「【もし、本当のロマンスに出会えたら、この世は素敵な映画の様になるだろう・・。】」今夜、ロマンス劇場で NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【もし、本当のロマンスに出会えたら、この世は素敵な映画の様になるだろう・・。】
■今作の魅力
<Caution! 以下、内容に触れています。>
1.作品構成の妙
・病床に臥せる元助監督のマキノケンジ(加藤剛:有難うございました。安らかに・・)が、付き添いの看護婦(石橋杏奈)にムカシバナシをするところから物語は始まり、・・・彼の最期を寄り添う様に看取った人。
・現代のシーンと、昭和35年の映画製作現場の対比。それを支える美術陣の見事な仕事。
2.モノクロの美しさと、カラーの美しさの対比が絶妙である事。
・銀幕の、我儘でやや高飛車なお姫様(綾瀬はるか)が鮮やかなブルーのドレスを着て、恥ずかしそうにケンジの前に現れるシーン。
- 美しいなあ。-
3.登場人物の魅力
・マキノに対して、銀幕のお姫様が、最初は”おい!、シモベ!”などと言っているが、徐々に惹かれていく過程。
- 明らかに「ローマの休日」へのオマージュである。「カサブランカ」の名シーンも出てくるね。ー
・嫌みな銀幕の大スター(北村一輝:この俳優さんは、このような役が実に良く合う。)が、意外と良い男で、粋なセリフを映画制作陣の前で口にするところ。
・マキノを慕う、社長のお嬢さん(本田翼)のマキノを思うが故の計らい。銀幕のお姫様からの頼みごとを聞くシーン。
・ロマンス劇場の劇場主(柄本明)のマキノとお姫様への粋な計らいの数々。
ー 皆、映画を愛する善人なのである。-
4.ラストシーンの素晴らしさ
・涙を流しながら、マキノが書いた脚本を聴いていた看護婦が、”最後まで書いていないんだ”トマキノから言われ、
”幸せな、結末が良いな!”
と言う声を聞いたマキノケンジが
”じゃあ、一緒に居てやるか・・”と嬉しそうな顔で言い、筆を走らせる・・。
<マキノケンジは幸せモノであるなあ。だって、銀幕のお姫様に最期を看取って貰い、彼女と”新しい、二人の世界”に行けたのであるから・・。
素敵なラヴ・ファンタジー作品であると思います。>