祈りの幕が下りる時のレビュー・感想・評価
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切な過ぎる本格派ヒューマン・ミステリー
本作は、新参者シリーズ最終作であり、邦画の良さが詰め込まれた、重厚で濃密なヒューマン・ミステリーである。只の謎解きミステリーで終わらず、事件関係者の人間性にフォーカスした切な過ぎる人間ドラマになっている。
東京葛飾区で発生した女性殺人事件。松宮(溝畑順平)を始めとする捜査一課の刑事たち、日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)が捜査を進めるが、真相究明は難航を極める。それでもなお、二人の刑事、加賀と松宮は気の遠くなるような膨大な捜査資料の中から、粘り強く、執念の捜査で手がかりを探し出し、真相に迫っていくが、そこには想像を超える真実が待ち受けていた・・・。
前半は、昭和の匂い溢れる息詰まる古典的なミステリーになっている。試行錯誤しながら、日本全国を駆け巡り、難解な事件の核心に迫っていく刑事たちの泥臭い執念の捜査がテンポ良く描かれていく。推理力冴え渡る加賀と、若々しく敢然と真相に挑んでいく松宮のバランスが良い。日本各地の景観が美しく、殺伐とした雰囲気を和ませてくれる。前半は、見応えある本格派のミステリーに仕上がっている。
後半は、一変して、事件関係者の過去、人間性にフォーカスした濃厚な人間ドラマになっている。人間ドラマなのでストーリー展開が遅くなるは否めない。分かり易いストーリー展開だが、説明過多であり、もう少し観客の想像力に委ねても良いのではと感じた。その分、後半は、豪華俳優陣の名演技を堪能できる。主役の阿部寛は、らしい演技で作品の雰囲気を作っている。何と言っても、女性演出家・浅居博美役の松嶋菜々子の演技が出色である。表情の変化だけで心の動きを表現している。特に目の表情が素晴らしい。ラストで魅せる怒りの演技の眼力には圧倒される。定評のある、反論を寄せ付けない自信に満ちた迫力ある台詞、スキのない佇まいに更に磨きがかかっている。今回の役柄は彼女のために用意された役柄だと思える程ピッタリはまっている。
本作は、日本各地の美景、哀切感あるBGM、刑事たちの執念、情緒的な人間ドラマからなる、新参者シリーズのラストを飾るのに相応しい邦画らしいヒューマン・ミステリーである。
深い。
歳を重ねていると、より琴線に触れる作品と思いました。
原作関連作未読。予備知識一切無しでした。
関連作を知っている方がキャラクターの理解が深まったと思いますが、観ていなくても特に問題は無かったかなと
観終わった後、ここまで心に響く、刺さる映画はあまり記憶にありません。
作品自体が軽くなってしまうので、泣けたとか言いたくないんですが
ただ心が揺さぶられました。
子の立場、親の立場の両視点が存在するので
人生経験を重ねているとか、子供がいる方が感情移入しやすい、のかも。
10代の私が見てたら果たして、同じように感じていたかはわかりません。
音楽、演出も良かったけど、何より素晴らしいのは俳優女優陣でしょうか。
阿部寛さん、3枚目の役が好きだったんですが、この映画観た後だとそうは言えないですね。
松嶋菜々子さん、ちょーきれいなのに加えて、要所で見せる表情。いいですよね。
本当にみなさん素晴らしいんですが、小日向文世さんが私の中ではMVPです。思い出しただけでもぐっときます。
映画自体は先述したように序盤ややこしいです。人間関係の把握に多少時間がかかる。
今何を調べてるの?と自分の中で整理しながら見ていました。
恐らく原作はもう少し捜査やトリックも焦点あてていたのだろうと思います。
映画化にあたり、そういった面は出来る限り削っているように見受けられました。
これは後半に監督が見せたかったであろうドラマを考えると得策だったと個人的には思います。
推理物、という観点では強い作品ではありません。
ですが原作はそのあたりも描写されているのだろう、と想像できます。
素晴らしい映画に巡り合えました。
この作品を作り上げて下さった皆様、ありがとうございます。
隠れて生きる人生は…
ずっと説明されてる感じ
東野圭吾という人の
ミステリー映画の名作
人気シリーズだけある
役者がみんないい
日本映画の良作の一つ
動機にこそこだわる物語
すごいストーリーだが暗すぎる
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