「もっとシンプルに描いてほしかった」検察側の罪人 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとシンプルに描いてほしかった
予告編から、正義を巡る考え方の違いから検事が対立する構図が描かれると期待して、鑑賞してきました。まあ、確かにそうなのですが、予想とは少々違い、「双方に正義があり、どちらにも共感できる」というものではありませんでした。それでも、中盤以降は緊迫感が増し、ぐいぐい引き込まれ、それなりに楽しむことができました。
しかし、問題はそこまでの流れです。重苦しい空気の中、セリフだけで淡々と進んでいく印象で、描かれる内容も難しかったです。その上、木村拓哉さんのいつもの演技のおかげで肝心のセリフも聞き取りにくく、正直おもしろくなかったです。もう少し映像でわかりやすく見せてくれるとありがたかったです。結局、前半の内容を十分とらえきれていなかったせいか、中盤以降の政治や恋愛がらみのシーンが不必要に思えてしまいました。
多くの要素を盛り込んだために、登場人物も多く、話が込み入り、結果、人物を深く掘り下げきれず、内容の上でも消化不良だった印象です。木村さんも二宮くんも演技はうまいし、ベテラン俳優陣がわきを固めているので、余分なものを排除し、正義を巡る、最上VS沖野の構図だけで描けば、もっとシンプルでおもしろい作品になったのでは…と思ってしまいました。
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