素敵なダイナマイトスキャンダルのレビュー・感想・評価
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評価しづらいが悪くない。
サブカルなのか、B級なのかのグレーゾーンてかんじ。
デザイン学校中退し、デザインの会社から大人向け雑誌の編集者に転身。70年代~80年代全盛の雰囲気とともに、あの時代だから許された世界観たっぷりの作品。
神格化することもなく、大人向け雑誌だから底辺ということもなく、ゲスさと編集に真っすぐなかんじが伝わってきた。
柄本佑といい、安藤サクラといい、俳優として最強夫婦説を唱えたい。
どう位置付けたらいいのだか。
これを面白いとも面白くないとも言えない、というのが正直な感想です。
末井昭氏のことは、「離婚」というコラム?エッセイをネットで読んで知ったのです。
生き様は大嫌いなゲス男さんだけど、そのゲスが後悔混じりの内省をしている様にちょっときゅんとしたのです。
で、楽しげな女装写真も相まって、映画楽しみにしていたのです。
ダイナマイト心中をしたお母さん(尾野真千子)よかったです。浮世の人ではないような様が、すごくグッと来ましてね。
また、柄本佑も良くてね。
なんですけども、頑張って口説いた奥さんほっぽって若い女にうつつを抜かし続ける日々を肯定している様に感じてね、映画の語り口としてね。いい気持ちはしなかったわけです。
だもんで断片ではいいと思うことがいろいろあったけど、全体としてはいいと思えないというか。
そんな感じでした。
末井さん知らなかったらつまらない
テンポ悪いの。エピソードがゆっくりと紹介されてく感じ。
末井さんを少しでも知ってたら「そうかあ」と観てられるけど、知らなかったらつまらないだろうな。
「末井さん、グラフィックから入ってきたのか!」とか、末井さんに関する知識が増えて良かった。
でも関連本を読んだ方が良くて、映画化しなくて良かったかな。
いい時代だった
柄本佑は好きな役者。表情が時代や役柄にピッタリ。この時代の細かい描写と小道具が楽しい。「エロ本」の匂いと大人の声が蘇った。社会をまっすぐ突き進めているようで、いい時代だった気がしてきた。映画館はオッさんしかいなかったところも落ち着いて楽しめた。監督は富永昌敬。
昭和の雰囲気が漂う背景
この方を全く知らないけどネットも無く裏も表も映画以外は書籍中心だった頃の社会をよく描かれている 脱がない一流格の尾野や脱ぐはずがないアイドル色の高い前田を起用したのかやはり二流でも脱げる方を起用して欲しかったが?
昭和の若者
パチンコ必勝ガイドの創刊編集長である末井昭さんの自伝的小説の映画。監督の富永さんも言っていたが若い人に観てもらいたい作品。母親役の尾野真千子、妻役の前田敦子、愛人役の三浦透子の演技が圧巻。生き方の道しるべとなる作品です。
峯田、松重さんの演技力も見もの。
面白かった
大人の娯楽映画で楽しかった。
映画に出てくる裸も、大人にとってはそれほど刺激的でななかった。
この映画で初脱ぎした三浦透子さんの裸は見事であった。まさに「素敵な透子のハダカ」でした。 残念なことに、ラブホテルのピンクの
照明であったため、透子さんのきれいなハダカを自然光で見れなかったこと。 せっかく脱いでくれたのにもったいない。 自然光下で透子さんのバストが映されていたら評価5でした。
いまいち。
少年時代に母親が隣家の若い男とダイナマイト心中するという過去を持ち、「New Self」「ウイークエンドスーパー」「写真時代」などの編集長をしていた末井昭氏の自伝的エッセイを映画化したもの。
末井昭さんについては西原理恵子さんの著作で「末井どん」として出ていたので名前だけは知っていました。
島本なめだるま親方とともにはじけたおじさん、というイメージ。
どんな映画になっているのかと思ったのですが。
末井さんを知っている方には楽しめる内容だったかもしれません。
いろんな生き方、人生があるなぁという感慨を得たい人にもいいかもしれません。
私個人としては、期待外れでした
原作もあまり読む気にならないかなorz
しかし、俳優陣はよかった。
主演の柄本佑は存在感があった。前田敦子もけっこういろいろな映画に出ていてだいぶ安定している感じ。
三浦透子は難しい役どころ。尾野真千子も出てる。島本慶さんが出ていたのはあとで知った。先に知っていれば放映中にもチェックしたのに残念。
上映時の来場者はおそらく2名でほぼ貸し切り状態でした。
エンディングソングがしみわたっていい曲でした。
だらしない男の話
だらしなくてもなんとかなる、なってきた、そんな男の話と思った。時代背景がもろ昭和で、古き良き時代の物語?というか、平成の、21世紀の現代からみたらアンソロジー的な要素が大きいのかな、と。まあ、それもそのはず実際に生きてる人物の半生を描いた物語だから、そういう風にもなるわな。笛子はその後、どうやって生きていくのかちょっと心配。
昭和風俗時代考証モノ
この鑑賞の前に、川崎市民ミュージアムでみうらじゅんの個展を鑑賞した。自分の青春時代だった昭和というものに、その頃の大人達、しかも特殊なポジションにいた人達のその頃の拗らせ方、馬鹿馬鹿しさ、正直さ、小狡さみたいなものをこの平成も後半になる時にまるで懺悔というか開き直りのような感覚で公表する意味合いを唯、戸惑いを覚えずにはいられなかった。この大人達のおもちゃ、もっと言えば奴隷のような状況に置かれていた学生時代にいた自分は、せっせと此方のためになけなしの小遣いを上納していたのだと思うと・・・
まぁ、恨み節程ではないのだが、そんな自己卑下的なセンチメンタリズム溢れる作品としてまとめている。
しかし、はっきり言って原作者である末井昭氏の心の葛藤や機微がきちんと作品に滲み出ているかと言えば、疑問を持たざるを得ない。なので、軽く昭和を触ってみました的軽薄さが空気として流れてしまっているのは残念である。彼に振り回される前田敦子分する奥さんや、精神的病に陥った愛人、仕事を通じて信頼を得た友人、その他周りの人達の気持ちもそんなに吐露をしてるわけでもなく、起こった出来事を淡々と繋げていく、自分史をみせられている帰来を感じる。そこに、自分の母親のダイナマイト心中を無理に結びつけようとするから、その関連性が自分の中でさっぱり結びつかず、却って邪魔なエピソードを差し込んでくるモノとして捉えてしまう。波乱な人生史を、数々のエピソードを差し込むことで彩りを加えているのだろうが、まるで調和が取れていない。
末井氏本人が自称天才編集者を宣伝しているような何ともエグミの強いシーンの連続で少々キツい面も露呈される。
例えば、ヌード雑誌が発禁になり、その後に不死鳥のように復活したパチンコ雑誌への転身も、あんなサラリとパチンコしているシーンだけで語られると、深みが丸っきり感じ取れない。『ふーん、そんなことがあったんだ・・・』的な、心に引っかからないテイストに少々の落胆を感じたのが正直なところ。小道具やセットの細かい時代考証も大事なのだろうが、それよりももっとこの稀代の編集者が時代とセックスをしたときの感情の発露を表にさらけ出して欲しかったと思うのは自分だけだろうか・・・何とも中途半端に仕上がってしまった感が否めない作品である。
冨永監督の映画に自分の体が生理的に好意的な反応を示す
僕の大好きなローリングの冨永監督作品。
母親が男とダイナマイトで心中した末井青年がキャバレーの看板描きやエロ雑誌編集長として働いてく話。なんと実話!
基本はどうしようもない人達の人生とエロ。そのエロがアートでも妖美でもなく、ただ猥褻で下品な昭和のエロ。でもこれが一周回って味があります。
必死なのかダラダラしてるのか……曖昧な人が、転がり落ちていく映画を撮らせたら冨永監督の右に出るものはいないなぁ。
主人公の末井は好きにはなれない。けど人生を追いたくなる。
センスはある。仕事は上手。生き方は下手。誠意は無い。悪人でも無い。
そんな人が人生を転がりまくるのが生理的に見てて楽しいのです。ストーリーじゃなく生理的な気持ちよさ。
末井を”頑張れ!”と応援してくなるときもあるし、”最低だな!”と見捨てたくもなる。誰の味方につけばいいかわからない。でも嫌な気持ちにならずに見れてしまうマジック。ローリングもそうだったなぁ。中盤からおかしくなってく末井はゾクッとしました。
末井 昭の影響力などはほぼ描かず。神格化するのでなく一人の青年が転がりまわって生きたのを描いたのも面白い。
妻役で前田敦子が出演。だいぶ”前田敦子感”が無くなって役柄で存在してるようになったなぁ、と。女優って感じです。モヒカン故郷に帰るの時とかはまだ前田敦子感があった。
ヒロインでは三浦透子さんが素敵でした。平成でも通用する昭和の美人。ファッションがめっちゃ好み。
音楽を担当している菊地成孔が出演もしているんだけどコレがハマり役すぎてニヤニヤが止まらなかった(笑)けっこうな長さ出てるし。
”dCprGでカッコよくコンダクトしてる人がすげーセリフを喋ってるよ”と吹き出しそうになった。菊地成孔ファンは一見の価値あり!
そして菊地成孔が作曲/作詞をしている主題歌が素晴らしいのです。薄い後味で終わりそうな映画に深みを与えてる。
カットが芸術的だったり、映像が綺麗だったり、スペクタクルなストーリーが待ってるわけではない。メッセージ性も無いかもしれない。
でも好きになる作品。傑作!って叫びたくなる。
冨永監督の映画に自分の体が生理的に好意的な反応を示す。としかいいようがない!
圧倒的な昭和裏街道クロニクル
冨永監督の最高傑作、と断言。ありそうでなかった高度経済成長期、昭和の裏街道を突っ走る青春クロニクル。表の昭和史は朝ドラや三丁目の夕日で散々やってるが、これは(実録ってこと含め)そこでは一切描かれない人たちのドラマ。
ヤクザや犯罪ならまだしも、この一見バカっぽい陽気で犯罪すれすれのサクセス街道を駆け上がってく前半と、何者かになってしまった男が抜け殻のようになって彷徨う後半戦の果てに立ち現われるひとりの女の幽鬼のごとき姿に特別(かなり!)な母の姿が立ち現われる。幼少時代の薄ぼんやりした記憶の幽霊かもしれないと思った母の姿が、大人になって母の自害した年になって見えてきた姿。。
とてつもなく練りに練られた構成を、見事な美術、衣装、キャスティング(隅の隅まで充実!)、撮影・照明、音楽、そして演出で描き出す。この世界観はほかの監督では描き出せなかったろう。凄い。
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