「知識は武器だ。」BPM ビート・パー・ミニット ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
知識は武器だ。
1990年代のパリ。エイズ感染者を取りまく理不尽に対して変革を起こすべく国、地域、製薬会社、人々に訴え続けた実在の団体「ACT UP(アクトアップ)」の活動をベースに描いた物語。
明日死ぬかもしれない。今日大事な存在が姿を消すかもしれない。
そんな不安と葛藤、そして怒りを持ち続けて許された時間を過ごす彼ら。
知識と感情をぶつけあい活動し続ける為の同志がいる彼らが羨ましくみえる2時間半でした。
題材は世界的に向き合うべき問題ですが、政治色が少なくACT UPのメンバーの表情や感情、生命を表すような適度なBPMで踊らせる鼓動にズームアップした作品。
ショッキングな発言や描写があふれていますが、それ以上に立ち向かうべき現実を思い知らされる。
この作品を拝見するまでは「エイズ」への危機感を感じたことはなかったです。これまでの性教育でも遠い世界の話のようだった。
ジャパンプレミアイベントのトークショーでは初めて知ることも多く、感染ルートは様々で自分も大切な存在も決して身近にないわけではないというずっしとくる後味噛みしめる有意義な時間でした。
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