「綾瀬はるかの正しい使い方」今夜、ロマンス劇場で 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)
綾瀬はるかの正しい使い方
今時、こんなストレートなラブロマンスコメディーを
堂々と作ってくれてありがとう!!
作品の出来以前にその心意気に星四つです!!
私のオールタイムベストに「ローマの休日」が入ってるので
それへのオマージュ溢れる本作は絶対観ようとは思っていたけれど
どうも綾瀬はるかの近年の映画が大コケしてるので危うい気持ちで鑑賞。
舐めてました!!申し訳ありませんでした(笑)
「ローマの休日」と「ニューシネマパラダイス」をミックスして
コメディーにした様な映画?と思いきやそれだけでなく
「蒲田行進曲」的な撮影所のシーンもありなかなかに楽しい。
で、途中からはアンデルセンの「人魚姫」的な展開の後
「今夜、ロマンス劇場で」となってます。
正直突っ込みどころも多いので、
人によってはナニそれ!な場面もあるけど
誰かを心から大事に思う気持ちに溢れて
心地よい良い涙に浸れる作品です。
で、月に10本程映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
綾瀬はるかの正しい使い方がやっと形になった感じ。
ご本人の持つどこかこの世のモノならぬ浮遊感に
女座頭市を演じた「ICHI」や「精霊の守り人」で見せた
気の強いキャラも上手く重なって
「僕の彼女はサイボーグ」以来のハマリ役だと思う。
不器用だけど、健気で一途な人物を演じたら
綾瀬はるかはうまくハマる気がする。
設定もちょっと面白い。
古い映画の主演女優が復活したのでは無く、
映画の中で演じたお転婆姫のキャラクターそのものが
スクリーンからモノクロで出てくるところが、
「ロジャー・ラビット」のモノクロのベティーブーブを彷彿とさせて
レトロ感が何とも言えずイイ感じ(笑)
正直、全体の三分のニまでは展開が読めたので
少々中だるみな瞬間も無くはなかったけど
後半三分の一はそう来たか!的な展開に泣けてしまった。
坂口健太郎の良い意味で融通の利かない生真面目さが
後半の超ベテラン役者さんにちゃんと繋がっていて、
納得のラストになってました。
冒頭にも書いた通り、今はストレートなラブコメ自体が
もう絶滅危惧種になっている。
今の時代、社会問題を扱った作品の方が評価されがちだけど、
人を恋する気持ちの美しさや切なさは
社会問題に匹敵する程、大切なものだと思う。
人を愛する気持ちこそ、全ての問題を乗り越える力だと思うから。
*もう一度観るなら?「時間が有れば映画館で」