「サスペンスでは無い」女は二度決断する foxheadsさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンスでは無い
移民を狙った爆弾テロによって、夫と息子を失ったドイツ人女性が、逮捕された犯人に報復していく...という内容かと思っていたら、明らかに異なっていた。裁判で正当に裁けたとしても、自身が復讐を果たせたとしても、喪失感と悲しみは自分の中に残ってしまう。映画ではあるまいし(映画ですが)、それと対峙出来る程、人間は強くはない。そういった部分を、あまりにもリアルに描いた喪失の物語に胸が痛む。ラストの選択を肯定したくはないが、全てを癒すためにはそれしか...と納得してしまう。主人公の女性の悲しみや後悔や苦悩を見事に演じきったダイアン・クルーガーは、カンヌ映画祭女優賞受賞も納得の見事な演技でした。原題と全く異なる邦題「女は二度決断する」は、言い得て妙な秀逸なタイトルだと思います。
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