それが物語になると思った作者。定まった人格の無い主役達。連続感の欠如したお話。場面最適演出の連続。これ、脚本、途中で変えてないか?
カントクさーん。やっぱ映画にするの、無理あったと思う。
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2019/1 追記 星修正
主演女優の演技力は論外として。一つの人格に見えないってのは、もう致命的としか。
惜しかったのは「麦」の人格表現。生死感さえ希薄な、まるで向こうが透き通って見えるくらいの透明な存在。みたいなイメージなんですが、「あいつは危ない」と言う初期設定の女子が好きそうな安易な視点が×なのと、切れてスマホを投げ捨てるところが×。亮平を捨ててまでも「みんなの非難から守るための逃避行」に朝子が走る理由を、脚本が否定してるってのが惜しすぎる。このつながりの不整合なトコが、単なる腐女子の衝動的行動に見えてしまうのが惜しすぎる。
「同じ場所から違うものを見る」ラスト。「風景」を眺めて美しいと言った女。風景の一部の「川」をみて汚いと言った男。亮平と言う人間を見ている朝子と、朝子の一つの行動にとらわれてしまった亮平。と言う対比を象徴するラストとか、かなり行けてただけに、凄く残念でした。