あゝ、荒野 後篇のレビュー・感想・評価
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前編よりも
前編よりもダラダラした印象は否めなかったですが、俳優はやっぱり素晴らしかったです。新次とバリカン建二の純粋さ、荒廃した外の世界(社会)、ラストはやっぱり悲しくて、なんでそうなるんかなぁと思いました。
残念ながら…最低!
俳優陣の頑張りは本当に素晴らしいと思う。
でも、それが台無しになるくらいに内容がヒドすぎて、もう最悪、最低。怒りが込み上げてくる。
まず、良かったトコロ。
主役の2人(菅田将暉、ヤン・イクチュン)の演技と身体作りは本当にすごい。特に菅田将暉の減量とその結果で見せる筋の浮き上がった筋肉は、ホレボレするほど。
木下あかりと他2人の脱ぎっぷりも素晴らしい。ただ、私は木下あかりをカワイイとは思わなかったけどね(笑)
で、悪かったトコロ。
1.自殺サークルの件、要らない。ノイズすぎる。本編との関わりは?
2.東日本大地震、福島の件、要らない。ノイズすぎる。
3.健二の親父(モロ師岡)が、マジで要らない。何がしたいの?目が見えなくなった?って、知らんがなッ! ツベコベ言わず、病院行けよ!
4.バリカン健二に恋する妊婦。この人の行動も意味不明すぎる。なんで好きになったん?もう、自殺サークルとの接点を持たせるために、無理矢理の設定にしか見えない。ゲンナリする。
5.木村多江が、息子のシンジと再会したとき、「ゴメンナサイ」の言葉がない。また、その後も謝る気配がない上に、無かったことにしようとしつつ、関係修復をしようとしている。
…悪い所は挙げていればキリがないほど。
1.2.は、描くのを否定をしているのではなく、描き方が下手すぎるから、こんな表現しかできないなら描かない方がマシ、と思う。自殺・福島が記号的すぎて、「気にしてますよ。この映画って社会派でしょ?」とアピールしているように見えてしまう。
せっかく、『ボクシング×命×魂の叫び』みたいなテーマで面白そうな題材なのに、すごく勿体無い事になっていて、とても残念。
あと、5.が一番腹立たしい!親は子供を捨てて解放されたのかもしれないけど、子供はどれだけの絶望感を味わったことか。子供(弱者)の苦しみを理解しない親だからこそ、ラストシーンであんな最低なセリフが出てくる。…という理屈は分かるが、それならそういったキャラに『それなりの落とし前』をつけれ終わらせるのが、映画ってもんだろう?って思う。そこも描かないって、この映画は何を伝えたいんだ?
一気観
前編・後編の一気観。キネカ大森ありがとう。
荒野だ、場末的な環境とボクシングは昔からマッチする組み合わせだ。
単なる希望ではなく、ボクシングをすることが人生の他のことよりも楽しいという時点で場末だ。
いや、楽しいという表現ではあっていないな。ほかのことより、ましだって感じかな。
ボクシングでのあしあがろうという気持ちでもなく、ましだからやる。だからこそ、環境が悪くなれば悪くなるほどのめりこめる、そういう意味で貧乏なほど強くなる。
自殺防止クラブの活動は何だったのだろうか。寺山修二の脚本なので、60年代がわからないとのめりこめにくい。
結果として、この話はなんだったのだろう。ボクシングやれば人とつながれるという話? つながりすぎて、愛しすぎて死んじゃったという話? 終了のゴングが鳴った後の殴り合いの意味は何?
もしかして、そこはカタルシスを感じるべきところだったの? 俺には、ボクシングという競技を冒涜しているとしか思えなかったけれど。
それとも日本という最低の国の中でも俺たちは戦っているんだということを、ボクシングと反戦活動を重ね合わせて作者の心情を伝えたかったということ? わからん。
舞台は、かなり誇張したくらいでないと伝わらないと思うが、それをそのまま映画に持ってくると極端すぎる気がする。「ライチ光クラブ」を観たときにも感じた感覚。
よくできていただけに、本当にラストは残念だった。やりすぎだと思います。それこそが寺山修辞的世界なのかもしれないが。
ボクシングファンの俺には「百円の恋」のほうが向いていたようだ。
熱くぶつかり合う2人
吃音症で上手く話せず、父からの理不尽な暴力に耐える健二と刑務所帰りの新次は勧誘を受けボクシングを始める。やがて2人は友情を育み…。
前後篇鑑賞。終盤の展開は理解は出来るものの納得は出来なかったが、性描写も暴力表現も真っ向から描く姿勢と2人の関係性が良かった。
あー荒野
生きるつらさおろかさ、なぜ生きるのか考える作品だったと思う バリカンと新次が闘うのは見ていて辛かったけど 殴り合うことでわかりあえる繋がる、新次との出会いで全てが変わったバリカン どれもがどの描写も美しかった。あと少しボクシング🥊に興味が出た
原作小説を読んでビックリ!
今回後編を観る前に寺山修司の原作小説を読んでみた。
予想に反してまったく左翼的でもなく、自殺サークルも登場するにはするが、社会の閉塞感を苦にしてのものではなかった。
ただ自殺してみようというノリの自殺だった。
あくまでも焦点は新宿新次とバリカン建ニの2人の関係性であり、時代性を差し引いてもおそろしいほど面白かった。
それにひきかえ本作は……相変わらず酷い左翼傾向、原作の改悪、よく原題の『あゝ、荒野』をそのまま使えたものである。
見上げた根性だ!
筆者はある程度映画はなんでも観てみようと思っているから本作を観ているだけであって、そうじゃなかったら誰が本作を観るのだろうか?
もちろん映画館には筆者以外に客はいた。
しかし前編を観た時点で嫌になる人もいるだろうし、それ以上にそもそも本作のうざい政治思想を嫌って観ない人がほとんどなのではないか?
本作のテーマのどこに現代の需要があるのか全くわからない。
親しい友人にあらすじを話したら「金をドブに捨てるようなもの」と吐き捨てられた。
また寺山の原作を必要以上に膨らませ過ぎている。余計な話が多過ぎる。
原作の新次の両親は健在だ。そして登場しない!
自衛隊の海外活動を苦にして父ちゃんが自殺することもなければ、母ちゃんが新次を教会に預けることもない。
新次が少年院から帰還したのはいっしょだが、オレオレ詐欺なんかしていないし、詐欺仲間との確執もない。もちろん詐欺仲間も登場しない。
建二の母親は韓国人でもない。親父が自殺志願者なのはいっしょだが、原作では自殺するまでの間思う存分飲み食いできるという理由から自殺志願しただけである。
むしろ殺されそうになって一命を取り留めて新聞沙汰になっている。
本作で高橋和也が演じた宮木は原作ではインポテンツ気味で生身に興奮できない男である。
建二といい仲になりかける恵子役の今野杏南も原作には登場しないから、本作のとってつけたような建二の甘い体験もない。
流産からのあの強引な展開はなんなんだ?
芳子の母親のセツは原作では登場したようなしないような存在感であり、もちろん片目といい仲になることなんかない。
でんでんの演じたトレーナー馬場も本作のオリジナルキャラクターである。
自殺サークルの中心人物の川崎敬三〈そっくり〉は原作では思想もない軽薄な男で自分は自殺なんかしない。
そして何より許せないのは、建二の改変である。
原作の建二は最後までずっと弱いままである。
年齢も新次より年下の痩せたノッポで、同じジムに通う間2人はそれほど仲が良いわけではない。
吃りでまともなコミュニケーションの取れない建二は新次と殴り合うことで絆を深めたくて移籍するのだ。
弱いから新次にボコボコにされ、途中打ち所が悪く頭をコーナーに打ってさらにボコボコに殴られて死ぬ。
移籍には大きな意味があるし、彼の死にも納得がいく。
しかし本作はどうだ?
新次以上の実力がある建二のどこに新次に殴り殺される必然性があるのか?
本作の流れ通りに普通に考えれば新次に殴り勝てば建二のコンプレックスは解消されるのではないだろうか?
建二役がヤン・イクチュンという韓国人だから「忖度」して強くしたはいいが、でも最後は原作通りわざと無防備で死なせたと勘ぐらせるようなわけのわからない展開になっている。
「殺す」とか「殺せ!」とか「憎め!」とかいう言葉も原作には一切登場しない。
左翼的な作品性と相まってなんだか制作者たちの今の日本社会への恨み節に思えてならない。
原作にはセックスシーンもそれほど出てこない。
ちっぽけな左翼的テーマのために寺山の原作小説を利用するな!だからとってつけたような東北震災ネタも単なる左翼利用に堕すんだよ!
これをクソと言わずして何をクソと言うのか!
寺山の原作を踏襲して余計な話を加えなければ前後編2部作にすることなく1本の映画にまとめられたはずである。
俳優陣の渾身の演技は後編を通じても変わらず拍手を送りたい!
木下あかりや今野杏南、河井青葉が惜しげもなく見事な裸体を披露してくれたが、本作のような駄作では明らかに単なる脱ぎ損である。
本作は早くもBD/DVD化されているが、未公開シーンを加えたR-18版で5時間になるのだとか。
寺山が描きたいのは過激さではない!
劇中で登場人物を使って「殺せ」と言わせている場合ではない!
寺山が生きていたら殺されるのは誰か考え直した方がいい。
悲しい
憎しみの男と、誰も憎めない男。悲しい二人は、やはり悲しいまま終わってしまった。最後の試合のシーンは涙なしでは見られない。みんな悪者に見えるけど、愛するものがある。二人にはそれが見つけられなかったのかな。
ボクシングのシーンは良かったのですが...
前編から日が経ってしまいましたが漸く後編を鑑賞する機会に恵まれました。前後編通じて新宿新次(菅田将暉)とバリカン健二(ヤンイクチュン)の熱演がとても光った作品でした。ただ、前編でボクシングを通じて心を通わせてゆくこの二人が、後編に入ってバリカンの心変わりで変質して行く。原因となる事象は作中に一応描かれてはいるのですが、私には今一つ分かりにくかった。結局あの結末にはモヤモヤ感ばかり残ってしまい残念でした。また、原作が50年前の小説なのである程度時代設定を変更せざるを得なかったのは理解出来ますが、数年先の近未来を舞台に移した効果はドローンの場面以外余り無かったように感じました。狂信的な学生同好会や反政府学生デモ(+爆発)の場面は原作にあったとしても、この作品に本当に必要なものだったのか、私的には疑問でした。
男の友情の究極
女の私にとっては別世界と思えるような
男同士の友情に衝撃を受けたし感動した。
自分の薄っぺらい人付き合いしてるな〜とも。
特にエンディングで今までのバリカンとシンジの
映像が流れた時は涙が止まらなかった。
正反対の2人がボクシングを通して
不器用にでも確実に心でぶつかって
繋がってくのが見ていて愛しいです。
冷静と情熱の間
ヤンイクチュンも菅田将暉も、ユースケサンタマリアもでんでん、モロ師岡も出てる俳優さん皆素晴らしかった。キャラの人生を背負ってたと思う。
だけども、二人の人生をこれで描ききったのだろうか?
後半怒涛の展開で二人が違う道を選びまた交わる、僕の大好きな展開なのだけど、こうじゃない!まだまだやる事あるのでは?と熱いボクシングシーンを観ながら冷静な自分がいた。
前編後編通して、やはり自殺撲滅フェアや徴兵デモはいるのか?と思ってしまう。2人の物語とあまりにもかけ離れてる気がして、観たいのはそこじゃないという気持ちと、この時間で2人の結びつきをもっと魅せれたんじゃないかという気持ちでいっぱいだった。
全てが最後の後楽園で繋がる演出がとても良くて、なのに娘と母は交わらない演出がたまらなかった。
それだけに、裕二と新次と先輩の話、ケンジへの想い、その後と描ききれてない感も多々あった。
ヤンイクチュンも「息もできない」を全く感じさせない演技で素晴らしいなと思ったし、菅田将暉の目と声は未だに焼き付いている。
欲を言えば2時間半で一本の映画に、もしくは10話くらいのドラマで観たかった。
ドラマ版4~6話の感想
新宿って魅力的だなと思える映像の連続で、非常に満足。
前半に比べ笑える要素が少なく思ったので、面白味をもって見ていた人間模様がどんどん辛いものに映ってきて、作品への興味が徐々に新宿とかボクシングへと傾倒していくように感じた。
終幕に向けてボクシングに収斂していく展開を強く感じたけれど、あまりにも強引なような印象で、あまり入り込めなかった。
終幕を迎えて、作品の魅力的な部分がすべて見失ってしまった印象。そうはいっても、映し出される新宿は、人の一生が終わろうとも、どんどん移り変わりながら末永く残っていくのだろうというイメージは持てた。もっと新宿というものを欲してしまったところが良かったのか悪かったのか微妙なところ。見終わった満足感はないけれど、何か強く心に働きかけてくる作品ではあった。
歴史に残る名シーン
岸監督の舞台挨拶付きで鑑賞。前篇も凄かったが後編は更に凄かった。特にラストファイトは圧巻の一言で衝撃的。観ているこちらまでも白タオルを投げつけて叫びたくなるほどで、歴史に残る名シーンになると思います。菅田将暉とヤンイクチュン、二人の名演技に拍手を送りたい。
「孤独…でも自分はここに生きて居る!」
2017-164
因縁の戦いで得たものは、友情の消失でした。
プロボクサーとしての試験に合格し、ライセンスを取得したシンジとケンジ。
過去に消えた仲間のボクサーとの対決に燃えるシンジ。
対するケンジは、なかなか芽が出ず伸び悩み続ける日々…。
対照的な二人ですが、試合の日は刻々と迫っています。
「目の前にある相手をとことん憎め」とコーチから言われ、眼光鋭く睨みつけるシンジ。
しかし、ケンジは見ず知らずの相手を憎むことなんてできません。
それでも戦わなくてはならない現実の中、ある日ケンジは自分の親がシンジの親を殺していたという事実を知ってしまうのです。
ボクシングで成長しようと頑張ってきた仲間が、知り合ってはならない被害者の遺族だったとしったケンジ。
忽然とジムから姿を消した彼は、皮肉にもシンジとの試合を組んでもらうのでした…。
シンジからひたすら殴られるケンジ。
その姿は、亡霊のような死人のような、ただそこに立っているという虚無な存在。
自分という存在をこの場から消し去ってしまいたい気持ちが、ひたすら殴られるという皮肉な現場へと成り替わりました。
血みどろの試合の中で、二人は何を思っていたのか…。
表情でしか答えを見出せない所が、もどかしく深い世界を描き出していました。
韓国のヤン・イクチュンさんも、菅田将暉さんも演技の入れ込み方が凄まじかったです!
体作りを行い、プロのボクサーのように減量、増量しながら挑んだ撮影に驚かされました。
血みどろのドロドロした映像は、どこまでが本気でどこまでか演技なのか分からなくなってしまうような壮絶な映像でした。
まさに、底辺からのし上がって生きる、男と男の戦いの記録がここに描かれています。
菅田将暉さんとヤン・イクチュンさんに拍手です。
多分、前編後編を通して見ると感想は変わると思いますが・・・・
前編を試写会で見てよかったのでやっと後編を見る事が出来ました。
しかし、前編を見てから約2か月経っていたので、前編の細かい事などを大部忘れていて、後編を見ているうちに、徐々に思い出すって感じで、出来れば、前編と後編は一気見すると感想は大きく変わると思います。
前編の感想通り、出ている役者さんは素晴らしいし、ボクシングシーンも素晴らしいし、ある意味異次元性も上手く出来ているので前編同様に見応えは十分あるのですが、後編は、前編に比べてヘビーな作品になり、作風が急に重くなってくるかな・・・・
前編の乾いた感じが良かったのですが、後編は更に渇ききってしまったので、ちょっとヘビーだったかな・・・・
しかし、後編を見る限り、前編後編を合わせてもこんな尺の長い映画にしなくても良かったかな・・・・
多分、前編後編を通して見ると感想は変わると思いますが・・・・
タイトルの「あゝ、荒野」って、きっと、人間生まれた時から「荒野」をさまよい、喜怒哀楽を経験して死んでいく事を意味しているのかなと思いました。
木下
私はあなたとは繋がれない。あいつ俺と繋がろうとしているって話。大久保の高架脇を走る2人と、何度かある濡れ場が良い感じ。すごくちゃんと撮ってる。対して、試合シーンはかったるい。演技の話しじゃなくて、撮り方の話。木下あかりは、柳愛理の雰囲気で、すごく新宿的。新宿、311、2022、介護、自殺、テロ、徴兵制、角海老ジム。新宿と角海老以外は、いらない感じ。寺山の原作はどこまでだったんだろ、どもり、新宿、母親、デモ、爪をピース缶にあつめてる父親くらいまでじゃないのかしら。高橋和也が効いている。菅田くん、ヤンイクチェン、ユースケはあたりまえに素晴らしい。愛のむきだしとか、ヘブンストーリーに近い時間の使い方は乗れない。真利子君のイタイ感じになってない。
その先はご想像にお任せします。
風呂敷を広げっぱなし感が否めないけど、後編のほうが見応えがあった。
演出なのはわかるが、レフェリー無能過ぎだろwと、思ってしまってからは感情移入がイマイチ出来なくなった。
格闘技好きだから楽しめた作品でもあるが、それが仇となってしまった。
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