「WOWOWで視聴しました。」映画ドラえもん のび太の宝島 ななしさんの映画レビュー(感想・評価)
WOWOWで視聴しました。
わさドラになってから一度も映画館に足を運んだことが無く、WOWOWみたいにドラえもん映画一挙放送で気が向いたらわさドラ版映画もみる感じで今回もたまたま放送されるということで視聴しましたがイマイチ何を伝えたかったのか分かりませんでした。
わさドラでも、改めてみたら面白かったって実感するのにこの作品はタイトルとテーマを台無しにしてしまっている気がします。
まず、海賊をモチーフにしてる割には海賊要素が少なく感じられませんでした。
海賊といえば南海大冒険がすでにありますが、それに比べるとキャプテンシルバー側の海賊達は何を目的に海賊をしていたのか説明が足りないではないかと。
ただシルバーの我儘に付き合わせられただけ?それにしてはビビの恐れた顔から「この方は凄い力を持ってるぞ」って雰囲気を全面に出しておいて、いざ詳細を知るとただコンピュータを弄ってるだけ…ら
武器を使って圧倒的な力をみせるシーンは特に無し。
コックのロボットとか存在するほどの文明が発達してる海賊船にドラえもんの道具で戸惑っていたらダメだろう…。
唯一海賊らしい要素があるのは冒頭ののび太の妄想と海賊船に変わるシーンと前半でビビ達がのび太達に襲うシーンのみ。
それ以外は宝を探す訳でもなく、何度も奇襲してのび太達を襲うわけでもなく、攫った静香ちゃんを奴隷に利用するわけでもなく島に謎の力が秘めてるわけでもない。 海賊とは…🤔?
道具の説明も、もう少しあった方が良かったですね。
空気砲やひらりマント、通り抜けフープなど毎度おなじみの道具は説明ないのは理解出来るけど、ちょっとマイナーな道具が出てきた時に(なんの効果の道具だっけ…)って思い出すのに少し時間がかりました…。
一番気になったのは、静香ちゃんがセーラに間違われて攫われる点ですが、攫う設定はいいとして、セーラはきっちり海賊船にいるのに攫う意味はなんですかね…
攫うほどに似てるってわりにはあっさり一部偽物って気付かれてるし…いやいや、海賊船にいるんなら二人になって当たり前だろう…アホ海賊団なの?
静香ちゃんもセーラがいたから警戒心が解けるのはまだいいが、海賊船を満喫してるから少しハラハラ感に欠ける、そりゃあ状況が分からないのび太サイドからしたら心配になったりするのは分かりますが全て把握してる視聴者からしたら、(何を助けるんだろう…)と感じる。
せめてフロックとセーラの立場が逆でよかったのでは?とすら思ってしまいました。
例えば、変わり果てたお父さんを嫌いになって逃げ出したらのび太達の船に遭遇して、ビビ達はセーラを連れ戻しに探したらドラえもん達と対面して、煙幕のせいでがむしゃらに間違えて静香ちゃんを連れてきちゃった、の方が辻褄が合う。
フロックは、父親を止めるために研究をしてるとかでも話は進められたと思う…長男なのに妹置いてきたらだめでしょう(;´Д`)
それにこの映画は、誰を一番スポットライトを当てたかったんだろうか。のび太と静香ちゃんなのか、ドラえもんなのか、フロックとセーラなのか、はたまたのび太パパなのか……
静香ちゃんがピンチになった時に鉄人兵団やドラビアンナイトみたいに静香ちゃんだけが敵の目的を知るかと思えば、ドラえもんばかりクイズに答えたり、戦うって時もドラえもんだけ。
申し訳ない程度に刀と射的のシーンがあってジャイアンとスネ夫はボードのシーンだけでほぼ蚊帳の外…( ˘•ω•˘ )
ラストの地球のエネルギーをなくすってシーンですら何が凄くて重要さを伝えようとするのが下手だった。
せめて、シルバーが自分の目的がどうなるのか、のび太達にモニターかなんかで見せた後に目的を実行したら分かりやすかった。
そして、クイズ。クイズってよりなぞなぞに近いのは良しとしてクイズが解決方法を知ってたんなら最初からシルバーを止められたでは…?色々疑問だらけですね🙄
この映画は、変わりにタイトル付けるのなら宝島ってよりクイズの島ってタイトルの方がしっくりくる。
子供向けなので多少のご都合主義などは気にしないで楽しめられますが海賊という画材はいいし、映像ものぶドラ版に近くてコミカルでテンポはいいのに矛盾と説明不足なせいで、台無しで本当に本当に残念な映画でした。
予告編は期待度高かったのに…。