「「(500)日のサマー」に通じる、心がつながる喜びと喪失の悲しみ」gifted ギフテッド AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
「(500)日のサマー」に通じる、心がつながる喜びと喪失の悲しみ
「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ2作のメガホンを任されて、持ち味を出そうと奮闘しつつも良い結果が出せなかったマーク・ウェブ監督。だが、生後間もなく母を亡くした天才少女と養育する独身の叔父の関係を描く本作は、「(500)日のサマー」で描いたのが若い男女の出会いと別れという違いはあれど、心が通じあう喜びと、そうした関係が失われるときの絶望的な悲しみを再び主軸にした点で、多くの観客に共感を持って迎えられる好作となった。シンプルな人間関係の中で、心の機微を丁寧に表現するのが得意な映像作家だと改めて思う。
そして、メアリー役のマッケンナ・グレイスの実に豊かな表情には本当に驚かされた。優れた子役が子供らしい自然な演技をするのは当たり前だが、彼女は大学教授も驚嘆するほどの数学の天才という“不自然なキャラクター”を自然に演じているのがすごいのだ。
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