狂覗のレビュー・感想・評価
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制服の下に隠された花びら
ずっと暗い映像・演出ばかりだったのに、なぜかラストの音楽がとても綺麗な音色でビックリ。徐々に壊れていく主人公の復職先生タニヤが良かったけど、刑事責任は無かったんだよね?そこまで病んでいたのに教職に戻るなんてのも頂けないのすが、彼の目から見れば同僚の教師たちの罪のほうが重いのに・・・
万田という生徒が成績優秀でありながら、援助交際やら何やらで不穏な立場だったのがわかり、やがて逆にいじめられっ子だったという展開はすさまじい。次から次へと証拠が見つかりながらも全くその性癖に気がつかなかった担任も問題だが、どこまで真実に迫ってたのかもメンヘラ教師や薬物による関西弁幻覚教師によって有耶無耶にされてしまったような。
教育現場の問題を提起しながらホラー風味で解決する手法は面白いと思ったけど、過去のトラウマと両立させるのが難しかったのかという疑問も残ります。クズな数学教師以外の4人の心理変化は見事だったけど、台詞が棒読みっぽいところもあって集中できなかった。うーむ。優れていたのはタイトルだけかも。
企画がいいだけに魅せ方がもの足りず、最新作に期待
コアなファンも多いらしい藤井秀剛監督の最新作の試写が当たったので、予習を兼ねて鑑賞。企画としては面白いが編集のアラがちょっと…。
中学校の非倫理的な荷物検査から始まる、地獄のパンドラの箱開け大会。教師も生徒も皆ウソだらけ。プロットはズタボロすぎてあんまり感情がついて行かず、結果悪いJホラーを引いちゃった感覚。転調もうまく行かず、ラスト取っ散らかしたまま片付けたのが唯一後味が悪くていいな、と思ったくらい。そそるような引きがあまり無かった。
最初に違和感を感じたのは、教師の声。アテレコしたのか?というくらい合ってなくて、違和感が続いた。途中で治ってはいるんだけど、乱暴さが続いてしまって結果飽きてしまった。確かに怖いね、という感想しか出てこない。うーん、『超擬態人間』ならもう少しまとまっているのか。中学のイジメを取り込んだスリリングさを期待していただけに、パッとしなかったのが残念。
『半狂乱』は青春ホラーらしい。一抹の不安を感じているのだが、面白かったらいいな。Jホラーの難しさみたいなものをこちらが改めて感じた。
学生が作った?!
学生がディティールだけにこだわって作りました!かっこいいでしょ!狂気が滲み出てるでしょ!
ちゃんと伏線回収できてるでしょ!
みたいに意気揚々と作って、視聴者を置いてく系映画でした。
着眼点はたしかに面白いのに、作品に入っていけないし、そのくせ手の込んだ幻視するし、もったいなすぎ。
無駄に役者を煽らせてるから逆に下手くそに見えてしまう。
普通に演技して、普通にテーマに対して問題提起、解決していけば、もうすこし見えるものになっただろうに。
集中できない
扱っているテーマは良かった。
他の人も触れているが、映像作品としての完成度は低すぎる。
カメラワーク、カット割りなど素人作品みたいで内容に集中できなかったのが残念だ。
同じテーマで、ちゃんとした監督に取り直してほしい、
下手くそ
テーマやドラマの着眼点はいいのに、監督が下手すぎ。俳優も下手に見える。事件の表層ばかり描く。深層に迫らないから、監督としては下手くそ。
久々に金を返せと思った。
しかし、何を映画化するのか?、という視点は凄く良いので、監督を続けて下さい。
作りが負けていた
トラウマ抱えた若い男、リーダー気質の男、調子者で迂闊な男、理想に縋り続ける女、暗い変わり者の女、
ワンシチュエーションスリラーにありがちなキャラ設定も、全員教師ってだけでなんか少し変わって観えるのが面白い。
ストーリー的にはそこまで悪くないんだけど演出や作り方が酷すぎて面白さをことごとく潰していた。
ホームビデオ並みのカメラワークにカッスカスの画質、見るに耐えない顔面どアップ、たぶんアフレコなんだろうけど節々聞き取れない台詞…
現実と混ざり合う回想シーンももっとスリリングに出来そうなものなのに、安っぽい色調加工と変なテンションの演技で台無し。
トークショーで低予算と過酷な撮影をアピールしていたけど、それ以前に本当に面白い社会派エンターテイメント映画を自称するなら、限られた条件の中でも映画として最低限綺麗に観れるものに仕上げて欲しかった。
演出は最悪だけど、教師五人による掛け合いと物語の進み方、何よりハイテンション気味だけど絶妙な絶望感のあるラストは好き。
だんだん見えてくる本性と真実に期待感は出てくる。
話が進めば進むほど谷野の精神が弱すぎるのには笑えた。
自分でも言ってるけど、貴方がそこまでトラウマ抱えて苦しむ要素も必要も無いよ…
最初はなんだか嫌な女だった橋本がいつの間にか常識人っぽくなってたのはもはやお約束かな
幼稚すぎる教師達を観てると、人間歳を重ねようと立場が出来ようと 本質はいじめっ子いじめられっ子の中学生と何も変わらない、むしろ体裁やしがらみが関係してくる分子供よりタチ悪いなと思えた。
この映画の五人は極端にも思えるけど、自分含め人間なんてそんなもんだよなー。
過剰ないじめもSNSでのやり取りも教師の横暴も、考えれば考えるほど嫌になるけど面白くもなる題材なので、作りをしっかりしてもう少し楽しませて欲しかった。
『リアリティ』と『リアル』
似ていて異なる矛盾を突きつけられた作品。ここまでの悪行の数々のイジメや、教師の自己保身やプライドの体裁は、より『リアル』を突き詰めているのだろうが、台詞の聞き取れ無さまで、リアルを追求しなくてもとは思う程、何喋っているのか分からない。ここは『リアリティ』でいいのではないだろうか?他のレビュー観ていると、どうも音声と映像の粗雑さが余りあるとのことだが、そのレベルでの制作を鑑みてのクオリティを表現して貰いたかった。要は、金がないならば、尚更丁寧にってこと。折角、これだけのテーマとホラー要素を構築しているのだから、観客に優しい映像作成をお願いしたいものだ。
鑑賞後のトークショーで、監督と、プロデューサー兼女優さんが登壇していたが、その中で4日間貫徹という話をしていて、それ位過酷な撮影を自慢する語り口に、この作品の勿体なさを強く感じてしまった。展開やラストのオチが綺麗だっただけに、肝心の観客への『愛』が足りなかったような・・・ 一寸言い過ぎかな?
隠蔽
生徒が目の前で転落死した経験を持つ休職中の教師が、臨時教師として中学校に復職した日の一限目に、他の教師達と共に体育の授業で生徒がいないクラスの持ち物検査をすることで起こる話。
持ち物検査をすることで生徒を罰したり吊し上げたりするのではなく、実態を把握するのが目的という言い訳。
気持ちはわかるけれど実際にやってはいかんだろうという気分の悪さと後ろめたさがついて回る中、色々とみえてくる事実に、真実は何か?、どうなるのか?と期待が高まって行く。
欲を言えば…
鎮痛剤があるのは良いけど、あのリアクションなら飲むのはいらなかったかな。
設定的に幻視や想像の映像化が差し込まれるのは良いし見せ方も良かったけど、幻視の乱用で昇降口のシーン辺りでゲップ気味だし靴はやり過ぎ。
ボンドの件はリアリティがない上にリアクションがおかしくて丸々いらない…なくてもここまでの丁寧な振りで繋がらない人いないよね。
とはいえ、教師達のクソっぷり、生徒達の実態、展開、オチとなかなかダークだし衝撃的で、胸糞悪さを堪能できた。
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