「二度目の決断が心に刺さる」女は二度決断する とえさんの映画レビュー(感想・評価)
二度目の決断が心に刺さる
テロリストによって家族を殺され、全てを失った女性が犯人に立ち向かっていくサスペンス
そのテロリストというのが、外国人を標的にしたネオナチで、主人公カティヤの夫がトルコ系移民だったことから、標的にされてしまう
ファティ・アキン自身がトルコ系移民の息子ということもあって、この作品はとても身近な出来事として描かれている
また、その「外国人排斥」の動きは、ドイツだけに限らず、ヨーロッパ全土に広がる動きとして描かれていた
その中で、この映画をとても印象的にしているのは、その構成
この映画は、三部構成で作られていて
家族 → 裁判所 → 海
へと舞台が移動していく
もしも、極右団体の主張が正しく、法で罰することができないとすれば
彼らが外国に行った場合、カティヤの夫と同じ立場に立たされるということではないのか…
そう思いながら、この映画の第3部を考えると、極右団体の主張がいかにバカげたことなのかが分かる
そして、なぜ、カティヤは二度目の決断することになったのか
その答えが見えてくる
人はどこで生まれ、どこで生きようとも、みな平等なのだ
カティヤの決断に
心が強く締め付けられた作品だった
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