「うつくしい別離と希望のお話」リズと青い鳥 ヒレ肉さんの映画レビュー(感想・評価)
うつくしい別離と希望のお話
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本編未視聴です(スピンオフ作品という事すら直前に知った)
評判を見て「これは凄く好きなやつなんじゃないか」と思ったのですが案の定でした。羨望と絶望と別離と希望のお話。
冒頭の希美がリズと青い鳥の関係を私たちみたいと言うシーン、こいつ当然のように自分が青い鳥側だと認識しているな…!いいぞ…!と思っていたのですが、中盤でみぞれが「ずっと私がリズで希美が青い鳥なんだと思ってた、でも本当は逆だったら?」と気づく場面を見て、希美は本当はずっと前から薄々分かっていたんだろうなと感じました。(そしてあの場面で希美も確信したのだろうな、と)
終盤みぞれが希美に「希美の話し方が好き、足音が好き、すべてが好き」と言うのに対して希美が返せる言葉が「みぞれのオーボエが好き」なの、目茶苦茶残酷で好きですね…。
みぞれの希美に対する感情が「わたしを音楽に出会わせてくれた人、わたしに人生をくれた人」なのに対して希美が一番愛し焦がれているのはみぞれの才能という…
みぞれは「希美のフルートが好き」とは言わなかったんですよね。凄く好きなシーンです。
最後二人は別々の道を選びますが、希美がみぞれと同じ音大に進んだら希美はずっとみぞれと比較する人生を送る事になってしまうのであの結末は希望を感じさせ良かったと思います。必ずしも同じ人生を歩む必要は無いので。
希美とみぞれがそれぞれの人生を手に入れる迄の物語だと感じました。
あと感想を読んで初めて気づいたのですが、モノローグが一切カットされてるんですね。キャラクターの細かな表情の変化や瞳の揺らぎ等読み取れるように描写されていたので鑑賞中は特に気にしていませんでした。
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