「欲望が個性を生む」The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
欲望が個性を生む
かつてドン・シーゲル監督&クリント・イーストウッド主演で映画化された小説の再映画化であるが、視点を男性から女声側へと移して語り口を変更しているので、別作品のように楽しめる。
当初は白く、無垢なイメージを持たせる衣装しか着ていない女性たちは、一人の男性が転がり込んだことによって、欲望を花開かせ、色鮮やかに個性が生まれていく。夜の会食のシーンでの、それぞれの女性が着る、色とりどりの衣装は象徴的だ。
閉鎖的空間での女性たちの物語という点で、デビュー作の『ヴァージン・スーサイズ』に近い感触もあるが、スリラーであるという点で、彼女の今までの作品とは一線を画している。しかし、宿る感性はやはりソフィアならではで、別ジャンルでもきっちり自分の個性を出せるあたり、優れた監督だなと思う。
ニコール・キッドマンの抑えた演技が良い。彼女とソフィアが相性がいいなと思った。
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