リズと青い鳥のレビュー・感想・評価
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基本的にはあるある話 だが!
ストーリーは女子中高生には多かれ少なかれあるような話なんだろうなーと
ただ!演出、描写がめちゃくちゃうまい!ほんのちょっとした心の動きを映像で顕在化させてそれを演者(キャラ)も意識していくような見せ方(演技)をさせるとても丁寧に あと劇中劇の使い方も見事 状況や感情がスッと入ってくる
で、見てる方は引き込まれるとw
大きな達成感、カタルシスではなく彼女たちの様々な形の旅立ちに立ち会えた気持ちにさせてくれる清々しい作品
見せ方が上手い!と感じられるかで楽しみ方が変わってくると思う
山田尚子監督って聲の形の監督なんですね どうりで上手いと思ったわ
二次元的アニメでの感情表現のまさに最先端、現時点の到達点が観れる映画だと思います
「間合い」をうまく活かして二人の関係を繊細に表現
作品全体としては「触れたら壊れてしまいそう」という印象をずっと感じました。
一緒だと思っていたものが違ったときに、それをどう受け止めて進んでいくかの表現の仕方がとてもうまくできていると感じ、童話「リズと青い鳥」の内容とマッチングさせながら、繊細ながらも強弱をしっかりつけて物語が作られていました。
「譜面には書ききれない間合いがある」という言葉が、二人の関係にしっくりくる言葉だったと感じました。
この映画はそんな「間合い」の取り方がとてもうまく表現できていて、変化していく心の様子などを感じ取ることができました。
素敵な作品です。
東山奈央いい
31本目。
京アニだから、やっぱり、絵が凄い綺麗で、ストーリーも非常に良かったです。
東山奈央が、今年2月3日に日本武道館でライブやったように、ワルキューレから、どんどん羽ばたいて行きますね。
揺れている感情を探す
ぱっと見は起伏の少ない映画だったと思います。何も考えずに見れば、煮え切らない、伝わりづらい物語。
アニメ作品で、ここまで人物の沈黙やインサートを多用していくのは凄いなと思いました。そこに込められている感情を探しながら、二人の気持ちに寄り添っていく様な作品です。
作画で表現する感情が見事
友情、依存、恋愛の境界線が曖昧な、10代の少女同士の心の動きを描いた佳作。
表現的なチャレンジがあちこちに見受けられます。セリフに頼らず間や表情、しぐさなど、演技で感情を表現する手法は、「映画」って感じに。
心情をセリフで全部しゃべっちゃう「テレビドラマ」や、昨今の「深夜アニメ」しか見てない人にはわかりにくいかもしれません。
主人公が気持ちを乗せて演奏したシーンの曲の迫力は、映画館のスクリーンとその音響ならでは。
まだまだアニメーションには可能性があるし、本作は一つのエポックメイキングな作品になるかもしれないとワクワクしました。
こういう作品が、アニメファンだけでなく、世間にも受け入れられるといいなぁ。
珠玉の映像作品、シリーズを知らない人にもオススメ
私自身は「響け!ユーフォニアム」の原作およびアニメシリーズの大ファンなので、単にファンムービーとして十分に楽しめた。
もちろん一本の映画としても、近年のアニメ映画の中でも突出した出来だと思うのだが、ユーフォシリーズファンという前提があった上なので、フェアな評価ではないかもしれない。
原作未読・アニメ未視聴の人にとっては、とくに主人公の少女二人の関係性に興味を持てるかどうかで映画を楽しめるか否かが決まってしまうかもしれない。本作のストーリーラインは、ストイックなまでにこの二人の関係性にフォーカスした作りになっているからだ。
また、言語的な情報が意図的に絞られているために、こちらから「観にいく」態度が求められる。現に、こちらが受け身でも十分楽しめた「レディ・プレイヤー・ワン」を見た後だったこともあり、最初はこの映画のテンポ感に若干戸惑ってしまった。
とはいえ、上映時間も90分と短めで、京都アニメーションならではの繊細なタッチの作画・息遣いや衣摺れの音まで捉えた高解像度な音響は劇場で一見の価値アリなので、原作・アニメノータッチの人にもオススメの一作です。
さすが京アニ
とても狭い範囲を音や絵、気持ちでとても大きくふくらませている。時の流れは昔からよくあったが今作は全くの別物。時間では表せない成長をよく描いている。また見えない部分も多く、解釈が視聴者に委ねられているのも味
おじさんだから何も感じないのか…
つまらなくはないけど何にも感じず。評価は高いが一切響かず…。何も感じないけどなんとなく瑞々しさは伝わるかなー。あとは水彩画みたいなアニメがきれい。ビビットカラーバリバリな海外アニメとは違い美しい絵面。90分の上映時間だから飽きずにすんだのかも…。
山田尚子監督最高かょ!
私は衝撃を受けた。
決して明るい話ではない。
しかしだょ。こんなにも沈黙のあるアニメの中で心の描写を描けたアニメはあっただろうか?
このアニメで何度わたしは自然と涙が出たか。
実は、内容は全く見ないで今回の映画に挑んだ。
世界観も途中ジブリな感じもあったが、そちらの世界も楽しめた。
人間の感情を細かく描いている。
リズと青い鳥の意味が最後やっとわかって更に感動した。
そして、リアルに再現されている。
私にも似たような経験があったからこそ涙した。
全てのシーンが見逃せられない最高の映画だった。
隣の人は意味がわからないと寝ていたが、これは心の豊かな繊細な人間にオススメである。笑
色々引っかかる
アニメのユーフォニアムに劇場版からはまって、期待して観に行きましたが
抽象的と言うか少し描写が足りないのか
薄らぼんやりと終わった感じになってるみたいに感じた
ただ、ユーフォと言えば音楽!
みぞれのソロパートは、素人が聴いても、最後の演奏は圧倒的で音楽で泣きそうになったのは初めてでした
ジブリを超えた
「青いブリンク」以来久しぶりの水彩或いは水彩風アニメーションの成功作を見たという感じ、さすが虫プロの末裔京都アニメーションである。アニメスタジオでは既にジブリを超えている、ジブリの3人のおっさんが寄って集まっても作れない分野の作品である。一昨年前の「君の名は。」以来の感動作であった。物語の後半のオーボエの演奏は素晴らしく、音楽を聴いてその物語性で感動の涙が出てきたのは初めてであった。物語は高校3年生の感じやすい二人の少女の依存性に焦点が当てられ、リズと青い鳥の反転が素晴らしかった。派手な展開の物語ではないが、これだけ叙情性あふれるアニメーションが作れる日本は素晴らしい。
もう一つ何かが欲しい(追書)
TVシリーズ1期2期を完走、もしくは劇場版として再編集された作品を鑑賞した貴兄には、一味違ったシットリな北宇治吹部のお話が楽しめたかと思います。この話のネタ元は上記2期に取り上げられています(劇場版ではカットされた)。
従ってこの作品から初めて本シリーズを鑑賞したお客さんは、単に百合要素とキマシ塔が建つお話かと誤解されそうでもあり(特に出だしの映像で)、ならばぜひ本編を見る機会を得て頂きたいところです。
この作品単体では、みぞれが希美に寄せる思いの根拠が薄く描写も若干大味だったり、本編の2期を視聴し補完しないとワリと重要な情報が一部省略、もしくは本編を視聴している前提なのか間接な描写だけで処理したと思しき箇所もあります。
また、みぞれをいささかヘンテコ不思議ちゃんにしすぎた感もあり、後輩の剣崎ちゃん(鎧と剣)のヘンテコ具合と重なってソレが増幅され、もう少しシッカリさせても良さげではと(でも実際女子ってこんな感じなのかね?)。チームメイトとの掛け合いもソコソコで、この辺も『のぞみぞ』フィーチャーの意図なのか、男子が名前だけしか出ないのも女子校と錯覚しそうなので、せめて塚本くらいは絡めても良かったのではと思ったり…
とは言え上記は些細といえば些細であり、この作品は総合的には比較的良作であることは否定できません。が、しつこい様ですがその他に気になるところが。
一つは、キャラの歩行シーンを前・後ろから見た時の足の運びが変です。ソレもシーンとして多々出てくるので気になります。いわゆるガニ股歩行。京アニは内股作画ですが、ソレを鑑みれば無理やり外股に作画した印象も…w
もう一つは演奏をあまり表現しなかったのも残念(練習シーン含む)。今回は演奏の醍醐味にはあまりウエイトがかかっていなかったのかも知れませんが、本編終盤の3楽章通し分だけでは物足りない印象でした。寧ろソレを期待した部分も少なくありませんでしたし(チネチッタのLIVE ZOUNDに遠征した)。のぞみぞの演奏の噛み合わなさがもっと積極的に表現されれば、手加減云々のシーンで説得力が増すのではないでしょうか。
或いはソレは誠意製作中の黄前ちゃん軸の次回作用に取ってあるのかもしれませんが、それでもエンディングくらいは吹奏楽演奏にしても良かったかと思います。
OVAとしての出来はまずまずだと思います。また旧三年生卒業後の新生北宇治のお話がこの後公開される上での、つまみ食いとして充分楽しめる作品だと思います。
■5月1日追加 ───────────────
日曜日に3回目を鑑賞。上記〝足の運びが変〟については、中盤に1シーン、終盤に2シーン以外は特に気にならなくなりました。サスガに些末だったようです。
ただ、やはりTV2期前半の合宿編は抑えたほうが、この作品の細かい所の描写に対して鑑識が深くなったり印象が強くなったりと理解が深まります。作品を見た後でもTV版の視聴はオススメです。
平坦
特に物語に動きが無く、単調に進んだ印象でした。
空想への導入が毎回予兆無く始まるため、物語に混乱が招かれている。
キャラに焦点を当てる手法は全体で見れば、成功していたが一言でわかる内容を引き延ばしているようにしか理解出来なかった
物語の中核を担う悩みの部分も、一期でやっていた内容の焼き直しではないのでしょうか?
芸術作品的なものに仕上がっているが、その実はただ丁寧に丁寧に綺麗な動きをさせた深夜アニメになっていると思います。
映画でやるのだから、空想描写無くして心理描写だけにするか空想世界に入り込んだ方が主従の関係がハッキリして良かったんじゃあないかなぁ
作品的には、ハマる人もいるとおもうのでこの点数
映画的には、期待はずれでした。
もはや表現する言葉が見当たらない
すべてが最高。まさか泣かされるとは思わなかった。
みぞれとのぞみ、それぞれの思いと決断が素晴らしいかった。
何気ない、みんなが通ってきた学生という道。つみきのタワーのように今にも崩れそうで、それでいて美しい青春時代を鮮やかに描いている。
山田尚子監督の作品の中で一番好きになってしまった。
※原作を読む、もしくはアニメ鑑賞済でないと話はついていけないのであしからず。
山田監督作で最も抑制の効いた一品
「響け!ユーフォニアム」シリーズの完全新作となる「リズと青い鳥」。過去作では北宇治高校吹奏楽部の部員達が織りなす青春のドラマに感情を激しく揺すぶられましたが、今作はうって変わって、彼女たちに寄り添うように、静かに見守るような映画になっています。
ジュブナイルの、或いはモラトリアムの箱庭を見守る作品はアニメ・実写を問わず珍しくはありませんが、これらの作品に通底するのはもう届かない、失われた季節への憧憬を見る側に感じさせる事です。だからこそ、大事にそっと見守ってあげたい・・そういう気分で鑑賞できる。
しかしながら本作では、監督自身が「過ぎ去った大人が昔を懐かしむ目線は排除したい」と言うように、そういったある種の甘美さや感傷を排除し、淡々と希美とみぞれ、2人の心の機微を追う作りにしている。夕景や夜の街並みと言った過去作で見られた効果的な場面転換や、ドラマチックな劇伴に頼らないストイックな作風はややもすると「綺麗でお洒落なだけ、心に響かない」と捉えられがちですが、注意深く2人の心情を追いかけていけば、最後には過去作とはまた違った、静かで深い感動(そして、在る種のやるせなさ)を感じられる事と思います。
結局、希美とみぞれは「リズと青い鳥」そのものか?違うのか?そして2人の心は通じ会えたのか、すれ違いのままなのか・・それはもう是非劇場へ足を運び判断して下さい。人と人の距離感という意味では、ユーフォニアム関連作ではありますが、山田監督の前作「聲の形」とも通じるものがあり、前作同様、とても繊細で上質なフィルムに仕上がっているなと感じました。
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