ボブという名の猫 幸せのハイタッチのレビュー・感想・評価
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人間以上の親友猫
ルークトレッダウェイ扮するストリートミュージシャンジェームズボーエンは、薬物にも手を染めどん底の生活を送っていた。更生を求めているが支えが無かった。ケアマネの好意で家を与えられたところ猫が迷い込んで来た。ジェームズは猫の飼い主を探したが見つからず、ある日ケガをしていたボブという名が付いた猫を引き取った。ジェームズはボブに必死に薬を飲ませた。実話だそうだが本物のボブが出演していたうだ。ネズミを狙うボブのくだりやバスに乗るシーンなど凄いカメラワークだったね。ボブのおかけでストリートでも調子が良くなった。人間以上の親友猫になってくれたね。
チャンスを与えてくれたボブ
人は皆平等ではない。 あることがきっかけで道を踏み外してしまい転げ落ちるように転落していくこともある。 厳しい人生に何度も立ち向かい、諦めずに生き抜こうとする人に幸せへのきっかけが舞い降りることもある… そして心ある行動がチャンスを与えてくれる。 自分よりも愛する誰かを守れる強さは素晴らしい。
猫と人間の温かい絆を素直に写実したノンフィクション映画の心地良いタッチとリズム
心が温まる映画。ヘロイン中毒のジェームズというイギリス人の若者が周りの優しい人々に囲まれ勇気付けられ更生するヒューマンドラマの側面もあるが、それ以上にジェームズのピュアな性格を引き出し、麻薬漬けの生活から生きるための日常を取り戻させる茶トラの猫ボブとの絆が作為のない自然なタッチで描かれている。原作者ジェームズ・ボーエンの『Street Cat Named Bob ; And How He Saved My Life』(2012年)が出版に至るまでのストーリーを、ドキュメンタリー映画のように演出したロジャー・スポティスウッド監督のノンフィクションドラマで、このカナダ人スポティスウッド監督の経歴がユニークだ。「わらの犬」のサム・ペキンパーや「熱い賭け」のカレル・ライス、そして「ストリートファイター」のウォルター・ヒルと第一級の監督作品の編集を担当してから監督になった珍しいキャリアを積んでいる。どちらかと云うと硬質な演出を得意とする監督たちとは違って、この映画のスポティスウッド監督は、短いショットを繋いでジェームズとボブの日常を丁寧に描写している。そのモンタージュに独特な映像のリズムとタッチがある。特に要所要所でボブの視点からのショットを絡ませ単調なシーンを補い、またボブと鼠の追いかけっこショットをサービスするユーモアもある。技巧的に優れていると云うより、あくまでノンフィクションに即したリアリティの映像を心掛けた、その意味では計算された撮影と編集の、より身近に感じられる映画だった。エピソードでイギリス的だと思ったのが、ボブが逃走して行方不明の切っ掛けになる、お金持ち風の婦人が子供がせがむのに折れてボブをお金で買い取ろうとするところ。ここに上流階級へのささやかな批判が感じられる。 日本と違って、ロンドンの路上生活者の現実は、麻薬の誘惑も含め想像以上の過酷さが見て取れる。階級社会と個人主義のイギリスにあって、自己責任で判断され片付けられる。弱毒薬物のメサドンを利用した更生プログラムなんて、このような映画を観ないと知ることはないだろう。弱っている人間のところに犯罪が蔓延り、それを金儲けにする組織が蔭で繁栄する現実にも、何か納得できない社会の現状を感じないではいられない。 主役のボブがジェームズ演じる主演ルーク・トレッダウェイに懐いて好演。一人の登場人物の存在感と威厳のある眼差しがいい。ジェームズの親切な隣人ベティを演じたルタ・ゲドミンタスのヴィーガンらしさ。父親がリトアニア人の変わった名前で、容姿も個性的だが演技は癖なく素直な印象。ソーシャルワーカー役のジョアンヌ・フロガットと共に、トレッダウェイとの演技のバランスはいい。 誰もが猫を飼ったら、更生できる訳ではないだろう。ジェームズの様に、生い立ちのトラウマから自立して、他人からの好意に応える自信と覚悟を持ち、誰よりも自分を必要とする(人)を大切にする優しさがあれば、奇跡が訪れるかも知れない。それがジェームスの場合、ボブと名付けられた野良猫だった。ボブは、2020年の6月15日に惜しくも亡くなり、銅像がロンドン北部の公園のベンチに設置されたと云う。享年14歳。最後まで人と生き物の温かい友愛が感動的なお話で、心が和みます。採点は、ボブ君に★半分追加します。
猫で釣っているわけじゃない
見てからだいぶ経つが、この映画におやっとなったのは監督のクレジット。 映画を遡って、サムペキンパーを履修した人なら、かならずロジャースポティスウッドという名を見かけたはずである。 ただし、いつ見ても、だれの映画で見ても、ずっとエディターだった。 その古い名前を、ひさしぶりに、監督として見かけたのだった。 編集で名が売れた珍しい人だった。──との記憶がある。その後ペキンパーの後継者ウォルターヒルの48時間で脚本にまわった。 いわばアクション映画の巨頭から学んだ筋金入りの職業映画人である。 猫補正または犬補正、あるいは小動物補正──というマーケティングがある。 ひとの目を惹きつける3つのBがある。 ひとは3Bをクリックするように創られている。 Beast、Baby、Beauty。 ネットにころがっている猫の動画に、わたしもついつい誘われる。 しかし動物のかわいさに依存しているドラマは個人的には白ける。かわいけりゃいいという輩もいるかもしれないが、わたしはかわいいに屈しない。(キリッ) 海外には動物(または婦女子など)がかわいいことによって、ドラマ・映画のクオリティを寛恕しうるという構造=萌えがない。 たとえばギフテッド(2017)という映画がある。 マッケナグレイスと隻眼の猫フレッドで、日本市場向けの「萌え」は完遂している。しかし、ギフテッドはドラマもしっかりしていた。ようするに「かわいいんだからクオリティは甘く見てね」とは言っていなかった。 逆に言うと、クオリティを確保できない日本のドラマ・映画が、小動物に依存することを猫補正とか~補正と言う──わけである。 よって、この映画は日本市場では、補正含みで捉えられ、好評を獲得したわけだが、じっさいの真価はスポティスウッドの演出にあった。 まさにエディターが撮った映画。映し過ぎず、適時で場面転換し、シーン中も頻りに割ってくる。いちども長回ししない。巧みに猫視点が挿入される。中毒者にとって難所となるメタドン抜けも苦悶と猫の数カットだけで描写してみせた。編集が、まさにアクション映画のそれであり、映画に決定的な活気を与えていた。それもそのはず。なんたってペキンパーの編集人やってたひと。 猫を狂言回し的に用いながら、実は、しっかりした人間のドラマになっているところが、この映画の光るポイントだと思います。
ボブが名役者
場面の節々で「ボブ…何でいい子なの…」となった。 利己的で厄介な人間に振り回されたり、物事が上手く働かない時でも、自分に屈せず、薬の誘惑に打ち勝って欲しいと切に思った。 それにしてもボブ、ジェームズの救世主、最高のパートナーだけでなく、映画の中でも表情豊かで、おとなしくて、アカデミー賞主演男優賞ものの名演技でした。 ジェームズが断薬に挑むと同時に、ベティも兄と決別する事ができて良かったと思う。 続編にも期待。
ボブという名の猫
猫が可愛い。猫あるあるが共感できる。 人間同士の繋がりの映画、プラス猫との繋がりの映画。 最後関わった人が何人も出てくるのは王道だけど感動。 「誰にでもセカンドチャンスは訪れる。 けどそれを逃してしまう人が多い。」
ボブが丸くて可愛い!!
ボブが丸くて可愛いです。歌の感じも良かったです。主人公は弱く、また女無しでは生きられらない感じで共感はできませんでしたが、自分ももっと女に頼って良いのかなあとも思いました。ヘイトを集めでも、父親の新しい家庭に何度も顔を出しているのも興味深かったです。後半、ボブを書い取ると言って来たBBAに、子供を買い取ると言い返したのは良かったです。
人は一人では生きづらい
この映画はただの猫好き映画ではない。 人が再生するのに沢山の人の手助けがあり、それがボブをきっかけに広がっている。 一人が幸せになれば、その周りも幸せになる。 それが縁。縁はいつか円になり、いっぱいになると円満。 何故か最後に涙が止まらなかった。 ありがとう、久しぶりにいい映画に出会えた。
ボブがニャンとも言えないかわいさ
実話を基にしたお話。薬物依存を治療中のストリートミュージシャン・ジェームズは、依存から脱するべく歩みを進めては転落する日々を繰り返していた。
そんなある日、彼の下に茶トラの猫がやってきた。飼い主を探せど見つからず、ボブと名付けて成り行きで共に暮らすことに。
昨今は映画に出てくる動物は精巧なCGが多いなか、ボブを演じる猫は本物の猫。しかもボブ本人(猫)!!
演技を仕事とする猫じゃないのにその演技はとても自然で驚いた。
ボブのおかげで断薬を決意するジェームズ。
依存症患者にとって断薬は離脱症状のせいで精神的にも肉体的にも辛いもの。それを乗り越えないと依存症からは脱却できない。
苦しむジェームズの傍にボブはただいるだけ、慰めも励ましもしない。そりゃもちろん猫だもの。でも、社会から脱落し孤独に生きてきたジェームズにとって、ただいるだけの存在はとても大きな光だった。
一人じゃ立ち向かえないとき、そっと誰かが傍にいてくれるだけで助かることがある。
その誰かが決して話せなくても、手を貸してくれなくても。傍にいてくれる存在のありがたさを再認識できる映画。
検索すると出てくる、サイン会で寝てしまったボブの姿や実際にはハイタッチする動画が可愛くて癒される。
招き猫。
迷い込んできた猫ちゃんとの出会い。 ドラッグを断つことが出来なかった男性が猫と関わって生活が大きく変わり人生を出直すことができた。 猫が可愛いくて頭が良くてこんな猫がいるの? と思いました。実在した話です。 人生。何に救われるかわからないですね。 幸運をもたらす。猫のボブ。 これからも、ふたり?仲良くね。
だれかと寄り添うことで。
人間は独りだと、人生を丁寧に前向きに生きることはできない。 だれかのために…!ほどの大袈裟ではなくとも、 誰かと触れ合うことで、丁寧に生きていけるのだと感じた。 大切にしていきたい作品です。
言葉を交わせなくても いるだけで大きな支えになる猫 猫だけじゃなく...
言葉を交わせなくても いるだけで大きな支えになる猫 猫だけじゃなくて犬も他の動物も 飼い主にとっては同じ 薬物の辛さはわからないけど ジェームズは本当によくがんばったと思う。 ボブもジェームズも幸せになれて良かった。 猫目線のシーンはうちの猫もこんな風に 見えてたのかなって想像しちゃったし 私も辛い時はぎゅって抱きしめるだけで 癒されたなぁ。
実話を基にした猫との友情、再生の物語
動物のハートフル映画が観たくて鑑賞。 ホームレスでジャンキーの青年が、ボブという名の猫をきっかけに人生をやり直すという、実話を基にした心温まる映画。 まず猫のボブが可愛すぎる、演技うますぎる、猫とは思えない忠実で誠実な行動の数々に、嘘でしょと思う∑(゚Д゚) しかも俳優猫ではなく、本猫出演とか! CGかと思った。きっとスタントマン猫もいるに違いない。 ずっと猫とは思えない忠実さで、お行儀良くしてたのに、急にジェームスの実家では暴れたりしたのは謎。 あと一切みゃあともニャアとも鳴かないのも不思議。(CG疑惑(笑)) そんな些細な疑問のほかは、ロンドンの美しい風景と、また、逆に売人や悪意の汚いところも描きつつ、やっぱり心温まる良い映画でした。 ジェームスの肩に乗り、マフラーみたいになってるボブ、ギターの上に乗るボブ、人と猫の友情、こんな光景みたら、誰でも足を止める。 まさにリアル招き猫。 一番印象深いのは、ジェームスがケアワーカーに語る断薬の決意。2人なら乗り越えられると。 ボブといるようになって、初めて、これまで触れたことのないような人々と触れ合い、「よろしいでしょうか?」とか、丁寧に話しかけられたと。 ボブがジェームスにもたらしたのは、単にその可愛さで、路上ライブの観客を増やしたとか即物的なことではなく、もっと大切な、 他人への敬意と尊敬、丁寧に接すること、人の善意を信じられること、 それが、ジェームスに立ち直る勇気を与えたのだというこれこそが、本作の何よりの肝だと思う。 ただただ猫が可愛いだけの映画ではない。 どん底まで落ちても、誰かの助けがいるかもしれないけど、支えてくれる愛情があれば、それが猫のものでも、立ち直れる、素敵な映画でした
幸運な人はどうして幸運を掴めたのか?
「誰にでもセカンドチャンスは訪れる」のセリフ、素敵な言葉だなと思いました。 幸せな余韻が残りました。社会的弱者と言われる人達を考えるきっかけやうまくいかないと感じる時に支えになる内容だと思うので、ぜひおすすめします。 薬物依存を治すシーンはリアルなので、未成年はそこだけ飛ばして観て欲しい! この映画のいいところは、一見、ジェームズがボブに出会えた事で簡単に幸運を掴んだように思ますが、ジェームズは野良猫のボブが大きな傷を負った時に見捨てないで、自分の食費を犠牲にしてボブの薬代を支払っています。 幸運のきっかけがやって来た時に掴む事が出来るのは、優しさなのだなと思いました。 私なら絶対に支払ってない…。 ジェームズはボブを金儲けの道具と思っていない事が伝わります。大切なパートナーとして、思いやりを持って接しています。 また、ジェームズは父親から粗末に扱われても恨み言のひとつも言わず感心しました。 ホームレスというマイナスのレッテルをボブが外してくれて、人が近づいてくれるようになり、その人たちとのポジティブな交流が出来たのはジェームズの人柄なんだろうなと思いました。 まさかまさかの、ボブがボブ本人だったなんてびっくり…。 なんて賢すぎるんだろう!! 余談ですが、少し前にネットでビッグイシューの記事を目にし、興味を持ったので初めて購入してみました。 たくさん人通りがある場所でだったので、勇気が入りましたが、販売者の方はとても良い方で購入してよかったです。 今までは何に関しても興味を持っただけで終わっていたので、これからはそこから行動するのに繋げたらいいなと思います。
【猫の恩返しって、余り聞いた事がないけれど実話である事に驚き、暖かい気持ちになった作品】
ドラッグの更正プログラム中のジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)が、更正担当者から与えられた住居に迷い込んだ茶トラ猫”ボブ”の不思議な力(としか、思えない)により、ストリートで演奏すると、大盛況。”ビッグイシュー”を街角で販売しても売り上げ抜群・・・。 猫が取り持つ人と人の繋がりの暖かさを素敵なタッチで描いた前半のビターテイストが効いているハートウォーミングな物語。 イギリスの観光名所や下町の姿を背景にジェームズとボブが一緒に暮らし、徐々に生活を立て直していく姿と彼らを取り巻く人々(更正担当者:ヴァル(ジョアンヌ・フロガット)、近所の女性:ベティ(ルタ・ゲドミントス:魅力的)、ジェームズの編集者:メアリー(キャロライン・グッドオール)達が実に優しい姿が観ていて気持ちの良い作品。 <2017年10月14日 劇場にて鑑賞>
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