「快音・快走のミュージックドリブン・ゲッタウェイ」ベイビー・ドライバー No. Qさんの映画レビュー(感想・評価)
快音・快走のミュージックドリブン・ゲッタウェイ
通称:ベイビー。天才的なドライビングテクニックを誇る“逃がし屋”の青年。幼いころに遭った事故の後遺症で耳鳴りに悩まされているが、ひとたび音楽を聴けば華麗なハンドルさばきで追っ手を撒く。ウエイトレスのデボラと出会い、借金も完済し、新しい日々が始まろうとした矢先、再び仕事の依頼が舞い込む。
「アントマン」の監督を降板したエドガー・ライトが、製作会社MRCのアプローチを受けて実現させた完全オリジナル作。サントラのイントロダクションで「Baby drives cars, but music drives Baby」とライト監督が説明するように、ベイビーは音楽に突き動かされ、車を走らせる。ジョン・スペンサー・エクスプロージョンの「ベルボトム」で真っ赤なスバルがアトランタの街を疾走するオープニングは、本作のコンセプトを象徴するシークエンスだ。
ロック、ソウル、ヒップホップとバラエティに富んだ“キラートラック”に、キャラクターたちがシンクロし、ストーリーが引き寄せられていく。ストーリー・ドリブンでもなく、キャラクター・ドリブンでもない。ミュージック・ドリブンという新境地が開拓された。
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