祈りの幕が下りる時のレビュー・感想・評価
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「半沢直樹」監督 meets 東野圭吾
「半沢直樹」をはじめとする池井戸潤氏の原作のドラマ化、映画化といえば真っ先に名前が浮上するのは、TBSの福澤克雄氏。その福澤監督が手がける今作は、東野圭吾原作「新参者」シリーズの完結編となるわけだが、最もセンチメンタルな内容になっているかもしれない。
阿部寛と溝端淳平のコンビはもちろん良いのだが、浅居博美に扮した松嶋菜々子(現在)、飯豊まりえ(20歳当時)、桜田ひより(14歳当時)が素晴らしかった。撮影前や撮影中に綿密な打ち合わせなどはしていないと聞いているので、若い2人が松嶋のこれまでの芝居を細部にわたり検証して寄せていったことになる。
「半沢直樹」とはまた異なる福澤監督の演出を堪能することができる作品だ。
❇️状況次第では私も同じ事をするかも⁉️by父親目線
祈りの幕が下りる時
❇️『嘘は真実の影。その影に何を見るのか?
その影はきっと悲劇だけではない‼️
嘘が映すものは人の心そのものだから。』by阿部寛
🇯🇵1983〜2001年仙台市
2017年頃、東京都葛飾区、滋賀県の彦根、琵琶湖
🔵かーるくあらすじ。
演出家(松嶋菜々子)を訪ねた中年女性の死体。そのアパートの所有者。周辺で起きた河原のホームレスの焼死体。主人公(阿部寛さん)の母親の死とも繋がってくるミステリー
◉78C点。
🟢感想。
1️⃣⭕️『繋がりそうで繋がらない。動機や理由が後半にとどっと解る。』
★彡子を持つ父親の気持ちは痛いほどわかります。自分も環境が揃えば同じ事を考えたと思います。
2️⃣❌『主人公の父親の気持ちに関してはどうなんだろうか?』
★彡母親を守れなかった父親はダメでしょ!
3️⃣⭕️『日本橋周辺の観光としても良い』
★彡昔ながらの建物や道、橋など風景も良かった。
4️⃣『人を殺しても仕方ない⁉️』
★彡感情移入が上手い!そんな気持ちにさせてくれる。ダメだけど🙅🏻
5️⃣『結局両親が全員ダメやねんな💢』
★彡しらんけど…
🥹🥺😢🤫🕵️♂️🏠🌉⚖️💮
砂の器をオマージュ
彦根、琵琶湖、なんで選ばれたんやろ?
どんどん引き込まれていき、どんどん謎が深まっていった。
昭和時代、マチ金やサラ金でお金を借り膨大に高い金利で返すに返せなくなり身を滅ぼす人は多かった。
家に取り立てに来るのは当たり前で深夜にも及ぶ。
職場にも遠慮無く電話で督促。精神的にも参ってしまう。
夜逃げなんて至る所であったと言っても過言でないくらいの時代だった。
そんな人を何人か見てきた経験があるので思ったのは夜逃げのシーンが甘いのではないか?
いかにも夜逃げしてますという感じだし歩いて親子で逃げるのはどうなんか?
すぐ見つかってしまいそうだけれど。
本当なら嫁さんの借金は支払う義務はないし、最悪、自己破産という手もあったのではないか?
そこにこの事件の発端があるとすれば弁護士なりに相談していればこんな悲しいことにはならなかったと思う。
すべての役者の演技が素晴らしく良い映画でした。
今回のテーマは親子愛なのかと思ってしまうほど素晴らしいストーリーだった。
ハッピーエンドでなかったのが残念。
沈んだ気持ちで見終わりかけたけれどエンドロールで杏ちゃんと歌舞伎役者さんが出ていて思わずほっこりした。
サービス精神ありありでしたねえ。
ミステリーの傑作
映画館で見て、地上波で見て、プライムでも見てしまった。
東野作品の中でもトップに位置する作品だろうか。
練り込まれたプロット
事件と母の真実を探し求める加賀恭一郎への共感
容疑者博美への共感
博美の父に対する共感
この父が動物園で博美に言った「必ず幸せになる」という言葉に対する共感
これら多数の共感がこの作品の魅力かもしれない。
さて、
この練りに練り込まれたプロット
特に最後に博美がしてしまった「父の首を絞める」ことに対する設定には、愛情と共に犯した罪への結末を同居させている。
このことがこの作品最大のジレンマというのか、良心というのか、うまい言葉が見つからないが、落ち度となっている。
博美が父の首を絞めなければ、全体像がわかっても博美は裁かれないだろう。
それでもそうした博美の父に対する愛情こそ、人間としての想いなのだろう。
何があっても父の娘であることを、博美は全世界に対し証明したのだ。
そしてその結果を受取ることになる。
イレギュラーに対応できなくなった時、26年も他人に成りすましていたこと
娘のことだけを考えて生きてきた父
26年間いつでも死ぬ準備を整えていた父 その生活
割り切れない物語
エンドロールで加賀恭一郎は日常を取り戻していたが、あの部分に差し込まれるべき映像は、少しはあったであろう母と博美の父との幸せであって欲しかったと個人的に思った。
東野圭吾らしいミステリー。
この物語に主人公の過去をぶち込んでくるほど、力を入れた作品だ。
母を思う気持ちと、父を思う気持ち…
彼女の凄惨な過去。
長い間の点と点が、ある事件をきっかけに繋がりだした。
主人公が動く最大の動機、母の謎のメモ。
すべてが巧みに繋がっていくさまは見事としか言いようがない。
しかしながら、彼女が最後に父を殺す理由に、今ひとつ共感できなかったのが残念だった。
殺さないでも、最高傑作だったんじゃないかと思う。
いつもの感じ。
面白かった。
阿部寛さん、松島奈々子さんのツートップは勿論、他の俳優さん方が素晴らしい
ただし、落語の人とその上司を除く。
安定の阿部さん、鬼気迫る演技を見せる松島さん。
良い父親の小日向さん、腹に全てを抱えて往生する山崎さん、
そして女の子の子役二人。(特にも青年期の演技は現在の役柄の若かりし頃を再現すらしている)
端的に言えば、ほぼ全ての俳優陣が素晴らしい。
本作は殺人方法のトリックというよりは、殺人にまつわるミステリー。
最後に特段どんでん返しがあるわけでもなく、試聴しながらなんとなくあー多分こうなんだろうなーとわかる感じです。
下手な役者のヒューマンドラマなど見られたものじゃないでしょうが、本作にはその心配はありません。
演技力だけでぐいぐいひっぱられます。
それだけに、捜査一課?のシーンは辟易するというか、興醒めしてしまいます。
本作の方針として、おそらくエンターテイメントに振っていると思うのでそういった観点からのコメディリリーフ的な役回りなのか、それとも他の俳優を引き立てるためなのかとも思いますが、それにしても無駄に叫んだり、不適にニヤリ・・いや擬音で言えばニチャアと笑うシーンなどほんと勿体無い。
それらを廃してもうちょっと重厚な演出であれば、歴史に残る名作になり得たのではないかとすら思います。
東野圭吾の中でもいちばん好きな加賀恭一郎シリーズ。やっぱりこのシリ...
【”親とは子のためになら、存在を消せる。嘘は真実の陰”。心に沁み入るミステリー映画。”新参者”シリーズのテーマ”人は何故、哀しき嘘を付くのか”を見事に描いたシリーズの掉尾を飾る作品である。】
ー 昨晩、「麒麟の翼」を鑑賞し、作品レベルの高さに驚いた。
で、本日、今作を鑑賞。
非常に心に沁みるとともに、読んでいた”新参者”シリーズを見事に映像化したモノだと思った作品である。-
◆感想
・本を読んだ時には、やや分かりにくかった多くの人物(変名多数あり)の相関性が、捜査本部の黒板で示される事で、非常に分かり易くなっている。
ー この手法は、多くの映画で踏襲されている、-
・このシリーズの主人公、加賀恭一郎の(阿部寛)の複雑な家庭環境が本作で明らかにされるシーンの描き方も、巧い。
ー そして、彼が同じ刑事であった父親(山崎務)との前作で描かれた確執の理由も明らかになり、彼と哀しき過去を克服し、人形町の老舗劇場・明治座で”曽根崎心中”を上映する程の演出家となった浅居博美(松島奈々子)との関係性が分かるシーンの演出も良い。
因みに、”曽根崎心中”を演出するという点も、陰ながら効いている。-
<ミステリーとしての謎解きと、様々な事件関係者の哀しき嘘や過去、そして心の謎が炙りだされていく後半のヒューマンドラマとしての展開は、見事である。
加賀恭一郎の母親(伊藤蘭)も、彼が幼きときに疾走し、浅居博美のアル中の母親(キムラ緑子)も博美が幼きときに、父(小日向文世)を置いて、出奔している。
この二人の関係性も、作品構成上上手く描かれている作品である。>
■映像化された作品を観て思った事。
・音尾琢真は、矢張り良い俳優である。
善人でも、悪人でもどんな役でも熟す。
この俳優が出演している作品は、ほぼ外れがない。
・浅居博美の若き日を演じた、桜田ひより、飯豊まりえさんも良かったなあ・・。
切な過ぎる本格派ヒューマン・ミステリー
本作は、新参者シリーズ最終作であり、邦画の良さが詰め込まれた、重厚で濃密なヒューマン・ミステリーである。只の謎解きミステリーで終わらず、事件関係者の人間性にフォーカスした切な過ぎる人間ドラマになっている。
東京葛飾区で発生した女性殺人事件。松宮(溝畑順平)を始めとする捜査一課の刑事たち、日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)が捜査を進めるが、真相究明は難航を極める。それでもなお、二人の刑事、加賀と松宮は気の遠くなるような膨大な捜査資料の中から、粘り強く、執念の捜査で手がかりを探し出し、真相に迫っていくが、そこには想像を超える真実が待ち受けていた・・・。
前半は、昭和の匂い溢れる息詰まる古典的なミステリーになっている。試行錯誤しながら、日本全国を駆け巡り、難解な事件の核心に迫っていく刑事たちの泥臭い執念の捜査がテンポ良く描かれていく。推理力冴え渡る加賀と、若々しく敢然と真相に挑んでいく松宮のバランスが良い。日本各地の景観が美しく、殺伐とした雰囲気を和ませてくれる。前半は、見応えある本格派のミステリーに仕上がっている。
後半は、一変して、事件関係者の過去、人間性にフォーカスした濃厚な人間ドラマになっている。人間ドラマなのでストーリー展開が遅くなるは否めない。分かり易いストーリー展開だが、説明過多であり、もう少し観客の想像力に委ねても良いのではと感じた。その分、後半は、豪華俳優陣の名演技を堪能できる。主役の阿部寛は、らしい演技で作品の雰囲気を作っている。何と言っても、女性演出家・浅居博美役の松嶋菜々子の演技が出色である。表情の変化だけで心の動きを表現している。特に目の表情が素晴らしい。ラストで魅せる怒りの演技の眼力には圧倒される。定評のある、反論を寄せ付けない自信に満ちた迫力ある台詞、スキのない佇まいに更に磨きがかかっている。今回の役柄は彼女のために用意された役柄だと思える程ピッタリはまっている。
本作は、日本各地の美景、哀切感あるBGM、刑事たちの執念、情緒的な人間ドラマからなる、新参者シリーズのラストを飾るのに相応しい邦画らしいヒューマン・ミステリーである。
深い。
歳を重ねていると、より琴線に触れる作品と思いました。
原作関連作未読。予備知識一切無しでした。
関連作を知っている方がキャラクターの理解が深まったと思いますが、観ていなくても特に問題は無かったかなと
観終わった後、ここまで心に響く、刺さる映画はあまり記憶にありません。
作品自体が軽くなってしまうので、泣けたとか言いたくないんですが
ただ心が揺さぶられました。
子の立場、親の立場の両視点が存在するので
人生経験を重ねているとか、子供がいる方が感情移入しやすい、のかも。
10代の私が見てたら果たして、同じように感じていたかはわかりません。
音楽、演出も良かったけど、何より素晴らしいのは俳優女優陣でしょうか。
阿部寛さん、3枚目の役が好きだったんですが、この映画観た後だとそうは言えないですね。
松嶋菜々子さん、ちょーきれいなのに加えて、要所で見せる表情。いいですよね。
本当にみなさん素晴らしいんですが、小日向文世さんが私の中ではMVPです。思い出しただけでもぐっときます。
映画自体は先述したように序盤ややこしいです。人間関係の把握に多少時間がかかる。
今何を調べてるの?と自分の中で整理しながら見ていました。
恐らく原作はもう少し捜査やトリックも焦点あてていたのだろうと思います。
映画化にあたり、そういった面は出来る限り削っているように見受けられました。
これは後半に監督が見せたかったであろうドラマを考えると得策だったと個人的には思います。
推理物、という観点では強い作品ではありません。
ですが原作はそのあたりも描写されているのだろう、と想像できます。
素晴らしい映画に巡り合えました。
この作品を作り上げて下さった皆様、ありがとうございます。
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