「早熟の天才が未成熟な大人をあぶり出す」gifted ギフテッド 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
早熟の天才が未成熟な大人をあぶり出す
11/30レビュー『だいず』さんのイブリンに焦点を当てての考察、素晴らしいですね。
人間というのは、誰かの為に役立っていると思いたいし、そう思えること自体がその人自身の支えにもなるわけですが、その『誰か』が子どもだけの場合、自分の所有物のような過干渉や囲い込みを招き、その結果、子どもの精神を損なうということは、割と身近なところでも起きています。子どもにとってこれが一番正しいはずだという独善的な思い込みは、相手に寄り添って支えるのとは正反対の振る舞いに繋がり、結局は自己の存立基盤を子どもに依存しているだけの未成熟なオトナということになるのかも知れません。
実際に、成熟しているなと思うような人は、『お前の為にしてやってるのに分からないのか』などという叱り方を子どもにも部下にも決してしません。
子どもや部下の人間性の成長振りはあまり見ないで、成績や結果の良し悪しばかりを気にする親や上司は、子どもや部下のためでなく、自分の見栄や体裁や出世の方が結局は大事だということです。
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かいりさんのコメント
2020年3月16日
ちょっと論点がずれますが、「人はなぜ人を愛し、結婚するのか」という問いかけに「自分が生きた証を残すため。地球上にこれだけの人口がいるのに、たった一つの命になんの意味が?でも結婚すれば、相手の全てに関心を持つ。いいこと、悪いこと、イヤなこと、つまらないこと、私はその人生を見守って、その人生の証人になる」と『Shall we ダンス?』でスーザン・サランドンが答えるシーンがあります(確かこんな感じで)。こういう考え方ができれば、世の中の暴力やネガティブは減るんじゃないかなと思える台詞でした。