終わった人のレビュー・感想・評価
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明日は我が身
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定年退職したエリートの舘は、暇な日に嫌気がさしていた。
で愚痴ばかりになり、やがて妻から煩わしがられる。
そんなある日、偶然知り合った青年社長から顧問になるよう請われる。
応じると間もなく社長死亡、そしてまた請われて社長になる。
しかしそこで問題が発生し、会社は倒産。債務を抱えてしまう。
こうして嫁と喧嘩し、最終的には卒婚し田舎に戻る。
でも距離を置いたことで妻との仲は修復し、2ヵ月に一度は会うのだった。
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会社辞めたらそこまで何もすることなくなるものかな?
あんまり会社人間として生きるのも困ったもんやなと思った。
タッチー&翼
ホラー映画監督が内舘牧子の小説をコメディ映画化。
舘ひろしが定年を迎えた東大卒の銀行マンという設定w
定年退職した日に嫁と娘から、恋でもしたら~とからかわれる。
舘ひろしに言っちゃダメでしょ。
奥さん役は黒木瞳で美容師。
愚痴ばっかり聞かされるのはきついでしょうよ。でも、同じ空気吸いたくないとまでおっしゃる。
大学院でも何でも、家にいないならなんでも良いんですよね。結局。
古本屋で石川啄木の本をタチ読みしている舘ひろし。
似合わね~
若い女性が、「それ買うんですか?」
譲ってあげりゃいいのに、あわてて買っちゃう。
広末涼子といつまたどこで遭遇するんだろうねとしか思わない場面。
むくんで垂れ下がった瞼の内舘牧子がフィットネスクラブの利用者でちゃっかり写ってる。
そこが一番ホラーだね。
監督遊んでる。
田口トモロヲが臼田あさ美の旦那で同居しているのかと思ったら、黒木瞳の従兄弟。
キーマンでしたが、なんか不自然。分かりにくい。
それで、広末涼子(久里)が田口トモロヲの恋人で、熱海の高級旅館でのお泊まりをご所望。フッ。
うす田あさ味。
広末涼子が花巻出身で宮沢賢治ファンの童話作家志望のカルチャースクールの事務員も似合わない。
舘ひろしとは釣り合ってるけどさ。
ほかのもっと清純派で騙してくれよ!
一流企業の人事課を辞めて、ボクシングレフェリーに転向した元高校ラガーマンがカツラをかぶった笹野高史のわざとらしさが一番オモシロかったかな。
やっぱり、ホラー映画???
サキがない「完全に終わってる」?「まだだ!まだ終わらんよ!」
原作未読
原作は『BU・SU』『義務と演技』『十二単を着た悪魔』の内館牧子
監督は『リング』『インシテミル 7日間のデスゲーム』『クロユリ団地』『スマホを落としただけなのに』『事故物件 恐い間取り』の中田秀夫
脚本は『監察医朝顔』『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』など殆どがテレビドラマで映画は初となる根本ノンジ
ホラー専門の印象が強い中田監督のコメディー映画
定年後なにもやることがない元エリート銀行員田代壮介は再就職もうまくいかず文学で大学院を目指すもベンチャー企業からの誘いで顧問に就任する話
35歳のカルチャースクール受付に恋をするもうまくいかず
誘ってくれた若社長の急死により会社を辞めるはずが残された社員たちの願いを受けて社長に就任する羽目に
映画と出来としてはまずまず
可でもなく不可でもなく
プレバトに映画があるなら60点の凡人
壮介は盛岡出身
岩手の言葉には特に違和感はなかった
僕は関西人みたいに無駄にプライドが高いわけではないからかもしれない
大金の工面とか気になるところだがまあ細かいところは気にしない
空想科学読本の人たちみたいにはなれない
共感はできないが自分はお芝居に共感を求めたことはない
共感を重要視する人には向いていない
そもそもあるあるを求めるためのものじゃない
東大卒銀行員として支店長までに出世したものの出向先専務で定年を迎えた田代壮介に舘ひろし
壮介の妻で美容師の田代千草に黒木瞳
壮介がマジで恋をした花巻出身でカルチャースクールの受付•浜田久里に広末涼子
田代夫婦の娘で結婚し娘がいる山崎道子に臼田あさ美
千草の従兄弟でイラストレーターの青山俊彦に田口トモロヲ
ジムで出会った壮介に顧問として誘ったベンチャー企業社長•鈴木直人に今井翼
鈴木の部下・高橋に駒木根隆介
中小企業社長・山下良夫に温水洋一
良夫の妻で副社長・山下正美に清水ミチコ
盛岡に住む壮介の妹•桜田美雪に高畑淳子
壮介の高校時代のラグビー部監督川上喜太郎に渡辺哲
壮介と同じ元銀行員で途中で銀行を辞めて現在はボクシングのレフリーを務める二宮勇に笹野高史
壮介の高校時代の旧友・工藤元一にベンガル
ハイヤーの運転手に志賀廣太郎
鈴木社長にの運転手に柳憂怜
袋とじの人気女優・杉野ちさに範田紗々
ラグビーの実況はテレビ岩手のアナウンサー
ジムの高齢者の1人として内館牧子がカメオ出演
広末涼子がおばさんになってもますますかわいかった
表情が多種多彩な技巧派
「あの人終わってるよ」というのは悪口なのにタイトルに持ってきたのは...
「あの人終わってるよ」というのは悪口なのにタイトルに持ってきたのは脚本家の内館牧子さん。
内館さんが原作。内館さんは盛岡出身で多摩美時代はラグビー部のマネージャーだったそうです。
当作品の監督はリングの中田秀夫さん(東大卒)。主役の舘ひろしさん、これでモントリオール国際映画最優秀男優賞受賞されてるんですね。
定年退職した東大卒のエリートサラリーマンとその妻、家族の物語で、あぶない刑事の舘ひろしさんが初老の男性を演じられています。
なんだかショック。あのハンサムな舘さんが、なにもすることがなくてくすぶってるおじいちゃんになってる……からの、生きがいが見つかって、みるみる若返ってカッコよくなっていく。
奥さん(黒木瞳)や娘に「恋でもすれば?」とバカにされて、実際に外で恋をして、東大卒の元銀行員のキャリアでヘッドハンティングは来るし、IT企業の社長になってしまって、がぜん!イケてるおじさまに変身してしまいました。きゃあ☆
さすが舘ひろし、かっこいい~♪
LEONの表紙から抜け出てきたかのようなファッション番長!かっこいい社長。足ながーい!!知的で枯れてて、大人の色気もムンムンです。
かっこいい!かっこいい!かっこいい!
とおもいきや、まぬけでミジメな展開も。
やっぱりおじいちゃんなんだ! おじいちゃんだ…、おじいさん、おちこむともう、すっかりおじいさん。
そんな夫に常にイライラしながら、怒ったり、ほめたり、皮肉ったりと、心がいそがしい奥様に黒木瞳さん。ヒリヒリしてる感じがよく伝わってきました。
昔イケてた人が「老い」に直面するストーリーを描く映画作品が最近増えてますね。洋画だとアーノルド・シュワルッツネッガーさんが(爺さんでも大活躍!)する映画『ラストスタンド』、邦画だと『龍三と7人の子分』、ドラマだと『緊急取調室シーズン4』(2021)学生運動の元リーダーを演じた桃井かおりさんもすごかったですけれども、この『終わった人』は、昔イケてた人が「老い」に直面するストーリーとしては、邦画ではピカ1だと思います。
盛岡が故郷で帰郷するシーンがありますが、さんさを踊る人達、南部のなまり。冷麺、温かい人々。岩手富士と東北の桜並木、本当に美しいところですよね。映画を観ながら、また岩手に行きたくなりました。「東北に行きたくなる映画」としても成功してると思います。
前半画面の作りがところどころテレビっぽいのが気になりました。ちょっと気になっていたのですが、舘ひろしさん演じる壮介さんの視野が広がっていくにつれて、映画館で観るにふさわしい、壮大な景色がどんどん出てくるようになったので、そういう設計だったのかな? 映画の絵の作り方についても、今後勉強してみたいと思います。
終わった人になりたくない
黒木瞳はこの時50代後半のはずだが、童顔のせいか若く見え今でも魅力的だ。
原作をすでに読んでいるが、かなり原作に忠実だ。
前半のややコミカルな展開が面白く、最後はどうなるのかなと、自分の定年後の参考になればと期待して読み進んでいたのだが、中盤で社長になるというあたりから雲行きが怪しくなった。最後、結局妻とも離れ(卒婚)、田舎に逃避してしまうという結末は虚しすぎる。
ただ、含蓄のあるセリフが多くあり、印象に残った。以下はそのいくつか(多少編集してある。あとがきを含む)。
人間の着地点って大差ない。最後は横一列。
しょせん、「残る桜も散る桜」なのだ。
ネバーギブアップか散り際千金を選ぶか。
余生というが、人に「余りの生」などあるわけがない。
(自分を終身刑にたとえ)俺はいわば無期懲役の身だ。模範囚ぶりを刑務官(妻)に示したい。主夫をやって余生を過ごすことが刑期をまっとうすること。
(自分は)軟着陸を拒んで、ガツーンと強烈な着陸をした。
株と同じで、人にも底値の時がある。お前は今それだ。
贅沢な悩みでしょう・・
年功序列、終身雇用が当たり前の時代では、良い学校を出て一流企業のサラリーマンになって出世することがほとんどの人々の人生目標だったわけである。そういう軌道に乗れた人でも終点は訪れる、定年と言うのは大きな人生の節目、気力、体力は残っているだけに老人と言うには中途半端、だからあれこれもがくのだろう。
本作は主人公が郷土の誉れ、超エリートの部類で髪結いの亭主だから間違っても食うに困ることはない、子供も自立して、老親の面倒も妹任せなのだから文句を言ったら罰が当たるくらいの恵まれた人。たいていの人は定年を予測してはいるものの、暇つぶしに悩む前に健康や暮らし向きの算段で頭が一杯というのが相場でしょう。
原作者の内館牧子さんは「養老院より大学院―学び直しのススメ(講談社、2006年)」を書かれているくらいのポジティブ思考のお方、ご自身もジムのシーンでカメオ出演されていましたね。
貧乏くさい生活感たっぷりの老後問題ではなくダンディな舘さんを主役にハートフル・コメディを描きたかったのでしょう、いかにも美容院で交わされる初老の奥様方の愚痴ネタを集めたかのようなエピソードでした。
個人的には老人を狙ったオレオレ詐欺や痴呆症がらみの重たい社会派ドラマより気楽に観られる分良いと思うのですが、「パラサイト半地下の家族」がアカデミー賞をとるご時世、これから先を思うと非正規雇用が労働者の4割近い現実では正社員で無事定年を迎えられる人は運にも恵まれた人達でしょう。贅沢な悩みもあったものだと興醒めする人も少なからずいらっしゃるのではないかと思うと、この種の映画自体も時代と共に終わっているのかも知れませんね、嘆かわしいことです。
これはおじさん向けの映画なんですかね。 前半は退屈でイライラすると...
これはおじさん向けの映画なんですかね。
前半は退屈でイライラするところがだいぶ長くて、
顧問になったとこらへんからカッコいいやんと思ったけど「恋」をし始めてだんだん気持ち悪くなり、
狙いはわかるし面白おかしく見せようとしてるのもわかるんですけど、
ついつい随所でキモっっ!と感じてしまった。
それだけ舘ひろしさんがダンディぶる演技が上手なのかも。まぁでもキモかったよ。
おっさんが見るとわかるぅ〜!ってなる映画なのかも。
まぁキモかったけど。
何箇所か思わず笑ってしまったシーンがあったのと、
写真屋さんかな?が言ってた思い出には勝てない、てセリフが良かったのと、
最後のシーンは好きやったかな。
うーん^^;
最初に卒婚がテーマだと分かるが、主人公夫婦を最後に卒婚にせねばならない無理なプロットになっている。
例えば定年になった館さんに奥さんの黒木さんはやたら冷たくし自立するよう促すかと思えば頼られて引き受けた会社が倒産すると自分勝手だと家を出る。定年前の夫婦関係は一体どんなだったんだろうと想像したくなるが描き方としては仲の良い家族であり美容院で働く奥さんにも理解がありさして文句を言う夫でもない。
後半になって高校時代のエピソードが挿入されるがこれも不自然でやはり卒婚後に故郷の岩手に戻るためなのかと思えてしまう。広末涼子演じる役もほぼ有り得ない設定でさらにそれが甥?の恋人であり家で鉢合わせするのもどこに必然性があるのだろう。要は幕内弁当の如く詰め込み過ぎているのたろう。
出演者には難が見当たらないので惜しい。
東大卒の挫折したエリートサラリーマンなどにせずどこにでもいる普通の人にして仲の良い家族と夫婦だが定年を機に奥さんが美容院で自立するのに対し主人公は何とか第二の人生を模索するが何をやっても上手くいかない。次第に喧嘩が絶えなくなる。奥さんはついに家を出る。
主人公は離婚しようかと深く悩み始める。ふと久しぶりに故郷の岩手に戻ってみると昔の仲間たちに会い生き生きと暮らしていた時代を思い出しそこで生きて行くことを決意する。
奥さんに会いそれを伝える。奥さんもそれを受け入れ卒婚という道を二人は選択する。
最後には奥さんが髪を染めに定期的に岩手を訪れる。こんなシンプルで誰もが共感する内容であればあとは演技者が生かされてくると思うが。
人の行き着くとこは大差ない
映画「終わった人」(中田秀夫監督)から。
書籍「終わった人」(内館牧子著)の映画化とあって楽しみにしていたが、
なかなか忙しくて、映画館に足を運べず、やっとDVDで鑑賞できた。
定年退職した私にとって、今だからこそ、のタイミングであったが、
読書後の感想とは逆に、同級生との会話を取り上げようと思う。
「羅漢、思い出と戦っても勝てないんだぞ。
大事なのはそこからどうやって生きるかだべ。人の行き着くとこは大差ない。
みんなまだ生きとる、終わってねぇべぇ」
この台詞に、主人公はどれだけ救われたかわからない。
東大卒でも高校卒でも、サラリーマンで定年退職を迎えた時、
気が付いてみれば、あまり変わらない人生を送っていたなんてことは、
よくあることなのに、退職後の人生でも差をつけようとするから、
中途半端なプライドが邪魔して身動きができなくなる。
定年後の年収が、200万だろうが、300万だろうが、400万だろうが・・
現役の時より大幅減には変わらないし、この差は大差とは言わない。
それに気付き、プライドを思いっきって捨てた時こそ、
新しい人生のスタートができることを、この作品は教えてくれた。
誰でも感じる定年退職を迎えた時の「焦燥感」がわかりやすいから、
身近に、定年間近の人がいたら、必見。(笑)
“始まった人”に、幸呼来(サッコラ)!
見る前はまるで期待してなかったけど、見てみたら、これがなかなか!
ご都合主義と良く描かれ過ぎてはいるけど、思ってた以上の好編。
ジャパニーズ・ホラー・マスター、中田秀夫がこういう作品を撮るとはねぇ~。
でも最たるは、
モントリオール世界映画祭や今日発表されたばかりのブルーリボン賞で、長いキャリアに於いて初の映画賞に輝いたという舘ひろし。おめでとうございます!
定年退職。
人生のほとんどを捧げてきたと言ってもいい会社を勤め上げ、盛大の労いと感謝と尊敬の中、見送られる。
そのまま、家族にも迎え入れられる。
これからは自分の為に、自分の好きな事を贅沢に。
充実のセカンド・ライフ♪
…が、これはあくまで理想。
実際は…、
出世争いに敗れ、子会社で迎えた定年。
一応皆形式的に見送り、何だか会社から追い払われたよう。
家族も一応迎えてくれるが、ご馳走の方が楽しみ。
大変なのは翌日から。
な・に・も・す・る・こ・と・が・な・い・!
一日中、ボケ~ッと…。
あれ、まだこんな時間…。一日って、こんなに長かったんだ…。
仕事してる時は分からなかった…。
そしてまた、ボケ~ッ…。
その姿、廃人。
定年退職って生前葬だな、とは何とも痛烈な例え。
…いや、幾ら何でも舘ひろしがそんなしょぼくれ初老親父になる筈がない!
…いやいや、なってるんだな、これが。
スターオーラを封印し、悲哀とコミカルとペーソスたっぷりのしょぼくれ初老親父に。
好演もさることながら、これがかなりハマってるのが面白い。
でも、舘ひろしがただ2時間ボケ~ッとしてるだけだったら話にならない。
そこは映画。劇的な転機が起きる。
主人公・壮介は、習い事を始めようとカルチャー・スクールへ。
そこで、受付女性の久里と知り合う。文学好きで、同郷・岩手出身という事もあり、意気投合。
この胸のトキメキ!
これって、恋…!?
家に帰っても、「恋だ、恋!」と浮かれまくる。
奥さんや娘の前で堂々と浮気宣言!
最も、奥さんも娘も本気にしてないだけ。
当の本人はマジ。
デートしたりもする。
デート中、「サングラス、似合いますね」と言われるが、そりゃあ似合うでしょう、ダンディー○山だもん(笑)
ある時、絶好のチャンスが。
熱海でお泊まり。
この時は年上の大人の男や色男ぶりを発揮して、何だかセルフパロディー。
しかし、この恋の結末は…。
ま、これでいいんだよ。
スポーツジムにも通い始めた壮介。
そこで、IT企業の青年社長と知り合う。
東大卒や一流企業勤務のキャリアを買われ、顧問になって欲しいと頼まれる。
承諾。
やっぱり俺はまだまだ仕事がしたいんだ。
根っからの“サラリーマン”なんだ。
妻も言う、スーツが呼吸してる、と。
ITの事なんて全然分からないけど、穏やかな性格と年の功で絶大な信頼を得る。
やっと見つけたやりがい。
ところが…
社長が急死。
社員に、次の社長になって欲しいと頼まれる。
これには妻は猛反対。顧問と社長じゃ責任がまるで違う、と。
妻の心配をよそに、自分の独断を優先。
社長になり、暫くは上手くいくが…、
ある時、大トラブルが…!
会社は倒産となり、1億円近い負債を背負う事になる。
何もする事が無かったセカンド・ライフが、まさかの借金地獄に。
妻の心配が現実に。
それがきっかけと言うか、壮介が独断で決めた事が許せず、険悪に。壮介は家を追い出される。
仕事も家庭も何もかも“終わった”壮介。
カプセルホテルに泊まり、広げたスポーツ新聞から目に飛び込んで来たのは…
故郷・盛岡の母校のラグビー部の記事…。
壮介は度々、故郷の事や若い頃を回想する。
あの頃は、全てが輝いていた。将来も何もかも、夢と希望に満ち溢れていた。
でも、今は…
思えば、故郷に長らく帰ってなかった。
自分の見栄。
地元から初の東大卒で一流企業勤務。
それが冴えない定年となり、“終わった人”に。
そんな自分でも、故郷は迎え入れてくれる。
旧友たちも皆歳を取った。
でも皆まだ、終わっていない。
岩手は東日本大震災の被災地。旧友の一人が故郷復興支援のNPO法人で働き、その仕事を誘われる。
壮介も故郷を思う気持ちは強い。
が、まだ独断で決めれば…。
妻は夢だったヘアサロンの店をオープンさせたばかり。
自分が故郷に戻るという事は、妻の選択肢は2つ。
始めたばかりの夢を断つか、それとも離婚か…。
出した答えは…
“卒婚”。
離婚ではない。が、結婚生活や同居を解消し、卒業するという事…。
安直なハッピーエンドになるかと思いきや、何処か侘しく…。
壮介は故郷に戻り、故郷の為に働く。
そんな壮介の前に、妻が。
時々髪を染めに来てあげるという。
そう、離婚したんじゃない。別れてそれぞれ暮らしているが、終わった訳じゃないのだ。
こういうセカンド・ライフもある、と思わせる。
妻と歩く桜道。
その選んだ“始まった”セカンド・ライフに、幸呼来(サッコラ)。
もっとコメディ要素が強いと思ってたが…
定年後のおじさんの話を見るのかと思いきや、様々な機会があり、チャレンジを繰り返して行く予想外の話。
舘ひろしの抜けた親父が妙にハマっていて良かった。
自分の20数年後を考えさせられたが、やはり働きたいと思うのだろうか…。
今は今すぐにでも会社を辞めたいのに。
"学歴"や"キャリア"は、その人の本当の価値ではない!
舘ひろしが、"第42回モントリオール世界映画祭"の最優秀男優賞を、高倉健以来、19年年ぶりに受賞というニュースが飛び込んできた。
劇場公開は今年6月。東映系なので公開館がジミで、西新井まで観に行ったことを覚えている。おめでたいので、思い出して鑑賞コメントを記録しておこう。
舘ひろしももう68歳なのね。"定年"をテーマにしたドラマは珍しくないけれど、とてもヒネリが効いている。
大河ドラマ「毛利元就」や、NHK連続テレビ小説も2回など、多くのドラマ脚本を手掛けている内館牧子による、"原作小説"である。さすがの内館ストーリーだが、なぜか映画の脚本は"本人ではない"ところがおもしろい(脚本は根本ノンジ)。
内館脚本というと、個人的にはTBSの「クリスマスイブ」(1990)を思い出す。吉田栄作と仙道敦子主演で、辛島美登里の主題歌が大ヒットした。最終回は視聴率20%超えした。大昔のハナシである。
"学歴"や"キャリア(役職・職歴)"は、その人の本当の価値ではない。
それに気づくのは、会社という枠組みを卒業したあとである。一方で"専業主婦"には定年はない。それなのに定年後のダンナは、いままでと同じだと思っている。そして"役立たず"になる。
ここまではありがちな設定だ。しかし本作の主人公(舘ひろし)は、"そんなことはわかっている!!"。
定年は、"生前葬みたいなもの"と自虐し、出世コースから外れた、自分の人生をある程度、客観視している。そして"終わった人"と思われていることも認識している。ヒマな時間を持て余し、公園や図書館など避難先を探すが、いずれも、"ジジ・ババのたまり場"。"まだ自分は終わっていない"と再就職に奮起する。
一方の美容師の妻(黒木瞳)は、手に職を持つスペシャリストである。自営業なので定年はないばかりか、今まさに自らの美容院を開業しようとしている。
ここからドラマティックに動き出す。主人公がそのキャリアを見込まれて、新進気鋭の若手社長に誘われるのだ。ところがそんなオイシイ話は長続きしない。まるでジェットコースターみたい。
ちなみにスポーツジムのシーンでちらっと、内館牧子がカメオ出演しているので、思わず笑ってしまう。また主題歌は、今井美樹の新曲「あなたはあなたのままでいい」。もちろんダンナの布袋寅泰書下ろしであり、こちらもよくよく聞いてみると、名曲「PRIDE」の続編みたいな歌詞だ。
「終わった人」はもちろんコメディであり、基本的には心温まる夫婦の物語だが、「リング」(1998)の中田秀夫監督というのも注目である。
中田監督はホラー以外もサスペンス系が多いので珍しい。今年11月にも新作「スマホを落としただけなのに」が北川景子主演で公開予定である。"個人情報流出"をテーマにした恐怖サスペンスで、楽しみ。
「終わった人」はすでに、劇場公開3カ月経っているので、再上映というより多くの人はソフトレンタルとVOD配信で観ることになるだろう。賞を獲っているいるからではなく、なかなかの秀作である。純日本的な部分が多いのに海外で評価されるのがおもしろい。
(2018/6/10 /TOHOシネマズ西新井/ビスタ)
憐れ
この物語で、誰か救われる方はいるのだろうか…?
もしくは悟りの境地なのか??
定年まで仕事をして、働いて勤め上げた人への敬意をあまりにも感じない。
なんなんだろ?
新たな世代への忠告とかだろうか?
変な幻想を持つのはやめなさい、社会は何もしてくれない。家庭も居場所は金を稼いできてる間は大事にもしてくれるよ、でも、金を稼げなければ、邪魔なだけだよ、と。
奴隷なのだろうか?
なんだか桜をバックにハッピーエンド風なエンディングだけど、元お父さんの境遇は悲惨なものだ。
借金1千万。
事実上の離婚。都落ち。
何かから解放されてる風ではあるが、そう能天気に構えてられる状況でもなかろう。
元妻の理想というか、方向性というか…全て達成している現状に憤慨する。
警鐘なの?
これが現実とか夢も希望もなさすぎて、第2の人生とか大嘘と断罪してるかのようだ。
ろくでもない旦那として描かれてるなら話は別だがそうではない。
浮気一つせず、専務取締役なんて肩書きもある。子供にも孫にも前向きで、いいお父さんであるように思える。
前半はコミカルタッチに描かれるものの、後半はホラーだよ。
…いわゆる今までの根拠のない幻想を完膚なきまでに打ち砕くような脚本だった。
ある意味、正直といえば正直で、誠意があるといえば誠意がある。
でも、あまりにも…哀しい。
ああいう風にならない為にはどおすればいいのだろうか?今までとは違う精神論が必要になるのかと思う。
「諦めたら楽になる」
そんな事を主人公は言うけれど、諦めた先がアレなら、やっぱり諦める事のリスクの方が多いように思う。
後ろの席の年配のご婦人は笑ってらしたので、女性目線から行くと滑稽で楽しいのだろう…しかしながら、男の行く末を考えたらとても笑っていられない。
まぁ、これから先にも変化があるのだろうから、彼の人生はアレで終わりではないと思いもするが、作品としてはかなり凄惨に思える。
どうせ間もなく死ぬんだから。
生きていく事がまるで無意味に思えた。
◯追記
と思ったが、原作者と監督を見て、なんでこんな感想になったか微妙に納得できた。
男は緩やかに殺されていくようにも見えて、ホラーと復讐という妙なキーワードが浮かんだ。
そんな事思うと、ちょっと新機軸みたいで面白い!
岩手山と盛岡の街の景色に
ふと、啄木の「ふるさとの山に向かひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」を思い出した。
あと、高校時代の回想シーン、最近社会をにぎわせたアメフトの事件を連想してしまった。撮影時期からもあり得ないのは分かるけど。
それはともかく定年までカウントダウン中の私には、娘の臼田あさ美の台詞が結構身につまされる。スマートに歳を重ねるのは難しい。エリートにも出世にも縁はないけど、ここいらは共感できる。
後少しで来る現実
定年後のことも考え事なからこれから人生やっていこうと思いました。中盤重いシーンもあったけど、最後の桜の木の下で、二人が再開するシーンで癒やされました。全体的にまとまってまあ楽しめる作品です。ただ、タイトルがあまりよろしくないと個人的に思います。終わった人って言われたり、言ったして、気分のいい人はいないと思う。
想定内ですが飽きません。
「万引き家族」にしようか、「終わった人」にしようか開始時間の都合で終わった人を鑑賞しました。東大卒の元メガバンク出身のイケメンの主人公と美人妻では現実離れしていましたが、あるある感では出演者の演技力もあって笑えますし終始飽きませんでした。娘が小さい頃の思い出の公園に妻を連れていくシーンでは、男女の感じ方の違いでしょうか、幸せってなんだろうとは思いました。私は終わるちょっと手前の50代の会社員ですが、劇場は“終わった人”と思われる人たちがご夫婦でご覧になっているのが目立ちました。物語の中での奥様のご主人がIT社長になる時に反対したことや、娘の浮気相手の指摘や女性の直感的なものは物語とはいえあたっているものですね。ラストシーンは卒婚し再会する場面ですが桜の散るいいシーンでしたが、夫婦ってなんだろうとは思っちゃいましたね。想像の範囲を大きく外れていませんが、笑いをとりながらも考えさせられるいい作品ではないでしょうか。
できた妻 羨ましい
自分の遠くない未来の参考にならないかなぁ?と思ったのですが、東大卒、一応、一流銀行勤務の夫と、経済的に自立できてしまう妻は、自分とかけ離れていて、参考になりませんでした。
あんなに、自立した妻なら、夫が本当に浮気しても、別れて生きていける。
羨ましい。
前半の、クスッと笑えるのを全編に求めたかった
もう少しシンプルで。
広末とのエピソードは要らない。
ただ再就職のエピソードは思っていた内容とは違う。
再就職をやめて、広末を伸ばしてコメディに徹して、最後に家族愛でホロッ😢で良かったんじゃない?
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