劇場公開日 2018年4月21日

「何度も新鮮な感覚で鑑賞しています」リズと青い鳥 零零2015さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 何度も新鮮な感覚で鑑賞しています

2025年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

斬新

カワイイ

この映画を初めて見たのは公開前の完成披露試写会で、監督とキャストの方の舞台挨拶もあり、本当に至福のひと時でした。以降、これまでこの映画を何回観た事か・・・

静かで美しく、友情とほんのわずかに暗い感情も入り混じった切ない青春映画です。

主人公の2人は高校の吹奏楽部員で、中学からの仲の良い友人同士ですが、相手を想う熱量、演奏技術が妙なバランスで辛うじて成り立っているような、危うい関係性を秘めています。やがて、吹奏楽の外部教師の評価により、演奏技術の優劣差が明確に露呈してしまい、2人の関係性のバランスを崩してしまいます。

本作は、「響け!ユーフォニアム」シリーズ本編のサブキャラだった鎧塚みぞれと傘木希美が主人公となるスピンオフ作品であり、潔く「響け!ユーフォニアム」のタイトルを外し、キャラクターデザインも監督もこれまでのシリーズとは違う「聲の形」のスタッフが担当。本作を独立した1本の新作映画として製作しようとする覚悟を感じました。

公開当時、興行的には大ヒット!とまでは行かなかったようですが、私を含め多くのリピーターがいるようで、首都圏ではいまだに色々な劇場で再上映されており、客席もほぼ埋まる人気ぶりです。特に川崎のチネチッタでは、今のところ年末年始のアンコール上映に連続で選ばれ、毎年1回上映されているため、仕事の都合がつく限り必ず観に行っています。今年も上映される事と私の都合がつく事を心から祈っている次第です。

なお、本編「響け!ユーフォニアム」シリーズの主人公・黄前久美子は、原作小説では希美とみぞれの間で大事な役回りを演じますが、本作では大きく改変され、完全なモブキャラに徹しており、劇中のセリフもたった2回のみです。(さすがにエンドクレジットのキャスト欄の役名は「吹奏楽部員」ではなく「黄前久美子」と表記されておりました。)

本作「リズと青い鳥」と次回作「誓いのフィナーレ」は、元々1つだった原作小説を2つの物語に分離して制作されていますので、原作小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校、波乱の第二楽章(前・後編)」を未見の方は読んでみると新鮮な発見があるかもです。

零零2015
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