静かなる復讐のレビュー・感想・評価
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ゴヤ賞の基準は分からなかったですが
リベンジモノというとほんと、カオスと猪突猛進な熱意、そして腕っ節!という印象があったのだが昨今の復讐劇っていうそうじゃないのが流行りなんでしょうか。
フツーの一般人が咄嗟にやってしまって、やり始めたら成し遂げるしかなく、ズタボロになりながらも全うするような展開。少し前に『ブルー・リベンジ』を観たのでやたらそう感じてしまった。あれと比べれば今作の主人公ホセの方がまだ計画的であったが。(とはいえ計画的だったのは掴みの部分だけ…)
強盗という1つの犯罪について、巻き込まれて誰かが死んでも当の犯人達にはあまり記憶に残らないのかもしれない。復讐される犯人達は皆デリカシーがなく、口から出る言葉のみで後悔を謳う。自分達のせいで収監されていたクーロにも、謝罪よりも面倒に巻き込むなという意思ばかり押してくる。ホセの家族が犠牲になっていた事などオマケのアクシデントのようだ。最初の殺人で震えながらキレたのも無理はない。
ホセが犯人達と会話もしようとしないため、目的が後悔の念を確認したいのではなく奪われた悲しみを同じように返す、シンプルな報復行為である事が分かる。
クーロにすら今後の予定?を打ち明けないまま案内だけさせて静かに事を済ませていくホセはクールで、感情移入してしまう。
タイトル通りの作品だとは思うけど、絶賛される、という万人ウケする映画だとは思わなかった。リベンジバイオレンスにちょっと飽きた人が箸休めに観るのがいい気が…。
ドライバー
冒頭の迫力はあるものの抜けた感じのある強盗からの逃走シーンに始まり、中盤まで幸せな一面をみせたいのはわかるけど冗長なシーンの連続。
運転手の出所により話しは動き始めるけれど、激しさはもちろんないし、淡々とというほどの静かさや不気味さや唐突さもなく、意外性や秘めたる強い決意みたいなものを殆ど感じられず。
それなりには楽しめたけど、何にも引っ掛からなかった。
入院中の父を毎日見舞う寡黙な男ホセ。彼はフアンホが営むバールの常連...
入院中の父を毎日見舞う寡黙な男ホセ。彼はフアンホが営むバールの常連でフアンホ一家とも家族ぐるみの付き合い。フアンホの妹で服役中の夫がいるアナが気になるホセは、ある夜クラブで独り飲んでいた彼女に声をかけ、彼女の夫クロが出所してくることを知る。クロとも親しくなったホセは、ある日彼を父の入院する病院へ呼び出してある提案を持ちかける。
タイトルが出るまでのどうやって撮影したのか見当がつかないワンカットシーンで、一気に話に引き込まれる巧妙なツカミが見事。復讐に取り憑かれた男と彼の殺人行脚に付き合わざるを得なくなった男2人の間に漂う、仄かな友情と贖罪が綯交ぜになった感情が乾いた砂が舞う荒野で陽炎のように揺らめく。これはなかなかの拾い物でした。
復讐される方も辛い!?
全体的にシンプルでアッサリしていながら話の展開がソコら辺の復讐モノより捻った感じもあって中盤以降からの意外性が良かった。
加害者側と被害者側が刑事映画のバディ物みたいな関係性になるのが奇妙でもあり、淡々と殺してしまう主人公を見て引いている加害者側に感情移入してしまう。
アメリカでリメイクしたら面白そう。
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