「恐るべき恋愛映画」寝ても覚めても andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
恐るべき恋愛映画
恐ろしき恋愛映画であり、これこそが濱口映画と言えるとてもヤバい作品だった。恋愛映画、変わる...。
序盤のあり得ない程の浮遊感、この世の存在じゃないかのような奴からいきなりリアリティ溢れる関西人として登場する東出昌大(いや別人の役なんだけど)、どこか地に足がつきそうでつかない女唐田えりか。幸せそうなシーンなのに常に不安。常に不穏。
ヒロインの行動にはビタ一文共感できないのに、私はなぜか泣いていた。何故だろう。分かりたくないけどなぜか分かってしまった。あれは避けられないものであると。
唐田さんは正直演技が達者かといえば全然そうじゃない、むしろ拙いのだがこの映画はあれでよかった。演技とはなんなのか考えてしまった。
東出昌大さんはもうこれ代表作と言っていいでしょう。彼の人の好い部分と得体の知れない部分を完全に出し切ったと思う。個人的にはもっと評価されろよ!!!と思う。
敢えて言うなら、若干のご都合的な場面が気にならなくはないが、それもねじ伏せる演出の技巧。濱口竜介の技巧が凝らされた作品であった。
あとは...あれだ、予告編の出来が微妙だった。本編観るとこんなにもガツンと来るのに予告編で正直不安になったのはある。難しいものだ。
それにしても助演がみんな良すぎて...。仲本工事...。
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