「分かっちゃいたけど、もう無理!エドガー・ライト嫌いのおっさんは本作をこう見てしまった!(ああ、また観てしまったよ)」ベイビー・ドライバー しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
分かっちゃいたけど、もう無理!エドガー・ライト嫌いのおっさんは本作をこう見てしまった!(ああ、また観てしまったよ)
エドガー・ライト
面白かった程度はそこそこの「ショーン・オブ・ザ・デッド」。
他人のふんどしで相撲をとっただけの「ホット・ファズ」。
音楽センスゼロの、ひとつも面白くない「スコット・ピルグリム」。
ホモネタ2人主演の、ライトではない、別監督が撮った傑作「宇宙人ポール」。
唯一の笑いどころのホモネタを封印した暴挙作「ワールズ・エンド」。
ライト監督降板で俄然見る気になり、実際面白かった「アントマン」。
世間の評価とは真反対に、この監督ほど、つまらない作品を作り続けているものもいない。どうみても、一部の評価につられ過ぎ。おいおい、オレもほぼほぼ観ちゃっているじゃないか。
そんな彼がカーアクションを撮ったという。どうやら逃がし屋のドライバーのお話だという。
ああ、はいはい、あの辺のふんどしを履くのか。
「ベイビー・ドライバー」
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そもそも気持ち悪い映画オタクが音楽のことを語り、あたかもこの作品を全く新しいモノとして評価している時点で相当信用できなかったが、予感的中。
オープニング。
いきなりリアリティゼロの銀行強盗からスタートする。主人公ベイビーのイヤホンの曲が劇伴となる。これが微妙に画面のアクションとずれてて、気持ち悪いし、やかましい。
エドガー・ライトは「スコット・ピルグリム」の時も思ったが、音楽センスはかなりひどいことをここで確信。
こんな出来損ないのミュージックビデオ。もう、どこが斬新なのか。
君たち、どうかしているな。
序盤のカーアクションも車のCMどまり。まったく勘弁してよ。
テレビの音や手話がBGMとリンクしているのかと思えば、途中でまったく関係なくなるし、いちいちイライラさせる。
もう何がしたいのか。頭痛がひどくなる。
園子温の「TOKYO TRIBE」のほうがよっぽど、ノリがイイ、というお粗末さ。
全編、同じような曲調のモノを垂れ流し、クライマックスは、歌詞とは全くリンクしていない「ブライトン・ロック」というダサさ。アクションも全然三味線ギターとリンクしていない恥ずかしさ。
そのまえの銃撃戦もひどく退屈。
エドガー・ライトの趣味なのか、顔立ちが「スコット・ピルグリム」のマイケル・セラの系統で、これまた気持ち悪い。まあ、それは置いておいても、主人公のキャラ設定がとにかくブレブレなのである。
そもそも耳鳴りの設定が大して意味をなしていない。
本作の唯一の良い点は、終始やかましいので、ポップコーンでなく、せんべいを持ち込んでも他の観客の迷惑にならないぐらいか。
ジェイミーFOXXXXXのダサイ恰好はまだちょっと笑ける。
追記
タランティーノと何が違うのかな、とちょっと考えてみた。パクリとかオマージュとかという意味では両者変わらないかもしれないが、他人のふんどしで相撲をとっている感がライトの方にあるのは、おそらく圧倒的にタランティーノのほうがたくさん映画を観ているからだろう。