検察側の罪人のレビュー・感想・評価
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70点
まだあまり劇場に足を運んでまで映画を鑑賞していなかった頃、何かの節にこの作品が目に留まり劇場でみた作品。
評価か低いみたいですが、個人的には面白かった。
どうやら声が聞き取りずらかったり、ニノと吉高由里子のタオル一枚掛かっていたシーンで物議を起こしたみたいだが私はそれに対して何も感じなかった。
ロケ地が馴染み深い所だったり、まだ映画をしょっちゅう観に行く頃じゃ無かったから多少思い入れも入っているかもしれないけど、なにやらせてもキムタクな所とか迫真的な問い詰めのシーンのニノ。それぞれの演技も良かったし感情移入も出来た。
評価に騙されないで一度見て欲しい。
松重さんのかっこよさ!
いまいち
こんな検察官はいない
つまんない
スッキリしない
ずっと見たかったんですけど上映のタイミングを逃してからDVDもなかなか借りにいけずにいたらAmazon primeで発見して鑑賞しました。
先に感想を言うとあれだけのCMや番宣映像などを流していたわりには…という感じでした。
俳優陣がよくてギリギリ見ていられた映画かなというのが正直な感想です。
どうしたどうした?となる部分が多いなと思いましたし、このシーン削ってもっとあのシーンを広げて欲しかったなーと思う部分も多かったです。
特に過去の事件の部分はもう少し濃く触れてほしいところでした。
出演者の方々のファンではありませんが、この映画はニノじゃなければキムタクじゃなければ保たない映画だと思いました。
1番スッキリしないのはラストですかね…。正直未だによくわかっていません。
この映画は全体的に視聴者に考察させる場面、察してもらう場面が多いです。単純に見ているだけでも迫力がありハラハラするので面白いですが、映画のラストでスッキリしたい方などにはお勧めできません。
個人的にはハラハラ感のあるものが好きですがもやもやしまくりなのでこちらの評価にさせて頂きました。
中盤取調室の二宮和也の激演。
期待が大きすぎた
二宮、吉高、松重、芦名などがよかった。キムタクの抑えた演技、間の取...
二宮、吉高、松重、芦名などがよかった。キムタクの抑えた演技、間の取り方はやっぱり魅力。でも、脚本にいまいち乗れないところがあった。素っ頓狂な犯人やヤクザの演技は良かった。いまいち、何が撮りたかったのか、エンタメではあったのだろう。
内容が難解
原作未読。キムタク、ニノ、吉高と演者の熱量は感じる。3人ともすごく上手い。吉高ちゃんはドラマ女優としてより映画の世界のが合う。松重豊や矢嶋智人、大倉孝二、脇を固めるキャストも良い。故 芦名星さんは運び屋のちょい役だったけど、やっぱり綺麗な女優さんと改めて感じた。
大倉孝二のクズっぷり、殺され方も良かった。一撃し絶命しないあたりリアリティがあった。
ただ映画の評価としては残念、惜しいの一言。まずストーリーが難解。台詞回しが早口で恐らく初見で全ての内容把握できた方はいないのでは。原作の内容を色々詰め込み過ぎて、魅力が削がれている。演者の熱量で充分魅せられる映画だと感じただけに勿体無い。もっと極力シンプルにできたら評価は変わる映画。最後のニノの終わり方も違うよね。映像化したらこれでは無いとなるはず。もう少し惜しい映画
本当の正義って…
自分は若い頃に芝居やってたことがあります。嵐のファンですが、中でも、アイドルとは言え、演技力がずば抜ける二宮くんのファンでこの映画に興味を持ち鑑賞させて頂きました。主役は木村拓哉さんなので、ニノの台詞はそう多くはなかったですが、被疑者をまくし立てる長台詞のド迫力に、さすがニノやなと思いました。
ストーリー的には分かりにくい部分も多く、釈然としなかったですが、本当の正義たるものを考えた時、例えば自分が我が子を奪われた場合とか、自分も木村拓哉さん演じる検事さんになってしまうやろなと思いました。自分にとっての正義が必ずしも万人が思う正義とはならないということ。ましてやそれが法のもとで働く人間となれば、法律は絶対です。そういう意味では考えさせられる映画なんかな?と思いました。木村さん、ニノちゃんお疲れ様でした。
見入っちゃう感じ
珍作
きっと、キムタクをカッコ良く描きたかったのでしょう。
正直言って、つまんない映画です。
つまらない最大の理由は、ケレンを作って、作ったケレンを回収するだけの単線的なストーリーに堕しているから。
なので、ストーリーを気にせず、細かいディテールだけを楽しむ分には、よろしいのではないでしょうか、と思いました。
吉高由里子さんは、難しい役柄を見事に演じていて立派。
実生活でこんな女性と出会ったら、きっと恐ろしくて死んじゃうかも。
松重豊さんも、怖い。
重要な役柄で、しかしいったい何者なのか、どうしてこんなことをするのか、結局のところ、理解に至りませんでした。
松倉役の酒向芳(サコウ・ヨシ)さんは、演劇界の人で、映画にはほとんど出たことがない人だそうです(調べたばかりの受け売りですが……)。
しかし、この不快きわまりない人間像を完璧に演じていて、素晴らしかったです。
キムタクは、実は損な役柄で、それなりにこなしていましたが、ストーリーそっちのけで気になったのが、目の下に、ゴルゴ13のような「八」みたいなシワが出来ていたこと。
そろそろ自分で思っている「頭のいいキムタク」を演ずるのを終わりにして、外から見られている自分になり切るほうが、ずっと良い演技ができると思うのですよ。
「キムタクという仕事」をするのはキムタクだけ。
もちろんその通りではありますが、他の役者と共通の地面に立って「役者という仕事」にチャレンジしないと、そろそろ賞味期限切れになるのではないでしょうか。(と、たとえ本人が思っていても、事務所が許さないかもですが)
いずれにしても、ホントつまんない映画で、ディテールを楽しむしかないとは申しましたが、ディテールと言っても、しょせん作り物の嘘八百なんですけどね。
めまぐるしい。すごい。
原田監督の映画は情報量が多いです。
すなわち登場人物の言動/行動が速くて頻りなのです。ときに同時多発も起こります。
加えて全員が饒舌なうえ、ダイナミックレンジが広いため、セリフを聞き逃すことがあります。
さらに、回さないで寸断する編集が、目まぐるしい印象に拍車をかけています。
しかも、演出力は豪腕です。
スコセッシのようにぐいぐい引き込みます。
乱暴な言い方ですが是枝監督に娯楽性をプラスした感じです。リアリティにエンタメ性が加わるので、豪腕の形容がしっくりするのです。
加えて全然遅い監督ではありません。
素人なりに原田監督の特徴を二三挙げます。
①つ目にはセリフのセリフっぽさを払拭する、があります。
セリフがまるで偶然拾ってしまった音声みたいな現実感を帯びるのです。
佐々幕僚長も後藤田長官も昭和天皇も阿南大佐も鈴木貫太郎も伊上とその母や娘も信次郎とじょごも、かなり日常的な言葉遣いをしていました。振りかぶらないのがとてもリアルです。
突入せよ!「あさま山荘」事件で、現地入りした佐々(役所広司)が、宿舎に戻り、ブーツを脱ぐシーンがあります。紐靴であり、氷点下の雪道を歩いたそれは、凍っていて解けない(ほどけない)のです。それで、県警の女子所員が、靴に湯をかけるのですが、その習慣と理由を知らない佐々は、いきなり足下へお湯をかけられて、たじろぐわけです。
かなりびっくりしながら「ああ!な、なに?なに?なに?」と言います。
個人的にこのセリフまわしに感心しました。映画の登場人物のセリフといえども、それがたとえ幕僚長でも、あるいは天皇陛下でも日常性を逸脱しないわけです。どの映画にもそんなセリフまわしが頻々とあります。
②つ目は特徴的な人物像です。<キャラクタライズ>です。
人に癖っぽさを加味するのですが、他の映画がこれを疎かにしているせいで、とても目立ちます。
金融腐蝕列島ではペットボトルからやたら水を飲む女性アンカー/若村麻由美が出てきます。
あさま山荘では本営も地元もみな特徴的でしたが、間抜けな県警の荒川良々がいい味でした。
母の記では片っぽの鼻穴ふさいでびゅっと鼻汁を飛ばす真野恵里菜が素敵でした。
RETURNでは姉御の赤間麻里子が強烈でした。
いちばん長い日だと本木雅弘の昭和天皇が新解釈だと思います。
駆け込み女では陽月華。ごねる信次郎を「カァー」っと一喝する場面がいいです。また東慶寺で下女として働くお種は、あのきれいな松本若菜なのですが、役回りゆえずっと顎をしゃくっていました。
検察側の罪人では人工喉頭をくっつけて話す殺し屋/芦名星が役得でした。容赦のない憎まれ悪役/酒向芳も際立っていました。また、何気に禅坊が外国人だったりします。
要するにディティールへの腐心です。いうなれば──松本若菜にずっと顎しゃくらせているような──細部へのこだわりが認められます。
分かり易く比較すると、たとえば園子温には独特な人は出てきません。たんに過剰なだけです。反して原田眞人は独特な人を扱っていると思います。
③つ目は編集です。
ここ数作は息子/原田遊人の手になっていますが、基本的に回さないでぜんぶ割ります。思い切った場面転換が、小気味のいいテンポを付与しており、殆どロジャースポティスウッドといって過言ではありません。原田映画の特徴です。
代表的な特徴を挙げましたが、それに加えて状況の妙味です。
たとえば丹野議員が自殺する場面では、東風万智子がすげえ勢いで怒っています。その葬儀では前衛舞踏が演じられ、ぼっけえみたいなメイクの親族が躁状態で泣訴しているのです。
いったい何なのか?と思える「状況の妙味」と「躁状態」がスクリーンの躍動に変わるのです。
加えて、それが昔どこかで見たことのある女優──東風万智子の起用は、計算づくのはずです。意外性(のある俳優)を掘り出して意外なことをさせるのも原田映画が備えている興趣です。
あるいは、たとえば最上が帰ってくるといつも妻が二胡を弾いています。二胡が妙味です。
映画の登場人物が我々の通俗的な固定概念を裏切るとき、それは「面白い」のです。
また、本作ではレストランやタワーマンションやスーツに、垂涎の高額所得+都市生活が垣間見え、楽しかったです。
個人的には最上の正義感も沖野の正義感もよく理解できました。二人の正義感を両立させた結末は見事であり、鮮やかな終幕だったと思います。
いずれにせよ比類のない世界であり、圧倒的に面白い映画体験でした。
ただ主演が人気者ゆえ仕方がないのかもしれませんが相対批評には負のバイアスが感じられました。
しかし正直なところ、この映画で見た二宮和也の啖呵は、私の映画視聴歴のなかでも終ぞ見ない烈火シーンでした。深作にだってあんな長い台詞での罵倒シーンはないと思います。それをあの端正な童顔でやるわけです。完全に圧倒されました。
二人とも何十年と俳優としてキャリアを積んできて、未だもってなお、出自をだしに演技力がどうこうというレベルで語られてしまうのも、気の毒なことだと思います。
ん?マジこれ?
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