「テクノロジーの使い方」ザ・サークル chakauooさんの映画レビュー(感想・評価)
テクノロジーの使い方
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サスペンススリラーを期待して見ると、全くそんなことはなかった映画。
ただ、現代人を取り巻くコンピュータ技術に対して考えさせられる内容であった。
主人公は、
「知識を得ることは基本的人権である、
秘密にすることはそれを奪っているのと同等だ。
だから私は全てをオープンにします。」
的なことをプレゼンで語っている。
一方で秘密を提供する側の人権はどうなるのか?
という疑問を持ちながら最後まで見ると
ラストでこれからテクノロジーと共にどう生きて行くべきなのか、
というメッセージを感じる気がする。
サークルのCEOたちの悪事が特にフォーカスされなかったことで、
世界をよくする目的のために、
決して悪気なくフォーカスしていない人々の人権を侵害していく描写が際立っていた。
分かりやすい悪がないことで、現代が危うい状況にいるという怖さを感じることができた。
テクノロジーによって世界は便利になり、全ての人を平等へ導いて行くけれど
その使い方によっては自由を奪い不平等を生むのではないか。
新しいサービスを開発して与える者、
ユーザーとしてサービスを与えられた者、
双方がテクノロジーに操られてはいけないし、
その脅威を理解しなくてはいけない。
「IT」って言葉を容易に使い、
簡単に誰でもテクノロジーに触れる時代となっている今、
扱う人間のモラルへの警笛に思えた。
ただ、なんでサスペンススリラーで宣伝したんだ!
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