「鉄腕アダム」ローガン・ラッキー 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
鉄腕アダム
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この映画のことは知らなかったので、新作だと思っていたら、よく見たら2017年公開と書いてあったので、再映だったのですね。
カーレースの売上金強奪と言うと、競馬の売上金強奪を描くスタンリー・キューブリック監督の「現金に体を張れ」を思い出すが、あちらの方の計画はもっとシンプルだった(時間が何度も前後する話法が特徴的だが)。計画が複雑になればなるほど失敗の危険も増すように思うが、そこはそれこの映画では終始“ラッキー”に切り抜けていく。普通に考えると、現金強奪より脱獄の方が輪をかけて難題のはずだが、ゆるゆるの流れで成功してしまう(あの便所の裏側はどこにつながっていたんだろう?)。すべてが水泡に帰すタイミングは結構あったような。
犯罪チームの物語と言えば、ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズがあるが、車でどの道を通ったかを滔々と語るローガン妹はまるでスタン・マーチみたいだ。
盗んだ金を放棄したように見せかけて一部手元に残すという筋書きは、ドラマ「イチケイのカラス」の挿話にも出てきた。総じてうまく行き過ぎているきらいはあるが、気持ちのいい話のたたみ方である。
リアーナをやめてジョン・デンバーを歌うというのは、日本だとアイナ・ジ・エンドから鳥羽一郎に変更するようなものだろうか。
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