今夜、ロマンス劇場でのレビュー・感想・評価
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総ての映画ファンに送る、映画からのロマンチックな愛の物語でした!
私は正直、本作の様に映画制作者の方々を描く作品や、映画絡みの物語となると昔からめっぽう目がありませんでした!
「ニューシネマパラダイス」何度観た事でしょう!「ザ・プレイヤー」そして「アーティスト」等名前を挙げただけでも胸に感動が込み上げてきそうです!
そしてまた、私は、この作品を観て、「人は2回死ぬ」とよく言われる、その事を思い出しました。
1度目の死とは、もう言うまでも無くこの世から、肉体が無くなり、医師から死亡が確認された状態で、2度目の死と言うのは、その亡くなった人の存在が時間経過と共に忘れ去られ、誰の記憶からも完全に消えて、その人がこの世に存在していた事実が無くなってしまった時が第2回目の死。
そう考えると、確かに映画スターは自分の出演した映画が誰かの心に影響を与えている間は、一般人よりも長生き出来そうだ。
事実、私が中学生の頃観た「エデンの東」と言う作品でデビューして3本の作品を残して亡くなった伝説のスター、ジェームス・ディーンは私が生まれる前に死んでいる俳優だけれども、冒頭の彼が顔を上げるあのショットを観た瞬間、この俳優はこの映画が存在する限り生き続けると思い、その時以来、私の映画観賞人生も同時に続いている。話が逸れたので、この作品に話を戻すが、それ故、私はこの作品の主人公である健司が、スクリーンの中の美女、スター女優だった美雪に夢中になる気持ちについつい感情移入してしまうのだ。
そして、美雪自身も、スクリーンの中から、自分の存在をいつも大切に見守ってくれている健司の存在を知り、健司と別れの日が来る時にスクリーンを抜け出して、健司に会いに来ると言うファンタジー、これは映画ファンにはなら誰でも好きになってしまうスチエーションだよね。
映画が娯楽の中心で、映画と言う媒体そのものが人々の生活に深く関わりを持っていた時代。
そんな古き良き昭和の文化の香りが、懐かしくて、そしてきっと多くの映画ファンにとっては、この世界感は最も愛おしい世界なのではないかな?
助監督健司と彼を愛する2人の女性達、この3人の揺れる優しく淡い「純愛ラブストーリー」と言う物語も実にザ・昭和的で、最高でしたね。
そして物語はいよいよラストを迎え、或る秘密が明かされて行くけれど、これも悪く無いし、もしも違った結末が有ったとしても、それはそれで、きっとそれもロマンス劇だった事でしょう。
かつて、「蒲田行進曲」と言う映画撮影所が舞台の作品でもラストの賛否が分かれました。
病気療養中の老人を加藤剛が演じていたが、奇しくもこの作品が、彼の遺作となってしまった現在の銀実を思うと更に切なくなる。しかし、美雪同様、加藤剛もこの作品の中では素晴らしくロマンチストな老人として、映画ファンの心の中で生き続けるのは間違いない。
本作では冒頭「ローマの休日」を思い起こされる方が多くおられると思うが、私は市川昆監督の「鹿鳴館」が描き出した、時代の香りを想い起した。
本作は本当に映画好きにはきっと最高にハッピーになれるロマンス映画だと思います。
主演の綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼は本作ではハマリ役で勿論良いが、脇を固める、柄本明、北村一樹の役処も最高に楽しいし、素晴らしかった!
昭和な映画観賞好きにゎたまらん😭
昭和35年
カラフルで温もりに溢れた、映画と恋を
綾瀬はるかと坂口健太郎の美女&イケメン共演のラブストーリーで、フジテレビ・ムービー。
ボロクソ叩く材料が揃っているが、しかしこれは良かった!
邦画良質のロマンティック・ファンタジー。
様々な感情が溢れ出てきた。
入院中の老人が、若き日の事を思い出す…。
映画監督を目指す青年・健司は、助監督として撮影所で毎日悪戦苦闘。
そんな彼の楽しみは、馴染みの映画館“ロマンス劇場”で戦前に作られたモノクロ映画『お転婆姫と三獣士』を観る事。劇中の姫、美雪に憧れ、恋をしていた。
ある夜、不思議な事が起きる。いつものように映画を見ていたら、映画の中の世界から美雪がこちらの世界に飛び出して来て…!
映画ファンならすぐ察しが付く通り、この設定は『キートンの探偵学入門』『カイロの紫のバラ』『ラスト・アクション・ヒーロー』などなど。ロマンティック・ファンタジーなので、特に『カイロの紫のバラ』を彷彿させる。
映画ファンなら誰もがある筈。映画の中の世界に憧れたり、映画の中の人物を好きになったり…。
夢だけど、映画の中の人物と至福のひと時を。甘いひと時を。
そんな夢を叶えさせてくれる『カイロの紫のバラ』や本作は、映画ファンの心を掴むに充分。
…でも、健司の場合、そんなんじゃなかった!
周囲に知られたら、大変! 自分のオンボロアパートに住まわせるのだが…
とにかくこの美雪姫、メチャメチャ気が強いじゃじゃ馬。
しかも、「お前」「しもべ」呼ばわりで、あれこれこき使われる。
トラブル続出、振り回される毎日…。
前半はお転婆美雪とドジ健司のドタバタ・コメディで、少々ベタ。
北村一輝演じる往年の銀幕スターの描写も典型的。往年の銀幕スターって、本当にあんな感じだったのかな…?
ある日、健司ら助監督に監督デビューの機会が。
健司は、美雪との事を題材にした脚本を書く。
一緒に過ごす内に、次第に二人の心が色付いていく…。
が、美雪にはある秘密が。それは、触れられると消えてしまう…。
ドタバタ・コメディから切ないラブストーリーへ。そして、意外性のある結末へ…。
劇中の健司さながら、綾瀬はるかの魅力にうっとり。お転婆な面も儚い面もキュート。品のある美しさも。
坂口健太郎もピュアな青年像もハマっている。
映画会社の社長令嬢の本田翼の役回りも案外良かったが、他キャスト陣で印象残ったのは、やはり先日他界した加藤剛だろう。
敢えて役柄は伏せるが、演じた役柄と加藤剛本人の最期が何だかダブって…。
本作の最大の醍醐味の一つは、“映画”だろう。
姫の生活にうんざりのヒロイン。彼女が着こなすファッションの数々…。これらは言うまでもなく、『ローマの休日』で、オードリー・ヘプバーン。
“触れられないロマンス”は『シザーハンズ』を思い起こさせる。
そんな二人がガラス越しに口づけを。邦画往年の恋愛映画の名作『また逢う日まで』へのオマージュ。
かの名作の名シーンを再現するなんて嬉しいが、今の若い人たち、知ってるのかな??
映画全盛期の時代が主な舞台なので、撮影所の雰囲気とか堪らなく“あの時代”を醸し出す。
ポスターや小道具など、こっちが映画の中の世界に入って、じっくり見物したいほど。
美雪が活躍するモノクロ映画『お転婆姫と三獣士』のチープで古ぼけた作りも上々。
北村一輝演じる銀幕スターの“ハンサムガイシリーズ”など、劇中映画が大衆娯楽映画なのもいい。
って言うか、これらの映画、本当に見てみたいぞ(笑)
さて、健司が書いた脚本の結末は? 本作の結末は?
ネタバレチェックを付けるので触れるが、
終盤見舞いに現れた“孫”は、実は美雪。
二人は、触れ合わないで、共に歩んでいたのだ。
病院のあるシーンで助けてやる事も出来ず陰口叩かれても、仕方ないのだ。触れられないのだから。
遂に二人に別れの時が。健司は静かに息を引き取る。美雪は最期の最期に健司に触れ、消える…。
切なく悲しくも、美しく幸せな結末で、とてもいい。
でも、こんな結末でも良かったと思う。
あのシーンで、健司は美雪に触れ、美雪は消える。
消える運命にあるのなら、愛する人に触れられて、消えたい…。
健司は社長令嬢と結婚。幸せな人生を送った。
すでに妻は他界し、健司も病床で最期の時を待つ。
美雪との恋や自分の人生の思い出を綴った未完の脚本を完成させて、健司も旅立つ…。
本作はどんな形になっても素敵なハッピーエンドになっていたと思う。
そんな幾つもある中から、美雪と健司が二人で選んだハッピーエンド…。
映画は観客を楽しませてくれる。時には、自分の人生を決定付け、影響すら与えてくれる。
それは、映画にとっても同じ。観客が、私を(映画を)見つけてくれる。
語り継がれる名作や今も尚多くの人に愛される映画がある一方、埋もれ、忘れ去られた映画も山ほど。
そんな中から…。
見た映画全てを覚えてるなんて、到底不可能。(タランティーノは覚えてるらしいが…)
忘れた映画、覚えてない映画も多い。
例え忘れても、その時見た感情は本物だ。
それを忘れない為に、残す為に、思い出として、駄文であっても短文であっても支離滅裂であっても、こうやって映画レビューを書き続けている。
映画との出会いも、人との出会いも、一期一会。
映画を愛し、愛する人に出会い…
その世界は輝き、カラフルな温もりに満ち溢れている。
綺麗なシーンがたくさん
映像の色味というか綺麗なシーンがたくさん。
好きな人に触れられないって辛いなあ…
それでも最後まで一緒に過ごした2人はあっぱれ。
綾瀬はるかさん、オードリーみたいな格好が良く似合う!!
切なく泣いた
映画愛
坂口健太郎が演じる牧野と言う名前、あのマキノ監督(津川雅彦さんのおじいちゃん)をリスペクトしているんですね。牧野は現実の世界ではずっと一人で映画の仕事に打ち込んでいて、幻想の中、いいえ牧野の中では映画(美雪)に恋してしまい人生を映画に捧げて一生を幸せに終えたのかもしれません。そんな映画人は多いのでしょう。
オマージュ。そうですね、久我美子と岡田英次のガラス越しの接吻、武内監督、時代を良く表現してました。でも今の人にはちょっとわからないでしょうけどね。映画を知っている人にとって◯の映画です。
いやぁ…切ない。
最初は姫さまのワガママっぷりと態度に終始イライラしっぱなしでした。笑 それだけ観入れる演技をしていた綾瀬さんさすがだなと思いました。中盤あたりからひたすら切なくて…好きな人に触れられないということかどれだけ辛いのかということを身に染みて感じ、かなり泣いてしまいました。ラストは少し驚きましたが、流れで行ったらそうなりますよね…という感じでした。
撮影所のシーンがかなりわちゃわちゃしていて観ていて楽しいのですが、少しごちゃごちゃしすぎかな…という印象を受けました…。綾瀬さん坂口さん2人のシーンは本当に綺麗でした。それはビジュアル的な意味でも物語的な意味でも。観ていてうっとりしてしまいました。
キャスト陣もみなさんさすがの演技力の持ち主なので、綺麗にストーリーに入り込むことができました。
泣いた
泣けたー(;ω;`*)
色彩豊かな映像美
和製 ローマの休日
オードリーヘップバーンへのリスペクト、オマージュがふんだんに感じられる映画だった。そしてその役に綾瀬はるかはぴったりだった。似てないのにね。たしかに「和製」になっていて、重ねてここまで映画界を築いてくれた過去の映画会社たちへのリスペクトも感じられた。
坂口健太郎も、心優しく引っ込み思案を上手に演技。こうみると、ストーリーはラノベ風になってるんだな。
北村一輝の出来は主役二人にも増して、時代感を出すのに役立っていた。
ストーリーはこの上ない御伽噺で、小さいことは気にするなって話なんだけれど、ぜひそれにどっぷりはまって楽しく過ごしましょー!
2019/11/30追記
0.5アップして4.5に。本レビューに時折、"いいね" をいただく。その度に、本作を観た記憶を呼び戻すのだが、その時の印象はいつも良い。「そうか、俺、この映画を好きなんだな」とみなさんに気づかせてもらった、ちょっと不思議な体験。
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