ネタバレ! クリックして本文を読む
子供向けの極めて現代らしいお伽噺です。
お伽噺のお約束で「昔々、あるところに・・」で始まりますが、お話を聴いているのはずーっと先の未来の子供たちですから、お話の舞台は現代と言うことになります。
タイトルのミムジーはうさぎのぬいぐるみ風人口生命体、なんとIntel insideです。ちょっと未来に問題があり、あるものを探しに過去へ送られてきた想定です。なんでも人間は時間旅行すると死んじゃうんだそうです、そういえば「ターミネーター」もロボットでしたね。ミムジーちゃんはテレパシーでお話したり超能力を授けてくれますが大人しくて暴れませんし、見た様はただのぬいぐるみです。「ET」もどきに幼い兄妹に匿われ、未来を救うお手伝いが始まります・・。
(ここからネタバレ)
超常現象を大人は訝りますが、子供は素直に受け入れるところを突いています。普通の大人は否定から入り畏怖に至りますが、チベット旅行した教師夫婦は東洋哲学的な解釈で理解しようとしますし、親は脳科学の医師に頼ります、巻き込まれたFBIは科学者総動員ですが現実を目の当たりにすると意外に受け入れます。この辺の反応が面白いですね。
ミムジーが捜していたのは純真な心を持った人のDNAという設定も秀逸です、でも心がDNAにどう関与しているのかシュールです。大好きな「ウォーリー」のイブが植物を探すのにちょっと似ていますね。
原作ルイスパジェットの「ミムジーはボロゴブでした(Mimsy Were the Borogoves)」(ボロゴブは架空の鳥)では未来からのおもちゃ箱はルイスキャロル(鏡の国のアリスの著者、映画にも写真で登場)の姪に贈られています。古典SF短編小説でしたので映画では現代風に大幅にアレンジされています。
エマの涙の一滴が未来を救うなんて浪漫ですね、素敵なファンタジーでした。