「ベケットこそ見せ場であって、彼とソロを中心にチューイやキーラを描けば良かった。」ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
ベケットこそ見せ場であって、彼とソロを中心にチューイやキーラを描けば良かった。
興行収入の伸び悩み、撮影途中の監督降板……舞台裏がDCEU並みに心配ごとばっかりと、正直映画を楽しめるのかとても不安ばかりでした。
要約すると『ローグ・ワン』(2016)には及ばない作品です。西部劇+スペースオペラの相性は抜群だし、運命のヒロインであるキーラのキャラもスゴく良かった(『ターミネーター:新起動』でもサラ・コナーにハマってましたし)。
特筆ずべきはベケットと演じるウディ・ハレルソン。どこか『インディ・ジョーンズ』に出たマック(ええ『クリスタル・スカル』です)と似ているキャラクターで、憎めない悪党ぶりと“信用しない”と嘯く背景。最後の最後にソロを“信頼したからこそ”の決断は、間違いなくスター・ウォーズの歴史に残るキャラクターです。
ただせっかくのキャラクターを、ソロ外伝にこだわり過ぎた脚本のせいなのか、外伝と謳う割には中途半端なまとまりでした。カスダンは『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)を目指したのか、物語をハンとキーラの二人を主軸に置いていたけど、これといって効果的に機能したのか怪しいです。ベケットの初期メンバーも変なところで退場するし、もうちょっと最後まで活躍させてほしかった。あれだと予告の登場シーンが「予告詐欺」になりかねない。
『決戦起動増殖都市』(2018)でも思いの外を喋りましたが、『マスク・オブ・ゾロ』(1998)みたいな師弟ドラマで始めてから、キーラのドラマを描くほうが良い外伝になれたかも。何でもかんでも本人視点で描けばいいってわけではないし…。
あとモールがキーラの美貌にデレデレしているように見えた(笑)暗黒面の強者も、美女にはどうやら勝てないようでw