テルマのレビュー・感想・評価
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「二面性」あるいは「相反する性質の同居」
主人公テルマは生物学を専攻する大学生。
量子力学の講義では「光の粒子性と波動性」が言及されることによって、「二面性」が暗示される。
テルマは生命の起源について神を必要としない説明を好む一方、父の導きによって、キリスト教の規範を深く身につけている。禁酒、禁煙、禁欲(異性愛)。
ところが旧約聖書の「楽園追放」さながら、彼女に"蛇"が忍び寄る。アンニャは、同性愛、酒、タバコによってテルマを誘惑する存在である。
幼少期から身につけてきたキリスト教的価値観と、反キリスト教的快楽による誘惑とのあいだで、主人公は揺れる。同時に、テルマの身に起こった痙攣発作の原因について、科学的説明の探求と、超自然的説明の探求が(観客のなかで)並進する。主人公はまた、両親に対して相談することもあれば、隠すこともある。信頼することもあれば、秘密のままにしておくこともある。これもまた、二面性かも知れない。
しだいに明かされる主人公の秘密は、公平でもなく、また善や悪のどちらか一方に全面的に加担するわけでもない。キリスト的(キリスト教的、ではない)側面も、悪魔的側面も備え持つ。本人の欲求にしたがって用いられる、人間的なものである。善行にも使えるし、自らの欲望のためにも使える。善意も欲望も併せ持ち、共に自分で制御しながら、テルマは自らの人生を選択していくのだろう。
怖い目覚め
キリストは…サタン!?
タイトルは劇中、敬虔なクリスチャンのヒロインが出来たばかりの友達と ワルぶってやる言葉遊びから。
北欧(ノルウェー)が舞台のため、自然の描写も街並みも 冷たく、また整理されたイメージの画が多くて綺麗です。
ヒロインは真面目な子なので派手な服装やメイクはしないんだけど 顔立ちが可愛い!
物語自体は『キャリー』とか『クロニクル』を彷彿とさせるんですよね。
親に抑圧されて育った 陰キャで非コミュ気味な主人公が、同年代の友人を得て年相応の楽しみや開放感を得るものの、その楽しい日々は あるきっかけ(大抵、家庭内不和など)で脆くも崩れ去り、惨事が起こりカタルシスが訪れる…
まんまそんな感じです。上記、2タイトルを挙げたのでネタバレにしました。
やっぱり過干渉な親は良くないな〜
ヒロイン、テルマの両親は、過干渉にならざるを得なかった理由があるので同情するんですけどね…
でも、味わいや結末は全く違うので 少しでも気になったら観てみて欲しいです!
ヒロインの決断が独特の後味を残します。
4つけようか悩んだものの、光の明滅シーンが辛かったし ラストが 人によっては解釈に悩んでスッキリしないかな?と3.5。
オスロのオペラハウスシーンは 美麗な現代建築が最高のロケーションで、物語の中でも特にお気に入り❤️
ノルウェイの森に潜むもの
少女から大人へ
大学デビュー
主人公は田舎から都会にでてきたばかりで厳格なキリスト教徒の両親を持つ少女、テルマである。
最初に言っときます、ホラー映画ではないです。強いて言うなら「キャリー」みたいな感じの映画です。物語としてはテルマが大学で友人と接するが、その過程中に不可解な現象が起きるといった流れである。予備知識としてはキリスト教がどのような宗教でどんなことを罰していることなどをわかっていたらよりこの映画をわかりやすくなるはずに違いない。
この映画は簡単によめないストーリー展開や、映画音楽、そしてテルマを演じたエイリハーボー始めキャスト陣の演技が素晴らしかった。
ただ演出の都合上、画面が暗かったりフラッシュの連写などのために目が疲れやすくなるので注意してもらいたい。
個人的には今年の映画のトップ10に入るぐらいよかった。
このジャンルはホラーか?
キリストはサタン
じわじわと怖い
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