検察側の罪人のレビュー・感想・評価
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相当に良かったのに、一抹の物足りなさ
二宮和也は、犯人を追い込む検察官を、素晴らしい演技で表現していた。普段の静的状態と尋問時の激怒のギャップの大きさが、迫力を生む源泉なのだろうか。吉高百合子さんの事務官がそれを見て驚愕していたのに、共感するところ大であった。彼女も抑えた演技ながら、とても魅惑的で、二人ができてしまうのも納得できた。そして、何よりも松重豊の闇世界ブローカーは、その複雑さが魅力的なキャラクターで、お見事な造形。木村拓也と絡むシーンでの音楽やロケーション、美術も素晴らしい。
従来と異なり、抑え気味でリアリティに重きを置いたと思われる木村拓哉の演技も、悪くない様に思えた。犯人殺人に向けてのシーンなど演出も、悪くない。しかし、映画全体としては、かなり物足りなさを感じてしまった。それは何故だろうか?
まず、木村演ずる検察官が殺しに至るまでの思い入れが、共感できなかった。殺された娘を妹の様に可愛がっていたという会話はあったが、映像で十分に表現しきれていない様に思われる。また、インパール作戦をブローカーとの共通点として、エピソード的に使ったのは一つのアイデアであるが、映画全体として十分意味をなしてないのは残念。暴走する検察の基本的要因とインパール作戦命じた大本営には、共通要因があるはずだけど。
そして、やはり最大の失敗は、終わり方の脚本の様に思える。殺人が露見していくところが1番面白い原作をわざわざ変えて、木村検察官がどうなるかを、観客に全く知らしめずに、二宮の叫び声で終わらせるのは、エンタテイメントとして、安易な選択と思えてしまった。せめて、殺人露見を映像で示唆するぐらいは、して欲しかったところ。原田眞人監督の大ファンだけに、今後は脚本は複数で練り上げた方が良いと思ってしまった。
もったいない??
豪華な俳優さん達も、「正義とは何か?」について考えさせられる原作も活かしきれていなくてもったいかな。。
ストーリー全体が中途半端な感じでした。あの原作を2時間で纏めるには無理があったのでしょうか。原作との多少の違いは仕方ないけど、【そこ変えちゃったら、この人の正義は成り立たないんじゃ⁇】と目がシロクロしたり。話の筋に対して意味不明な演出にも違和感しか感じませんでした。
見どころは俳優さん達の演技力でしょうか?ニノさんは迫力があって、私の中の沖野のイメージに近かったです。松重さんの諏訪部、痺れました。ところで、木村さんは何を演じても同じに見えるのは気のせい?
これぞ映画
オープニングのスタイリッシュな映像と音楽でゆっくり日常をはなれ映画の世界へ、冒頭の研修シーン、大窓の揺れる緑が美しいです
そして早口で語られる多量の情報に頭の中はぐるぐる高速回転しつつ、沖野が松倉を追い込むシーンで緊張感マックス、そのまま様々な出来事が同時並行して最後まで一気にひきこまれ、緑の中での沖野の咆哮で終わります
多くのエピソードが2時間の中にギッチリ破綻なく詰め込まれていて、視点があちこちにいき、その都度心がゆさぶられるので、それもまた楽しめました
シリアスとエンタテイメント兼ね備え、映像の迫力、俳優たちの密度の高い演技の応酬、映画ならではの贅沢で充実した2時間でした
キムタクの抑えた目の演技もよく、二宮さんの計算された狂気の演技もすばらしかったです
そして悪役三人の演技巧者との相乗効果で高い緊張感がはりつめていました
新米検事の沖野が老獪な諏訪部にくらいついていくシーンは、俳優松重さんが俳優二宮さんを試すような、その演技の応酬自体を楽しんでいるような感じがして、あそび心のある好きなシーンです
最後まで中弛み無し!
原作の大ファンだったので、映画化されると知った時は歓喜しました。ただ、最上役を木村拓哉さんが演じるのはありかな?と思いましたが、沖野役を二宮和也さん…?正直私のイメージとは違うな、と感じました。でも、実際に観賞して二宮さんの演技力に圧倒され、沖野は、彼で正解だなと納得しました。ラストが原作と違うところ、橘が出版社と繋がっていて最上を探っていたり、最上の妻子の描き方等に多少の不満がある…、また全体的に癖の強い演出に違和感を覚えたので、星4つです。でも、迫力があり、ラストまで一気に魅せてくれました。原作ファンの私でも大満足の出来映えです。
もう少し的を絞ればなんとか。
木村、二宮、共にいい演技出来てます、が脚本が中途半端すぎて引き込まれない。
政治家との下りは余計だし何が伝えたいのかよくわからない。
松倉を法廷に吊し上げたい気持ちは解るが、真犯人を殺してまでする事ではないのかな? それなら松倉を暗殺した方が早い。
また最上と松重やくの人物があそこまで親密なのも不自然。
俳優陣は悪くはないと思うんですが…
キムタクは【らしい】感じですが、役にハマってるので良かったのでは。。最初の講師のシーンとか、横の会話に『引くな』とアドバイスするシーンとかあんなカッコさりげなくやれる人はそうそう居ない。
他の俳優陣もキャラがハッキリ出てるし、個々のシーンでの演技自体に説得力?みたいなものはあるように感じたので充分なのでしょう。
恐らく、最も足りないのは脚本。。
原作読んで無いとそれぞれの心情変化が分かりにくくて、全体的に唐突感が否めない。
キムタクが殺害を決意するまでとか、ニノさんが自身の正義に従って反旗翻すまでとか、吉高さんがニノさんに抱かれるまでとか(このくだりは蛇足的で、単に盟友的なポジにしとけば…と言うのは蛇足で。)、ニノさんが弁護士側に立って結局自身の正義貫く為に『証人に立つ』と言ったことに対して怒る吉高さんとか。。
⁇⁇となってしまう。もう少し長い映画にして描き込んだら…と残念な気持ちです。
パワハラ監督に誰も何も言えなかったんだろうな
・謎の舞踏集団が意味不明。葬式のシーンの泣く女たちや、丹野・妻の側にいた目立つメイクのおばさんたちが意味深な割に意味は無い。丹野・妻は、信仰宗教に熱心なのかと思った。本筋に関係ない余計な詮索をしてしまう。
・諏訪部と最上の主従関係を裏付けるのが、「互いの肉親がインパール作戦で一緒だったから。」というだけなのは、説得力に欠ける。諏訪部がそれだけで言うことを聞くような男に見えない。
・インパールの件は、監督のオリジナル案というが、原作にもある。
・最上が禅をするシーンのお坊さんが外国人なのも余計なキャラ設定しすぎ。
・原作では血縁関係のある最上の家族も、わざわざ再婚した妻とその連れ子って設定を乗せなくていい。
・某番組で、監督は「フィクションでも、ノンフィクションらしく撮る。」と言っていたが、そう聞いてた割には作り物感が顕著だった。
・小田島(八嶋さん)弁護士のシーンも、原作読んでないと訳が分からない。小田島弁護士の奥さんも無駄にキャラが濃すぎ。部屋のインテリアも、特に意味は無いのに意味深すぎ。
・白川も、ちょっとしか出てこない。
・原作にもあるから仕方ないが、橘と沖野の恋愛描写は余計だと思った。恋に落ちる描写が無いから、いきなりのキスシーンについていけない。
・変声機を使ってた女も意味不明。ただの運び屋でいいのに、余計な設定盛りすぎ。そっちに気を取られる。
全体的に説明不足すぎ。
この映画だけを観て、「端折ってんな〜。」という印象しか受けなかった。
多分、この監督が怖くて周りの人は何も言えなかったんだと思う。
他にも撮影したシーンはあるらしいが、カットしたことで訳の分からなさに拍車がかかっている。
作っていた人たちには通じていた拘りも、初めて観る観客には伝わってこない。
映画に限らず小説や絵画など、その作品1つだけで分からないのは良作とは言えないと思う。
あとは、言われているほどキムタクの演技が酷いとは思わなかった。
『罪を洗い流す雨・・・そんなものはない』
三部構成で区切られている編集だが、そこまで区切りを付ける演出は必要だったかは疑問の余地がある。
原作は未読だが、ラジオ番組での対談で、監督がそこそこ脚色や改編があったと聴いたので、あくまでも映画作品としての感想である。
まず一番厳しかったのが台詞回しの早さ。もうおじいちゃんにはサッパリ聞き取れない。或る意味これも演出なのだろうが、ストーリーを理解出来ぬ儘どんどんと場面は進んでいく。もう完全に置いてけぼり状態だ。こういう作品はある程度狂言回し的な、ストーリーテリング的な装置が必要だと思うのだが、それがないので一体どの展開なのか考えるのに疲れる。大体、三つの話が同時並行したり、繋がったり繋がらなかったりとかなのだが、その中でも一際異物感があるのが、キムタク演じる検事の友人である国会議員の話。世相を盛り込んで、多分アパホテルの事を揶揄してるのだろうが、本作の本流の筋とはまるで絡まない。前半の思わせ振りのホテル一室での密会仕立てのシーンは、始め男同士の関係性みたいなモノなのかと思ったが、これはミスリード。ならばなんでこんなシーン必要なのか、全く分からない。後半の八嶋智人の弁護士、後援会のお偉方の山崎努といい、その役の必要性が正直感じられず、松重豊も含めて、往年のキムタクドラマ出演者の友情出演の様相を呈していて大変軽い。そんな中での二宮和也の出演も、上手く相乗効果を産み出しているとは言えない、空回り感が漂う。
とにかく、不思議な映画なのだ。伏線の仰々しさと回収のちっぽけさによるバランスの悪さ。ギャグなのかなんなのか分からない小技。犯人の、口を鳴らす仕草、娘のいきなりのボウズ頭、これだけシリアスなのだから、何か後々にこの小ボケが生きてくるんだろうと思いきや、何も唸らせない。益々『?』マークが脳裏を駆け回る。意味がまるで見えてこない。テレビドラマ『相棒』のスペシャルでも、もう少し上手くサスペンスを作ってると思うのだが、一体これは何を言たいのだろうかと首をかしげざるを得ない。『インパール作戦』を持ち出すならば、その題材はトップの愚考と生贄の部下というテーマだろうに、それも空振っている。『クライ ミー ア リバー』というスタンダード曲が何か暗喩してるのかそれも謎というか、結局犯人が口ずさぶことへの怒りの着火剤として使っただけ。折角の名曲なのだからもう少し巧く利用しない手はなかっただろうか・・・
吉高由里子の書記役も含めて、各配役のバックグラウンドがさりげなく出ていてソコソコ闇なのに演出が浅いので、その行動の裏付けが乏しいし、何故こんな事になったのだろうかと首を傾げるばかりだ。折角、ラストシーンは意味深で今後の二人の対決を匂わすカットになっているのだから、あのラストシーンに帰結するほどのドラマティックさをなぜ用意できなかったのか非常に残念な仕上がりだと感じた。キムタクはもっともっとかっこ悪く、ダメ人間の演技をして欲しかったのだが、まだまだ“ヒーロー”はついて回るようだ。。。
100%の正義なんてない。だから・・・。
しかしまあ濃い映画だ。原田監督ならではの厚みがある。キャスティングも監督の好みが出ていて、とくに丹野を演じる平岳大の存在感が抜群で、彼のエピソードがあるおかげで映画の筋に悪を憎む正義感の太い柱が立っている。そのせいでぎゅうぎゅうに詰め込みすぎの感も否めないのだが、丹野がいるといないとでは、最上(木村拓哉)があれほど執拗に松倉に粘着する理由も説得力が薄れてしまうのだから致し方ないところだろう。
その最上。個人的には、その行動を容認できない。なぜならば、人を裁くのは人ではなく法であるからだ。最上自身が研修生に説いていたように、強すぎる正義感はその形をゆがめるのだ。そして危険なことに本人がそのことに気づかない。「正義のために」の信念が、犯罪へと変貌することに躊躇がなくなるから怖い。だから、法があるのだ。
じゃあ、最上が行った行為はいっさい許されないのか?それとも、どこまでかは許されるのか?諏訪部(松重豊)との接触までか?別件逮捕までか?過去の事件の代わりに犯人に仕立て上げることはどうか?まさか、最後の制裁でさえ許されるべきというのか?改めていうが、人を裁くのは法であり、人はそれを運用するに過ぎない。たとえその悪人が犯した罪が明るみになったところで、それを法に照らしたうえで罪に問えないのであれば、無罪放免となるのが実状であり、それが「正義」となる。白川(山崎努)の捨て台詞は、まさにそれを憎む態度なのだろう。そして沖野も、それをわかったうえでジレンマに苦悶するからこそ、最上との別れ際にやるせない雄叫びを上げたのだ。
さてあのあと、沖野はどうするのか。最上は何を企んでいるのか。余韻はどしんと重い錨のように心に落ちてくる。僕は、めちゃくちゃブルージーな曲がバックに流れるエンドロールを見送りながら、大きくゆっくりと息を吐いていた。
期待しすぎたので…
俳優さんの熱演はわかったし、単純にそこのみを見れば楽しめるのだとも思う。けれども、なんとも消化不良で、前評判で期待していた分、残念感が増してしまった。
ベテラン検察官として多くの人間の不幸を見てきたはずの最上が、自分の周りを不幸にし、優秀な後輩の人生をも巻き込み、現実に眼の前で起きている殺人事件の解決に目を瞑ってまで犯す罪(正義)。そこに向ける葛藤がなんで深く描かれないのか不可解。
細かいことはいろいろ感じたが、テーマに繋がる心理の描写が浅くて残念。社会派映画なら、尚のこと積み重ねていく事実にリアリティが必要だと思うのだが。そして、エリートの仮面をつけつつ罪に落ちていく最上の内面の狂気をもう少し見たかった。
あとひとつ言うと、舞台で言うところの大道具や装置が気になった。ボーリング場はもっと廃れた感じが欲しかったし、別荘はもっと埃っぽさが欲しかった。そういうところが私には残念だったが、演出意図があるのだろうか?全体に乱雑なところでさえ綺麗だった。
原作を未読なので読んでみようと思う。もしかしたら原作による縛りがあるのかもしれない。
ひどい映画だったな。
無駄なサイドストーリーがある割にはメインの話が説明不足かつ中途半端。
見終わってネタバレ見ないと、なんのこっちゃわからないところがたくさんあります。
それは間違いなく理解不足ではなく説明不足。わかりようがない。
終わりかたも、は??って感じ。
キムタクブランドで宣伝してるから仕方ないかもしれないけど、なに見てもキムタク役っての、そろそろ変えませんか?見た目ダサダサにするとか、しゃべり方キモくするとか。
ニノは迫力あって良かったです。
起承転結の起承しか無いくらいの薄さ
予告編が気になったので同僚と観に行きました。
全然解決してない尻切れとんぼ状態…。
それに意味不明なダンスとチャカポコ鳴ってる音楽。
結局何一つ解決せず終わった事件。
旧友の死も無くても良かったんじゃない?
吉高由里子も別に必要なく、ニノとキムタクだけでよかった。
評価出来るところは、帰りの話題が尽きず話せた事かな。
犯罪が日常の仕事
予告編の印象から重厚になり損ねてフワフワしてしまう映画かなと思っていたら、案外エンタメ要素の強いハッキリしたサスペンスだった。
情報量の多い台詞が駆け巡り、最初はその独特のテンポに面食らったけど慣れてくると頭の中で整理しながら観るのが楽しくなってくる。
自分の正義を盲信し固執し貫く為に一線を越える者と、また別の正義によってそれを留めようと動く者。
正義とは何か?と考える余地もなく、正しさの判断は一目瞭然。
最上の行動は自分が今まで裁いてきた凶悪犯たちと何ら変わりの無い、検事でいる意味が無い、紛れもなく最悪なものであり、しかしどうしてもその執念を完全否定して切り捨てることのできないものでもあり。
沖野を通してそのジレンマを強く感じ、後を引く面白さがあったと思う。
割とトンデモな本筋ではあるけど、良い感じにぶっ飛んでいて好き。
とても残念だったのが、丹野議員に関してほぼ何も理解できなかったこと。
これは台詞を追えなかった私が悪いんだけど、丹野が何をしたのか、何をしたかったのか、何故自殺したのか、全く分からなかった…
最上との関係性くらいしか把握できず非常に悔しいので丹野を追う為にもう一度観たい気もする。原作も読みたい。
テンションの高い脚本にリアルに寄せた演技・演出が一見ミスマッチでも癖になって良かったんだけど、創作ダンス隊やセクシーな運び屋や弁護士夫婦など所々で謎の非現実感をぶち込んでくるのには少しズッコケた。
最上の家族の描写は些か中途半端だし。
橘と沖野のロマンスは良いんだけど「大人の男の流儀」という謎の概念にはピンと来なかった。
所々で引っかかる点はあれど、メインのストーリーが私好みだったのでまあ良いかと思えたけど。
二宮和也の演技が予想以上に良かった。
普段の話し方から上手いし、諏訪野との皮肉合戦の言い合いのような取り調べと、松倉との取り調べで過去の自白をした後のえげつない怒鳴り方には鳥肌が立った。あのシーンからガラッと気持ちが変わった。
よく通る天性の声質が合っているんだろうな。
あれをただ叫んでるだけと言ってしまうにはあまりにも勿体ない。
木村拓哉の、良くも悪くもキムタク感というか、いつものトーンも私は割と好き。
あまり期待していなかったぶん、想定以上の良作に出会えて良かった。
本筋には関係ないけど、後ろの方でおそらく強かん事件を担当し起訴しようとしている検事の「これだから女検事は…と言われないために厳しくするんじゃないんですか?」という台詞が胸に刺さった。
さまざま問題点もあるが、キャスト皆さんの演技+ストーリーは秀逸!
例えば検察が舞台なのにほとんど刑事の取り調べであったり、安倍政権批判的な描写が見られるがその描写がステレオタイプのイメージ的で深みがなかったり、様々問題ある映画だとは思われましたが、それを差し引いてもキャストの皆さんの演技が素晴らしく、またストーリー自体も面白かったです。
十分大人の鑑賞に堪える映画でした。
例えば警視庁のエリート刑事の話にして、今の政権批判的な描写もするならもっと具体的リアリティのある描写をするかいっそ無くしてしまった方がもっと面白くなったのではと思われました。
政権批判の点は原田監督、案外薄いな、この描写じゃとても相手の深層をえぐれないよ、とは僭越ですが思われました。
ただ木村さん二宮さん吉高さんをはじめ、出てくる全てのキャストの方のテンションの高さリアリティの鋭さは、さすが原田監督の映画の質の高さと思われました。
映像の美しさも美術の素晴らしさも良かったです。
そろそろ日本アカデミー最優秀賞も取ってもいい頃ではと思われますが、今年も万引き家族があるので難しいでしょうか‥
その為にも次に政権批判を織り込むのであれば、安倍政権支持者もうなる深い描写を願っています。
今回は正直、安倍政権に批判的な人達が内輪の自己満足的に喜ぶステレオタイプ的な浅い描写に留まっていたと思われます。
それによってその部分だけが残念ながら党派的な狭い思い込みに堕ち込んでいたと思われます。
そのどこか稚拙さ漂う描写によって、大人の映画の箇所箇所で作品の質の高さの足を引っ張っていたと思われました。
そういう意味でステレオタイプ的な正義が最後まで成されない方が今回の映画には相応しいと思われたので、ラストに逮捕されるとかされないとか、個人的にはさしてどうでもよかったです。
色々問題点も書きましたが、総じてストーリー含めて難しさもなく面白く楽しめました。
監督スタッフキャストの皆さん、重厚な作品をありがとうございました。
結論的には素晴らしく面白い映画でした。
事前の宣伝に煽られ過ぎて、さぞ物凄いキムタクとニノの正義対決が観ら...
事前の宣伝に煽られ過ぎて、さぞ物凄いキムタクとニノの正義対決が観られるに違いないと、自分の中で期待値が高まりすぎた感あり。
最大の売りと思われた対立する正義の描き方は浅く、よくある正義が対立する構図の範囲内であって、宣伝されているほどの斬新な衝撃は感じられなかった。
他の方のレビューにもあるとおり、友人政治家の汚職や、ニノと吉高由里子のロマンス、インパール作戦のくだりを省いてでも、なぜキムタクが自身の正義にあれだけ固執する必然性があったかを濃密に描いてくれた方がまだ納得度が高まったのではないかと思う。
そこに納得が足りないまま、結局は松倉容疑者と同じ殺人犯になったキムタクに、のうのうとカッコつけられて終わっても、なんだかなぁ~、と…。
そのため、ストーリーや構成には、観てよかった感よりも、残念感ばかりしかなかった。
予告であれほどワクワクした「検事でいる意味がない!」があれほどシラケる場面になっていたとは…。
あと、音楽もところどころ「?」と違和感を感じる曲調で、そのままエンディング突入なのがさらに残念感アップ。
ただ、松倉役の酒向氏の怪演と、松重氏の演じる諏訪部のキャラ立ちぶりには目を見張るものがあって観る価値を感じられた。
その1点は評価して☆1
宣伝が微妙すぎ
宣伝確かにうまい!でも中身どうなんだろう?
弁護士VS検察だと思っていたら弁護士は蚊帳の外で
社会派?体制批判?三権分立への冒涜?
最後に何か無いかと思って見ても無くただ虚しさと
戦争問題が浅く〜
これは間違いなく駄作?
別にキムタクやニノである必然性が読めない!
まあ原作読んでないのでー今度読んで見てですね
誰が為の正義
世間的にはキムタクとニノの初共演で話題だが、自分的には原田監督が描く司法の世界として気になっていた。
賛否両論。どうしても某事務所が頭を過ってしまうが、そんな色眼鏡さえ外せば原田監督らしい骨太な社会派サスペンス・ドラマ。
観る前は正直どんなもんだろうと抵抗あったが、思ってた以上に見応えあった。
若手検事の沖野はかつての教官だったエリート検事・最上の下に配属される。
そんな矢先、老夫婦が刺殺される事件が発生。
容疑者の一人に“松倉”という男が上がり、最上は異常に固執する…。
…のだが、事件発生までちょい待ち。
最初はちと退屈だった。
最上の期待に応えようとする沖野の奮闘記。最上の“ポチ”であるブローカーの聴取をするが、落とせず。(ニノと松重豊の演技バトルは見事)
最上の友人である国会議員の収賄事件。
最上に今も尚重くのし掛かる23年前の事件。
なかなか本題に入らなかったが、最上に関するエピソードは後々重石にもなってくる。
いよいよ事件発生してからは、グンと面白味が増した。
最有力容疑者の松倉。
他にも別の事件の関与の疑いもあり、見るからに怪しい。
松倉自身は完全否定。一応、アリバイもある。
かなり曰く付きの人物らしく、最上を初め警察も松倉を犯人と決めかかる。
が、本当に松倉が犯人なのか…?
そんな時、もう一人、有力容疑者が浮上する。しかも、こっちがクロの可能性が高い。
それでも松倉犯人を主張する最上。
沖野は最上にのし掛かる23年前の事件の詳細を知る。
23年前、殺された少女は最上の思い出人であり、その時容疑者として上がったのが松倉。しかし証拠不充分で逮捕されず、時効となっていた。
最上は事件の究明より、復讐を果たそうとしている…?
“正義”を巡り、最上と沖野はやがて対立する…。
キャスト陣は皆、熱演。
実際でも劇中でも先輩後輩であるキムタクとニノの白熱演技バトルは、何だかんだ言って最大の見所。
『HERO』での正義感溢れる検察官とは真逆、自身の“正義”の為にある罪を犯してしまう最上に、久々にキムタクの役者としての実力を見た。
若く、ストレートな正義感を通す沖野。松倉に罵声を浴びせる圧巻の取り調べ、最上と正義を巡って対立する苦悩、葛藤…ニノも巧演。
個人的に二人の演技対決、キムタクの方に一票投じたい。役柄的にも旨味があった。
沖野の担当事務官に、吉高由里子。単なるお飾りではなく、ある秘密を持った役柄なのだが、沖野との唐突のロマンスは蛇足であった。
松重豊、平岳大、大倉孝二、八嶋智人、山﨑努ら演技派/実力派が揃った中、誰よりも存在感と異彩を放っていたのは、誰が何と言おうと松倉役の酒向芳。
“モンスター”と称され、不気味で挑発的で、「パッ!」と立てる口音まで憎々しい。
今回の事件、容疑者でないかもしれない。が、間違いなくこの男は罪人。
そこが、“正義”を揺さぶる落とし穴。
強烈印象に残る役柄、怪演。
全く知らない役者だったが、酒向芳という役者を知れただけでも本作を見た価値があった。
原田監督の演出は、さすがに手堅い。
昨年の『関ヶ原』よりずっとエンタメ性があった。
が、『金融腐食列島 -呪縛-』『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』などにはちと及ばず。
良く言えばエンタメ寄り、悪く言えばちょっとキザっぽい演出が気になった。
エピソードは詰め込み過ぎ。
最上の正義。
沖野の正義。
二人の対立。
現在の事件。
23年前の事件。
最上の友人の国会議員の収賄事件。
司法の世界を暴露しようとするあるメス入れ。
日本に於ける司法の在り方とは…?
一応それぞれ繋がり、重みにもなっているが、一度に消化出来ないほどお腹いっぱい。
ラストは賛否両論分かれる。こればっかりはどうしようもない。
えっ? これで終わり!?…な感じ。
白黒はっきりせず、すっきりとした終わり方でもなく、何だか中途半端。
勧善懲悪、最後は必ず正義が勝つ!…という話が好きな方は不満を感じるだろう。
でも個人的には、確かに唐突な終わり方ではあったが、嫌いじゃない。
そもそも本作は、正義の答えを示しているのではないのだ。
正義の暴走。最上が犯してしまう罪は、戦慄。
最上は非常に固く強い正義を持っているが、正義というのは、人それぞれ立場や見方によってどうとでも変わる。
最上の祖父が従軍した戦争もそうだ。戦争は、正義だったのか…?
今また、間違いを犯そうとしている。
己の正義の名の下に。
一体、誰が為の正義なのか…?
沖野の最後の叫び。
見る者に、法に司る者たちに、正義の考えや在り方を問い掛ける。
裁判はないです
前半の取り調べシーンは、迫力あってなかなか良い。しかし、夫婦殺しの真犯人が現れてから、突如、木村が暴走。過去、自分が世話になった方の娘を殺すも、時効になった松島を犯人に仕立てあげるため、凶器を入手し、真犯人を殺してしまう。この行動がどうにも解せない。その後、松島も冤罪は免れるが、松重の手下に老人の運転ミスに見せかけ車で殺される。結局、二人の犯人は、裁判で裁かれず殺された訳で、検察官でいる意味がなかった。木村が逮捕されてないのも納得出来ず、モヤッと感が残った。
見応えはある
木村さんと二ノ宮さんの緊迫した捻り合いが見られるかと期待していたが、途中から、非現実的な展開に突入。付いていくのが少ししんどかった。
木村さんの演技は惹かれるものがあるのだけれど、演じる最上検事の苦悩とか狂気とか、そういう部分はそこまで真に迫って感じられなかった印象。
よって、途中から、最上検事がただ暴走している姿に少し違和感を感じた次第。
但し、木村さんの画面映えはやっぱりすごいし、画になるなと思った。また、二ノ宮さんの聴取場面は迫力満点だった。
総じて、観る価値有りだと思います。
全119件中、81~100件目を表示