サティの「パラード」のレビュー・感想・評価
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山村浩二、あのパラードのリメイク
軽業師の身のこなし。
ピカソのアルルカン。
この全身レオタードを着て自分もあのように踊れたらどんなに素晴らしいことだろう!
本作、
その生の元舞台の持つ「唯一無二の完成度」に圧倒された(のであろう)山村が、こんどは自身の持つコトバ=アニメーション手法で、新しく原作を咀嚼して、語るわけだ。
友情出演ジャン・コクトー!
美術パブロ・ピカソ!
音楽と台詞はエリック・サティ!
とんでもない惑星直列の事件が起こったものだ。
山村のアニメーションには、その元々の舞台の筋書き・成り立ちに加えて“上記の大物スタッフたち”が新たに画面に参加している。
それゆえ
いくぶん説明口調になっているのが少し惜しいし、14分尺のエリック・サティにそれらを押し込んでしまったがために、けっこう画面が忙しくなってしまうのだ。
だから、舞台をすでに知っている人たちが、リメイク版を面白がって楽しむアニメーション・・という性格かもしれない。
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追記
YouTubeで「舞台のほうの生の映像」と比べて鑑賞すると、やはり圧倒的に舞台の勝ちだ。
=ピカソの馬が動き出す。
=ピカソの顔のキュービズムの支配人が歩く。そして
=ピカソの軽業師がキャンバスから飛び出して二人で舞う。
この二人のバレエをトピックして抜き出した動画が、震えるほどに感動的だから興味のある方は見つけてもらいたい。
⇒[ Lorca Massine: Parade (Part 3) ]
振り付けは、Léonide Massineレオニード・マッシーネとLorca Massineロルカ・マッシーネ
ダンサーは
Rebecca Bianchi: Prima Ballerina
Manuel Paruccini: Primo Ballerino
このプリモダンサーの彼の「片膝ついてのポーズ」は、ピカソのあの赤いシャツで斜めに座り、腕と脚を組んだ「軽業師」の生き写しで!
もう息を飲まずにはいられない。
ピカソの「この衣装デザインのスケッチ」がヤフオクに出ているのだが、
欲しいなぁ。
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