「身長から人生の"身の丈に"」ダウンサイズ チャンプ23さんの映画レビュー(感想・評価)
身長から人生の"身の丈に"
映画・#ダウンサイズ
監督・#アレクサンダーペイン
予想とは確実に違うテイストの映画!!小さくなってドタバタ劇コメディ^ ^
そんな映画では全くない。とてもフラットに人生を見つめ直す作品だった。
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前半.体がダウンサイズして小さくなるのが面白い。
しかしこのダウンサイズ、はじめは身体の話だが、後半は人の意識、望み、自分という"存在の身の丈"のダウンサイズに話が変わる。マットは外科志望、裕福な暮らし、後半には人類存続の命題を買って出ようとするが。。
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クリストフヴァルツ曰く、マットは"基本的に何も成し遂げない人間"なのでw結果的には作業療法士として、近くの細々とした人々を助ける場所に落ち着く。という小さくまとまる話です。
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何が良かったか、結局全てのことを肯定も否定もしてない、フラットな視点だったってこと。ベトナム人の彼女も、友人の死に対してメソメソすることなく、ただ毎日自分に出来ることを積み重ねていくのみ。例の人類を残す彼らもそう。
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このフラットな視点により、こちらの感情がそのまま鏡のようにうつる。印象的なのはラストカット、貧しい老人に食べ物を配るんだが、あのマットの表情で、どんな心境だと考えます??その考えが、まるまるその老人に対するあなたの考え方だよ。答えを与えず、引き出す。ってな感じ。
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実際、流れ流れて現実のここに自分は存在しているんだけど、きっと昔から色々ダウンサイジングしてきて、今ただ"この身の丈"で生きてくことに落ちついているんだなって。別に良い悪いはないしね。大人な結末^ ^
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その他、音楽が凄く良かったな、牧歌的というか何というか、印象的だった。135分もテンポ良く観れて苦痛なし。そして★4のうち3つはクリストフヴァルツ!!!最高だね^_^
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マイナスとしては後半のパートは体の小さな世界のみしか描いていないので、体のダウンサイズのことを忘れがち。