劇場公開日 2018年1月27日

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「つい」祈りの幕が下りる時 やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5つい

2018年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

鑑賞前に、他の方のレビューを眺めていると『砂の器』と書いてる方が数人。
私、映画『砂の器』好きなんで楽しみになりました。
ただ、気になる点も。本作の福澤監督は中居正広さんの連ドラの『砂の器』を手掛けた人ですが、連ドラ版は良かったけどしっくり来ない印象もあったので、期待と不安が半々での鑑賞でした。
結果、期待以上に観て良かったと思いました。

映画『砂の器』で、実はキーパーソンではないかと思うのが、森田健作さんが演じた若い吉村刑事なんです。
真っ直ぐな彼が存在する事によって、対比として若い和賀の闇の部分が色濃く感じられたのではないかと。
連ドラ版は、渡辺謙さん演じる今西刑事が情熱的になった事で、対決としては面白かったけど、対比の存在が薄れてしまった気がしたんです。
結果、話の深みが少しだけ薄れたのかなと。

そして、この映画の場合、捜査する阿部さん演じる加賀と、される側の松嶋さん演じる浅居が、対比でも対決でもなく、対の存在になっているように感じました。
この二人を通して、親子の愛情を表現する。
それを、加賀と浅居の絶妙なバランスで、より濃く見せる事に成功したんじゃないかと。

殺人を正当化したくはありません。それでも、親子愛には心打たれる作品だと思います。

やきすこぶ