リュミエール!
劇場公開日:2017年10月28日
解説
「映画の父」と称されるリュミエール兄弟が遺した膨大な作品群からセレクトした映像で構成された、リュミエール兄弟へのオマージュ作品。1895年12月28日パリ。ルイ&オーギュスト・リュミエールの兄弟が発明した撮影と映写の機能を持つ「シネマトグラフ」で撮影された映画「工場の出口」など10本の作品が世界初となる有料映画上映会で上映された。1本の長さが約50秒という短い時間ながら、それぞれの作品で取り入れられた演出、移動撮影、トリック撮影といった撮影テクニックは、現在の映画の原点とも言われている。カンヌ国際映画祭総代表で、リヨンのリュミエール研究所のディレクターを務めるティエリー・フレモーが、リュミエール兄弟が1895年から1905年の10年間に製作した1422本の短編作品から108本の作品を厳選し再構成。4Kデジタルによる修復を施し、90分の作品として完成させた。日本語吹替版ナレーションを落語家の立川志らくが担当。
2016年製作/90分/G/フランス
原題:Lumiere!
配給:ギャガ
スタッフ・キャスト
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2021年2月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
1920年頃からの名作と呼ばれる映画を年代順に観ていこう!と思い立ち、その旅路のスタート地点として本作を選んだ。
結果として、その選択は大正解であった!
「絵画や彫刻の起源を知ることは叶わないかもしれません。でも、映画がどこで始まったのかは明らかです」と、ティエリー・フレモーは言う。
動画を見せる機械ならば、リュミエール兄弟以前にも複数の発明者が存在する。いや、リュミエール兄弟が開発したシネマトグラフも、ただそれだけでは「一度に大勢が鑑賞出来る動画機械」に過ぎないのだ。
1編約50秒のリュミエール作品群には、構図、アングル、演出、喜劇、悲劇、サスペンスなど「どんな話をどのように撮るか」「どう撮れば最良の映像が得られるか」という発想がすべて現れている。映画を通して世界を俯瞰する視点すら、彼らはすでに持っていた。
フレモーはそれらを「映画の言語」と表現したが、なるほど、それこそがまさしく「動画と映画を分けるもの」ではあるまいか?
フレモーの名編集と名解説によって、リュミエール兄弟を「映画の父」と呼ぶべき明確な根拠を得た。
「映画とは何か?」という問いに、私なりの回答が見つかったように思う。
これまでチャップリンやフリッツ・ラング、ジェイムズ・クルーズなど大正時代の作品も多数観てきたが、「リュミエール!」によって得られた知見に照らす事で、また新しい発見が出来た。
映画の歴史が僅か120年程度であると、自分の中で腑に落ちた事も祥報だ。これならば、前半60年分程度については名作と呼ばれる作品や人気の高かった作品に絞って選択していけば映画史を追体験していく事は可能そうだ。
今後の長い旅程に先駆けて、最良の灯りと磁石を与えてくれた本作品。
リュミエール兄弟とティエリー・フレモー監督に敬意と感謝を込めて星5としたい。
2020年7月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
50秒の映像をひたすら流すだけなのだが、監督の解説ナレーションのガイドがあるので見所も分かって楽しい。
単なる街の人々を撮ったドキュメンタリーのようで、ちゃんと演出が入っていて50秒でもちゃんとドラマだ。
ファインダーなしで撮ったとは、そのセンスには驚く。
サンサーンスの音楽が良かった。
2019年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ー ”シネマトグラフ”を発明した、リュミエール兄弟が遺した膨大な作品群からセレクトした映像で構成された、リュミエール兄弟へのオマージュ作品。ー
・彼の有名な「工場の出口」「列車の到着」も含めた108本の短編を飽くことなく魅せる当時の貴重な映像と、立川志らくの絶妙なナレーションで魅せる90分のドキュメンタリー作品。
・”映画の全ては、ここから始まったのか!”と感慨深く鑑賞した。
ー この作品のパンフレット(特に収められた写真の数々)が、私にとって宝物となった事はいうまでもない。ー
<2018年1月5日 旅先の反権力の気風高い都市のミニシアター、”京都シネマ”にて鑑賞>
2018年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
「映画の父」の映像を存分に堪能。50秒しか映せなかったんですね。この120年あまりの技術の進化に驚く。と、同時にこの映像の人たちはおそらくもう誰も存在してないのだろう、とも思った。人間とは儚くも逞しいものですね。
演出等、しっかりしていて今見ても十分に作品なのが凄い。当時の文化も窺い知れる超貴重映像です。
なんだかチャップリンが見たくなって来ました(笑)
二本立て二本め、これまたちょうど良い長さ。