アランフエスの麗しき日々のレビュー・感想・評価
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万人受けはしないが、ヴェンダース好きには見逃せない実験作
冒頭に映し出されるパリの街並みは、静止画かと思われるほど美しいが、その一方で若干の冷たさすら感じる。徐々にカメラは郊外へと移り、一軒の屋敷の庭先へ。タイプライターに向かって作家が紡ぎ出す「愛について」のあれこれの言葉を、目の前に立つ創造上の男女が演じていくという趣向。彼らは恋人?友人?それとも何かのカウンセリング?やがて二人は作家の創造という範疇を超えて、自発的に言葉を語り始める。
再現映像もなく、ただ言葉だけで延々と語られる会話は時に抽象的で、耐え難い。が、ヴィム・ヴェンダースは代表作『ベルリン・天使の詩』でもナレーションの詩を背景に、天使たちが彷徨い続ける絵をつむぎ出していたのを思い出す。本作もまた、その声の響き、詩や戯曲のような言葉たちが、俳優の表情、そして庭先の木々や陽光とともに穏やかに談笑し、跳躍しているかのよう。決して万人受けではないが、ヴェンダース好きには見逃せない実験作。
長い詩の会…
高尚な
ジュークボックスがある書斎。
文学的な実験作。それでもちゃんとしたペーター・ハントケという原作戯曲があるとのこと。男と女の会話劇には他人にとってはどうでもいいような内容が淡々と語られ、夏の午後の優しい風が効果音となって心地よい。
最初は性的体験についてしつこく聞く男。この男は恥ずかしい話をして女をその気にさせるつもりなのか?などと思わせるが、次第にどうでもいいような話題に変化する。ある穏やかな一日の貴重な会話だったのだろうけど、作家にとっては男女に語らせるという単なる自己満足にすぎない。作家のつぶやきはドイツ語だったと思ったが、全編フランス語で語られる雰囲気はとても良かった。もしかして日本語で吹替えがあれば、心地よく没頭できたのかも・・・
面白さや楽しさは皆無
あれ?
哲学的な会話が続く、、続く
日頃、自分がどれだけ非凡な会話をしているのかを思い知らされるヴェンダースの知的なセンス。
劇中での会話が単に下ネタを哲学的にしているだけでは!?と徐々に置いてけぼりを食らう展開に眉間のシワは消えずに苦悶の表情で最後まで鑑賞。
オープニングの"L・リード"はやはり良い曲だなと再認識させられるし"N・ケイヴ"の登場にも興奮しジュークボックスから流れる楽曲群にヴェンダースの音楽センスが光る。
全体的に何とも言えない穏やかな雰囲気に綺麗な景色とステキな庭園の中に緩やかな時間が経過し結末の無い男女の会話と一人の男がただ孤独に。
ヴェンダースを絶賛出来る作品とは言い難いが嫌いにはなれない気もするが二度は観ない筈!?
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