「百合の二文字に躊躇するのはもったいない」リズと青い鳥 smzrsさんの映画レビュー(感想・評価)
百合の二文字に躊躇するのはもったいない
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映画表現面の感想:
主人公の「呼吸」を視覚と聴覚と時間で表現した稀有な作品に出会えたことに感謝します。
童話パートの水彩画的な描写も高畑監督のかぐや姫を想起させる出来栄えでした。
内容面での感想:
巷では女子高生の同性愛的な感情を静謐に描いた作品という感想が広まっているようですが、そうではないと思いました。
変化(自己成長)を受容するまでの過程を丁寧に描いた作品と私は受け取りました。10代の女性同士にしか通用しないものではなく、たとえば、「変化したい自分」と「変化を恐れる自分」にも当てはめることができると感じたのです。片方の自分にとってもう一方の自分は、自分の願望(または居心地良さ)を邪魔する障害でしかないのですが、この作品のメッセージどおり立場を入れ替えて考えて見ると、自分を邪魔しているとばかり思っていたもう一方の自分も「自分を大好きだからこそそうしていたんだ」ことに気付けて、互いの思いを受け入れて、一歩を踏み出せる。そういうことを教えてくれた映画でした。
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